スターオーシャン5(PS3/PS4)がPS3ベースで開発されているという事で、Twitterなどでも縦マルチに関する話題が多くなっていました。PS2とPS3の時はどうだったのかなと、軽く調べてみました。
PS2もPS3もピークは5年目。
年 | PS2 | PS3 | PS4 |
2000年 | 120本 | – | – |
2001年 | 219本 | – | – |
2002年 | 341本 | – | – |
2003年 | 447本 | – | – |
2004年 | 464本 | – | – |
2005年 | 445本 | – | – |
2006年 | 332本 | 13本 | – |
2007年 | 241本 | 52本 | – |
2008年 | 146本 | 83本 | – |
2009年 | 75本 | 74本 | – |
2010年 | 39本 | 115本 | – |
2011年 | 6本 | 147本 | – |
2012年 | – | 143本 | – |
2013年 | – | 136本 | – |
2014年 | – | 102本 | BD版59本 DL専用66本 |
売上データが残るほどのPS2とPS3の同発マルチタイトルは少ない。国内メーカーがXbox360を含むマルチ主流になったのはHD世代からですね。基準として都合が良かったのは『ウイニングイレブン』くらいでした。
1年:旧世代機版が2倍売れる
PS3発売から1年後に発売された『ワールドサッカー ウイニングイレブン2008』。PS2版の方が2.1倍も売れていました。PS3とPS4の和ゲーの関係もこれに近い。
PS2 2007年11月22日 初週305,234本
PS3 2007年11月22日 初週144,839本
●ワールドサッカー ウイニングイレブン 2015 ※PS4発売から9ヶ月
PS3 2014年11月13日 初週71,303本
PS4 2014年11月13日 初週26,684本
●バイオハザード リベレーションズ2
PS3 2015年3月19日 初週73,373本
PS4 2015年3月19日 初週42,358本
●ワンピース海賊無双
PS3 2015年3月26日 初週97,362本
PS4 2015年3月26日 初週46,693本
コアユーザーは当然ながら移行が早く、洋ゲーは1年で既にPS3版よりもPS4版の方が売れやすい。『バイオハザード リベレーションズ2』と『バトルフィールド ハードライン』は同日発売でPS3とPS4のマルチでもありましたが、『バイオハザード リベレーションズ2』はPS3版が1.7倍売れて、『バトルフィールド ハードライン』はPS4版が2.3倍も売れるなど、わかりやすい差が出ています。
PS3 2014年11月27日 初週11,294本
PS4 2014年11月27日 初週29,274本
●ファークライ4
PS3 2015年1月29日 初週18,366本
PS4 2015年1月29日 初週36,239本
●バトルフィールド ハードライン
PS3 2015年3月19日 初週28,976本
PS4 2015年3月19日 初週68,823本
2年:次世代機版が1.7倍売れる
PS3発売から約2年後に発売された『ワールドサッカー ウイニングイレブン2009』と『ガンダム無双2』は、どちらもPS3版の方が1.7倍売れていました。
PS4が2016年2月を迎えた時にPS3版より1.7倍くらいになるかに注目。
PS2 2009年01月29日 初週101,857本
PS3 2008年11月27日 初週175,363本
●ガンダム無双2
PS2 2008年12月18日 初週91,632本
PS3 2008年12月18日 初週161,623本
3年:旧世代機版がほぼ終了
3年が経過すると旧世代版のセールスは厳しくなります。ソフトリリースも激減し、販売本数が確認できるタイトルが少ない。
PS2 2009年12月20日 初週33,200本
PS3 2009年11月05日 初週234,508本
2015年4月現在は縦マルチが主流で国内向けタイトルはPS3版が2倍ほど売れている。
2016年2月までは縦マルチが残る。37%(PS3):63%(PS4)くらいの割合なら切り捨てるのはもったいないはず。
2016年3月以降は急激に旧世代機版が廃れると予想できるのでリリースしにくくなる。
2017年からはPS3のソフトリリースは、ほぼ無くなる。
PS2とPS3は本体セールスが桁違いですし、SDからHDへの移行もありました。価格変更や新型投入の事情もPS3とPS4は違いますので過去のデータ通りとはいかないでしょうけど、PS→PS2、DS→3DSやPSP→Vitaなどの関係を見ても2年も過ぎると旧世代機は急激に存在が薄くなる。今はPS3とPS4の縦マルチが多いですが、騒ごうが騒ぐまいが2年を目処に無くなっていくと思います。世代やハードによって事情は違いますが、各メーカーも過去のデータを考慮するでしょうから、さすがに3年目以降も旧世代機を重視するという判断にはなりにくいでしょう。
移行期は敏感で、過去のデータを見ても1年で急激に動く。最初の1年は「PS2で十分」「SDで十分」なんて言われていて、実際にPS2版が売れていた。2年が経過すると移行の遅れなど無かったかのように大逆転。満2年から3年までにほぼ移行完了。5年でピークを迎えて8年目まで収穫期。
海外はユーザー数が多くて移行も早いので縦マルチを切るのも早くできるでしょうけど、国内なら2年は縦マルチでも普通という感じだと思います。日本一ソフトウェアはPS4に対する気概のあるところが見えていて、PS4ファンとしては嬉しいですが、魔界戦記ディスガイア5がPS4独占にしてソフトラッシュで競合した事もあり初週22,725本。魔界戦記ディスガイア4の初週79,425本から大きく落ち込んでしまったので、あまり無理しても大変だと思いました。ディスガイアシリーズは北米でのセールスが計算できるから大丈夫なんだと思いますけどね。
こんな具合に満2年までは37%(PS3):63%(PS4)くらいの割合が期待できるので、国内で売れるゲームはメーカーが縦マルチを選択するのは当然かなという感じでした。次は2016年2月時点での割合を見れば、移行が順調なのか遅れているのか判断するポイントになるでしょう。『ドラゴンクエストヒーローズII』や『スターオーシャン5』らがいつリリースされるかわかりませんが、このあたりのタイトルがPS4 > PS3になっていれば良いですね。
久夛良木元社長がPS3発表時に10年プラットフォームを強調し、それが「PS3は10年戦える」という「ジオンはあと10年は戦える」みたいなフレーズになって当時はネタにもされていましたが、本当に10年戦えそうですね。早くPS4に移行してほしいですが、PlayStationのハード寿命の長さも大きな信頼になるので、PS3の現役生活の長さがPS4に良い影響を与える部分もあると思います。PS5がどういう形になるかわかりませんが、最初の2年はPS4との縦マルチが主流になるのも予想できますね。その時は「またPS4との縦マルチかよ」「PS4があれば十分」なんて発言を繰り返しているのかな?
コメント
2年じゃなく3年じゃないかな?
個人的にはPS3のPS STOREはいつまで継続されるかも興味あります。
おそらくUS終了から1年半から2年後ですかね?
和ゲー好きな方には縦マルチはありがたい反面、洋ゲー派からすると早く次世代機オンリーにして欲しい。
今回のデータを用いての検証はとても楽しく読ませて頂きました。
もやもやと感じていたことを具体的な数字とともに説明された感じで、なるほどと思いながら読ませてもらいました。
現状据置機はPS3とPS4しか機能してないですし、嫌でも移行するでしょ。
PS3の時はWiiの爆売れとか360のJRPGラッシュとか不安要素がありましたけど、結局生き残ったのはPS3だけであり、何も心配いらないと思います。
逆に今もPS3が生きてるからPS4にもソフトが出るのであって、WiiUやOneにソフトが出ていないことを考えると、縦マルチでも全然有難いんですけどね。