PS5版とVR版『Hitman 3 (北米版)』の概要

ゲームの概要・感想

2021年1月20日22時に解禁となった『Hitman 3 (北米版)』の概要。

触感フィードバックとアダプティブトリガー

すべての銃はアダプティブトリガーに対応しており、本物の銃を撃つ感覚に近い2ステージ・トリガーを再現しています。

トリガーに指をかける緊張感を感じてからグッと引き、銃で人を殺すという重みが増した。従来のR2は1ステージめに指をかけるという動作はなかったですからね。

自動小銃はすべての反動をシミュレートし、各武器のサウンドプロファイルに関連した独自の触覚フィードバックを実装。各武器の発射音を再現するのと同じように、銃撃したときの感覚をエミュレートしているとのこと。

スナイパーライフルにはアダプティブトリガーの特別な使用方法があります。スナイパーライフルを装備し、2ステージ・トリガーの2ステージ目の圧がかかる部分に指を当てるとスローモーション&息止めが起動。狙撃寸前の指が震えそうな緊張感でスローになる感覚がイイ!別のボタンを押すんじゃなくて、トリガーに浅く指をかけて発動するのが狙撃の没入感を損なわずイイ!かなり上手い使い方だと思った。従来のゲームだとL3R3で息止めだったので、それと比較するとトリガーだけでコントロールできる事により狙撃のリアリティが増した。

投擲物の使用時もR2に圧があります。

高速ロード

ミッション前のロードやミッションプレイ中にやり直すためのセーブデータロードは6~7秒。

ミッションプレイ中にこまめにセーブしながら進めて、失敗してやり直したくなる場合が多いので、6~7秒のロードは前世代に比べて、めちゃくちゃ遊びやすくなった。
快適になった事により、サンドボックスの中でいろいろ動いて試せて面白さが増す。快適さは面白さに繋がり、前世代からのロードの高速化はゲームを劇的に良くすると実感した。

グラフィックとフレームレート

グラフィックは悪くないですが、PS4世代からの伸びしろが少なくなっていて、もう解像度の差やわずかなエンハンスドでは驚きを覚えにくくなっています。『Hitman 2』もグラフィックは良かったですし、PS4 Proで45fpsだったので、それと比較して着実な成長はありつつも大幅な成長は感じません。客観的に「キレイ、シャープになった」というのはわかりますが、プレイしていて「すげぇ!」と驚く事はないです。

Hitman 3 | PS4 – PS4 Pro – PS5 | Graphics & FPS Comparison

安定した60fpsは素晴らしい。PS4の時も最初は1080p/60fpsが期待されましたが、グラフィックにこだわる多くの大作ゲームが30fpsを選択していました。PS5世代こそは、差がわからないようなグラフィックにパワーを使うよりも安定した60fpsを第一目標にしてほしい。実際に60fpsのゲームが多いですから、PS5世代こそは60fpsが標準になりそうで期待できます。

今まではゲーム機の進化というとグラフィックに大きな注目が集まりましたが、もうそこじゃ新たな感動は生まれにくいというのを見越して、触感フィードバック、アダプティブトリガー、高速ロード、VRを導入したSIEのセンスは良いと思う。わかりやすい次世代感があります。

日本語には未対応

PS5北米版『Hitman 3』は日本語に対応していません。と言うか全プラットフォームで日本語は未対応のようです。

国内ではSwitchのクラウド版とEpic Games StoreのPC版が販売されていますが、どちらも日本語未対応。
HITMAN 3 – Cloud Version ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『HITMAN 3』 – Epic Games Store
日本語未対応ながらEpic Games Storeでの6,180円という価格は良いです。北米版の$59.99と同じ。例えばPS4版の『Hitman 2』は日本で8,580円(税込)でしたから、日本のプレイステーションソフトの高価格化は大きな問題。

VRはPS4版のみ

PSVRに対応しているのはPS4版のみです。
PS5ダウンロード版『Hitman 3』を購入すると、PS4版もセットになっていますから、PS5版とPS4版の両方をダウンロード→インストール可能。どっち版を買うか悩む必要はありません。

PS5の後方互換機能でPS4版を起動すればPSVRでプレイできますが、ライトバーが必要なのでデュアルセンスは使えず、デュアルショック4でプレイする必要があります。

馬鹿でヤバイ、最高級のVRゲーム

ヒットマン3のVRモード、超楽しいし超ヤバイ。VRでの殺しのサンドボックスゲームは、何か事件があったら発禁になりそうなレベル。ほぼ全てのNPCを殴ったり撃ったり斬ったりして殺せちゃうから、『マンハント』よりも強烈。VR特有のユニークな挙動で、馬鹿ゲーっぽくもある。

殺した後に死体が見つかって、その現場に戻るドキドキは非VRでは味わえない。現場に戻る殺人犯の気持ちを味わえてしまう。非VRだと、あくまで殺したのは画面の向こうの47という意識があるけど、VRだと自分が殺したという意識が強い。

本編のミッションをそのまま遊べるからボリュームもある。
今作はマップが広くて歩き回る楽しさも大きいから、その楽しさもVRで増す。

グラフィックは非VR版に比べて簡略化されており、NPCが多い場面だと表示が遅くなったりする。
PS5の後方互換でプレイするVRは、チラチラユラユラせず、カクカクもせず、映像の安定感がある印象。この規模のゲームでこの安定感は流石だと思う。早くPSVR2(仮)を体験したい。

PS5版をプレイするかVR版をプレイするか非常に悩むところでしたが、とりあえずPS5版のストーリーをクリアしました。6ミッションなので5時間もかからないくらいです。サンドボックスで繰り返し遊ぶゲームですから、1周は長くない。

過去作を所有しているとPS5版としてプレイ可能

『Hitman』『Hitman 2』を所有していると、PS5版『Hitman 3』内でプレイ可能。ちなみに『Prologue』は最初から収録されています。

『Hitman』『Hitman 2』のアクセスパスとしても案内されています。

3部作のストーリーミッションが全てPS5版としてプレイできるのは素晴らしい。触感フィードバック+アダプティブトリガー、高速ロード、60fpsの魅力は大きく、PS5版でストーリーを最初からプレイできるとなれば新規ユーザーも入りやすい。

ほぼ前作を踏襲

『Hitman 3』は、ほぼ『Hitman 2』と同じ操作で同じシステムです。

目立つ新要素は、1度開放したショートカットはリプレイ時も開いたままというシステム。リプレイ時は最初からショートカットが開いているので、攻略しやすくなる。

高評価なだけに残念

メディアレビューでも高評価の『Hitman 3』、2021年のGOTY候補1本目と言えるような評価を得ています。

PS5版は触感フィードバックとアダプティブトリガーと高速ロードが生きており、PS4版ではVRに対応している。ダウンロード版を買えば両バージョンセット。プレイステーションプラットフォームならではの大きな魅力がある本作。

しかし、PS5とPS4の日本版は発売未定。今作は独立したIO Interactiveの販売になったので、今までのように日本版が出るとは限らない。
12/17を最後に日本StoreでPS5ゲームはリリースされていません。2021年の1本目は1/26の『サイバーシャドウ』1/21の『RIDE 4』。深刻なソフト不足の中、『Hitman』『Hitman 2』『Hitman 3』が注目されるチャンスだっただけに残念なところ。PSVRも盛り下がっている中、久しぶりの大型VRゲームとしての魅力もあったから二重に残念。
『Hitman 2』があまり売れなかったようだから日本展開に力を入れにくくなるのは仕方ない。売れないとこうなるから、ゲームの売上はユーザーにとっても大事なのだと改めて思う。

デュアルセンスの機能を生かし、PSVRに対応し、過去2作をPS5版としてインポートでき、『Hitman 3』自体も隙がない正統進化。日本語に対応してくれれば完璧なので、可能性は低い気もしますが、日本版を待ちたい。

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