2019年2月15日にリリースされた『ファークライ ニュードーン』の感想。プラチナトロフィー獲得済。
ファークライ5から17年後
ファークライ5が8,100円/$59.99であり、ファークライ ニュードーンは5,832円/$39.99。価格からわかるように中規模のゲームです。本編に比べたらボリュームは少なめ。クリアだけなら10時間前後、寄り道しても15~20時間規模のゲームかと思います。
ファークライ5から17年後の世界が舞台であり、ストーリー的には前作をプレイしていないと面白くないと思います。意味不明な部分もありますのでね。
モヤモヤが残ったファークライ5のエンディングでしたけど、これで1つの区切りがついた感じです。とは言え、あっさりめのストーリーで盛り上がりには欠けた。正直、ストーリー的には好きじゃないです。神の力とか精神世界とか非現実的な部分が出すぎちゃうと、ポストアポカリプスそのものの魅力が感じにくい。双子への復讐劇という部分はわかりやすいし良かった。
以上のことからDLCっぽい感じもあるのですけど、独立したゲームとなっております。
個人的には大賛成な手法。ゲーム版のジェネリック医薬品とでも言いますか、AAA級の素材を生かした後発版で価格を少し抑えるという。詰め込み過ぎずプレイしやすいサイズというのもアリだと思う。ゲームが渋滞している年度末でも手を出しやすい。
MetacriticのUser Scoreでは、ファークライ5の再利用でDLCレべルのものを$39.99で売るなとか、課金要素が叩かれて3.3点(359件)という低評価なのですが、個人的にはまったくマイナス要素じゃない。課金要素も利用する必要のないレベルで設定されている。基地と探検で素材とPERKがザクザク手に入って全然渋くないです。
5大要素とランダムミッション
オープンワールドゲームとしてオーソドックスであり、ファークライシリーズ本編よりも簡略化された印象もあります。プレイした率直な印象としてシンプル。マップもナンバリングより狭いです。
メインミッション/サイドミッション/基地(10)/探検(7)/トレジャーハントの5大要素とランダムミッションで構成されている。
基本となるメインミッションとサイドミッション。ストーリーが進行したり、ガンフォーハイヤー(仲間)が加わったりする。
ガンフォーハイヤー(仲間)を同行させるシステムもシンプルになっており、『5』では2人だったのに『ND』では1人になっている。
基地の占拠は基地内の全ての敵を倒すと完了。これも定番の要素ですね。見つかると警報を鳴らされて増援を呼ばれる。全10ヵ所。何度もプレイ可能。
探検は別マップに移動して行うミニミッション。メニュー画面の「日誌」から挑戦可能。目的地周辺で荷物を回収し、脱出地点でヘリに乗り込むとクリア。脱出時は必ず敵に見つかって銃撃戦となる。全7ステージあり、ストーリーはありません。何度もプレイ可能。
トレジャーハントはちょっとしたパズル。目的の部屋に入る事ができれば、アイテム/クレジット/PERKの本が得られる。
上記5つがゲームの基本部分にあり、ランダムミッションとして人質/貨物トラック/タンクローリー/補給物資がある。
単調なリズムだが面白い
上記の要素を淡々とこなす感じで、目新しさも感じない。しかし、個人的には大好きなゲーム構造。ひたすら基地攻略をするのが楽しいし、移動中のちょっとした戦闘も楽しい。
いろんなアプローチができるのが魅力。戦闘かステルスかの選択はもちろん、自由な攻略ルート、様々な武器とアイテム、仲間の使い方、このへんを考えながらプレイしていると何度でも飽きずに楽しく遊べる。ゲーム側が用意した正解を探すのではなく、攻略を自分でデザインできる楽しさ。操作性も不満なしで、動かしていて楽しい。基地攻略ばっかりプレイしていても、いちいち「楽しいなぁ」と感じた。
ステルスは最近のゲームの中では少しシビアなところもあり、死体発見をした敵がすぐに戦闘態勢に入ったり、警報を鳴らします。例えば『アサシン クリード』だと死体を発見しても警戒態勢に入るくらいなので、その感覚でやっちゃうと失敗する。誰にも見られていない状態で倒す必要があるし、死体を隠すことも大事。
シンプルな汎用ミッションが楽しくて、逆にちょっと工夫されているストーリーミッションが楽しくなかったりした。時間制限や武器制限など、自由なアプローチができなくなると悲しい。
武器のクラフトとPERKによる成長要素もあり、基地攻略を繰り返すにしても成長しながらプレイの仕方も変化していく。
自由に選べるPERKは良いのですが、テイクダウンがPERK制なのは良くないんじゃないかと思った。敵のレベルは4段階あり、PERKを習得していないとテイクダウンできない。『アサシン クリード』でも思いましたが、テイクダウンだけは最初からフリーの方が無強化での挑戦もできてステルスが楽しいと思う。
AA~AAA級ゲームは工夫やバリエーションが求められて、それに応えようとしているゲームは多い。しかし、その中で面倒くさい物やつまらない物が含まれてしまうことも多い。 私はサンドボックス的に自由に遊べる基地攻略みたいなのを延々とやるだけでも良いと思っているし、『ファークライ』シリーズみたいに様々なアプローチができて操作性も良ければ、そういうのが一番楽しい。だから『ファークライ ニュードーン』は、お気に入り。
急かすことができる会話システム
『ファークライ5』では、会話中のNPCが戦闘態勢になると会話が中断されて、戦闘後に「どこまで話したっけ?」と途中から話を再開してくれたのが印象的。そのシステムは今回もあり、さらに×ボタンでスキップすると、本来は長い話を短くまとめてくれるのが良かった。もしかしたら『ファークライ5』でもそうだったのかもしれないけど、スキップした記憶がないので未確認でした。
最近、リアリティを重視して会話中のテキスト送りができないゲームが目につきますが、その強制はあまり好きじゃない。『ファークライ ニュードーン』もそれと同じだと思っていましたが、×ボタンでスキップしたら短くまとめて話してくれたので驚いた。「3行でまとめろ」みたいなシステムで面白い。リアリティを残しつつ、テンポも良いシステム。これは他のゲームも真似てほしい。
ちなみに日本語音声です。決定ボタンは日本仕様の〇。UBIはローカライズに力入っています。
武器強化が楽しいけど倒したい強敵がいない
このゲームは武器の強化制限がなくて、素材さえあれば実質的な限界なしで武器の攻撃力を強化できる。ショボいハンドガンでもひたすら強化すればトンデモナイ火力になる。ショボいはずの武器を最強を超える最強にできる強化にもハマる。
プラチナトロフィー獲得後も武器を強化したくなってしまう魅力があった。ただ、それを使って倒したい強敵がいないのは残念。基地(レベル3)と探検(レベル3)は何度でもプレイできますが、強武器の有難味を感じるほど難易度は高くない。
めちゃくちゃ強い敵でもいてくれれば、それを倒すための武器作りに熱中できるのにと思う。せめてNew Game+があれば、ハンドガン一丁で暴れまわりたい。
ド安定の簡易版ファークライ
5,832円/$39.99という価格で、『ファークライ5』の素材も使いながらの中規模なゲームということを理解していれば、十分な魅力が感じられる。強化版ではなく、簡易版。基本的にド安定の『ファークライ』シリーズだなという印象。
今年に入って『inFAMOUS First Light』も再プレイしていたのですが、AAA級の素材から別のゲームを生み出して、プレイしやすい控えめのボリュームで豪華な体験ができるというやり方は大賛成。
欲を言えばエンドコンテンツにもう1手欲しかった。武器強化がハマれたので、それを生かす場があれば完璧。
ファークライ ニュードーン 【CEROレーティング「Z」】 – PS4
- 出版社/メーカー: ユービーアイソフト株式会社
- 発売日: 2019/02/15
- メディア: Video Game
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