こだわり過ぎた復刻の『燃えろ！！プロ野球2016』

2016年4月8日(金)に864円でリリースされた『燃えろ！！プロ野球2016』。ジャレコより1987年6月26日にリリースされた『燃えろ!!プロ野球』を復刻したというかリメイクしたというかわからない感じのゲームです。

先に実名化ガイドを投稿しましたが、それを見ればわかるように選手データは1987年のものが使われています。ライセンスに厳しいご時世ですので、選手名はモデルとなった選手からかけ離れた名前になっています。選手名をエディットする機能があるので「手動で実名に直してね」ということかと思います。

『燃えろ！！プロ野球2016』実名化ガイド

オリジナルの『燃えろ!!プロ野球』は、「バントでホームラン」や「ファールの後はストライク」といったネタやバグが多くあり、それを再現できるシステムになっています。しかもデフォルト設定では、ネタやバグは全て「ON」。

Youtubeにオリジナルの『燃えろ!!プロ野球』の動画がありますが、見比べてみると選手のモーションや打球の飛び方、守備の動きなど、ほぼ同じように再現されているのがわかります。作り手の「本気で燃えプロを作る」という意気込みが感じられます。

攻守交替の演出はスキップできるのでサクサク感があります。

実際の野球ルールと少し違っていたり、公式のジャンルが「燃えプロ」ということで、野球ゲームという枠から外れてはいるようですが、野球ゲームとして楽しめています。

選手モーションに躍動感があるので、動かしていて面白いです。特にアンダースローがカッコいい。球が浮き上がってくる感じが良い。

守備の動きはチープで、これが「燃えプロ」スタイルなのかと思う。外野手が前進して球が後ろに抜ける事が多い。これはCPUも同じなのでプレイヤーと同条件。

敵AIは単調なので、こちらはワンパターンの攻めでも通用する。ゲームに深みはないですね。

試合時間は25～30分ほど。

操作も「燃えプロ」流。

基本的にはシンプル操作ですが、走塁は少し混乱する。1塁から2塁に行く場合、例えばファミスタなら2塁を指定(方向キー上)して進塁ボタンですが、燃えプロは、1塁走者を指定(方向キー右)して進塁ボタン(×)という具合。

守備時の送球は方向キーで塁を指定して送球ボタン。パワプロに慣れた人だと4つのボタンで送球するクセがあるかもしれない。

操作方法に関しては、オプション設定があれば良かったと思う。現状は燃えプロ操作オンリー。

公式サイトでオンラインマニュアルが公開されています。

燃えろ！！プロ野球2016 電子説明書

ゲームモードは「ペナント」「VSモード」のみ。

ペナントは「30試合」「60試合」「120試合」の中から選択できますが、「30試合」以外を選択する理由もない気がします。選手のスタッツはおろか、順位表さえ表示されないシステムです。勝敗だけは記録されますが、エキシビジョンマッチを30試合する感覚に近い。おそらくここもオリジナルの燃えプロのシステムにこだわったのかと思います。

トロフィーは、プラチナトロフィーまであります。ザッと見ると難易度は高くなさそうですが「ペナントで優勝する。」だけは少し時間がかかりそうです。

燃えろ!!プロ野球 2016 – PSN Trophy Leaders

試合は、レトロな野球ゲームとして楽しめる。

選手名エディットで実名化できたり、10のオリジナルチーム作成枠、100人のオリジナル選手作成枠もあってエディット面は充実している。

試合は楽しめて、エディットも充実していますが、実際にゲームとして長く楽しもうと思った時に肝心のゲームモードが弱いと感じてしまう。記録が残らず変化のない試合を繰り返すペナントレースは飽きやすい。

操作やモードに味つけしなかったことも含めて、かなりオリジナルの『燃えろ!!プロ野球』にこだわっている印象で、復刻としての完成度は高いのかと思います。どちらかと言えば、新生・燃えプロではなく、ゲームアーカイブスやヴァーチャルコンソール的な立ち位置。ジョークソフト的存在で864円なら、アリかと思います。

復刻版っぽい作りですが、エディットに関しては力が入っている。特にジャレコチームは1人1人がこだわりのビジュアル。