2019年7月18日にリリースされた『キングダムカム・デリバランス』の基本システムと最初の感想。
操作方法とシステム
〇 | 走る/ターゲットロック解除 メッセージスキップ |
× | 使う/話す/拾う |
△ | 騎乗する/馬を呼ぶ |
□ | ジャンプ/登る |
L1 | ブロック/パリィ |
L2 | キック |
R1 | 突き/フック |
R2 | 斬る/射撃/ジャブ |
L3 | しゃがむ |
R3 | ターゲットロック |
上 | マップ/クエストログ(長押し) |
下 | インベントリ/プレイヤーのステータス(長押し) |
左 | 近接武器/たいまつ(長押し) |
右 | 遠距離武器 |
TP | 待機/ヘルプ |
グラフィック設定でガンマ値を高めるのをオススメします。夜は真っ暗で見えにくいです。
視野角の設定も可能です。デフォルトは60ですが、75まで広げられる。移動時に画面揺れがあります。オフにできないので酔いやすいと思う。視野角を75にすれば軽減されるかもしれない。
サウンド設定では音声とカットシーンの音量を上げた方が声を聞きやすいです。
ゲーム開始直後は、物を拾う時や人に話しかけた時の反応の鈍さが気になったり、レティクルの反応も違和感を覚えましたが、慣れると問題ないです。
決定ボタンは×です。私は本体のシステム設定で×決定にしているので、もう完全に×に慣れました。結局、この機能が搭載されてからのゲームは全て×決定に対応していていましたね。
ピッキング
ゲーム設定でロックピック操作をL1にするとロックピックが楽になりました。まず右スティックでスイートスポットの中心を探し、その状態でL1を押しっぱなしにしてメカニズム全体を回しながら、右スティックでスイートスポットを維持するだけ。
L1は押しっぱなしで良いので、右スティックの操作に集中できる。右スティックは傾きの角度を維持したまま反時計回りに回します。画面だけを意識して合わせるのではなく、この「角度を維持したまま反時計回り」を意識しておくこと。
スイートスポットを探す時に、しっかりスイートスポットの中心を探すこと。端っこだとメカニズム全体を回すとすぐハミ出る。
やり方がわかっても高難易度のピッキングは難しいです。簡単な箱をたくさん開けてスキルを成長させ、パークを習得してから挑戦したほうが無難。
プロローグ終了後の開始地点にいる粉屋ペシェクからピッキングを教えてもらえます。その時の箱は何度か開けることが可能で、何度も開けているとピッキングのスキルが成長する。一定回数開けるとピッキングできなくなる。
ペシェクに金を払ってスキルレベルを上げてもらうことも可能。ピッキングが苦手なら、金を貯めて最優先で成長させたいポイント。金を貯めるのが難しいゲームではないです。
ピッキングが難しいゲームと聞いていましたが、やり方がわかると簡単でした。簡単な箱さえ開けられれば、後はスキルの成長とともに高難易度の箱も開けられるようになる。
ロード時間(PS4 Pro + SSD)
起動時はロードが長くて驚きましたが、それ以外は概ね問題なかった。クエストでのオートセーブ時にロードが入ることもあり、PS4 Pro + SSDで3~7秒程度でした。通常の会話は1~2秒程度の間が入る。リトライ時のロードは20~30秒ほど。
起動時のロードで不安はありましたが、プレイを進めるとロード時間は気にならなかったので一安心。
ファストトラベルはロード画面が出ない工夫がされているので、プロローグ後のプレイ中に10秒以上のロード待ちはリトライ時だけじゃないかなと思う。
セーブ
このゲームはセーブの不便さで有名だったようです。クエスト時のオートセーブ、自分のベッドで寝る、救生酒のシュナップスを飲むことなどでセーブ可能。
さらに、OPTIONSメニューに「セーブしてメニューに戻る」という項目もあります。これはリリース当初はなかった項目で、アップデートにより追加されたものらしい。この方法なら救生酒のシュナップスも消費しない。これがあるおかげでセーブの不便さは劇的に改善されたんじゃないかなと思う。とはいえ、ゲーム終了時以外も自由にセーブを残したいですけどね。
食事と睡眠
このゲームには食事と睡眠があります。でも、管理に困るほどじゃなくて楽でした。食事にも寝る場所にも困らない。
これらの要素は生活感を出すのに機能しています。日中はクエストや狩りや泥棒や盗賊退治をして、夜に好きな食事をとって睡眠。朝に目覚めてパンでも食べてまた冒険へ出発。この世界で生活してるなぁって感じが良いです。
新しい街に行った時も、宿を探して食事もいただいて睡眠。リアルな旅をしている感じも良い。
最初から緩めの設定なうえに、食事も睡眠もパークでさらに楽にすることもできる。サバイバルゲームのようなリソース管理をさせるものではないと思う。
戦闘
戦闘は、右スティックで敵の攻撃部位を5ヵ所+中央から選択し、R1で弱攻撃、R2で強攻撃。L1でガード、L2で距離をとるためのキック。同じ部位を狙っていると攻撃を読まれてガードされる。
1対1だと読み合いがあって駆け引きが楽しめる。1対2だと少し難しいけど、これもなんとかなる。1対3だとよっぽど敵が弱くないと勝てない。1対4以上となると急激に難しくなり、なるべく戦闘は避けたい。
主人公は鍛冶屋の息子なので、最初は戦闘が得意ではない。ここはオブリビオンやスカイリムとの大きな違い。そういう戦闘のゲームを求めていると序盤は肩透かしになると思う。
アイテムボックス
リアルを意識したゲームの中で、アイテムボックスの存在が非常に有難い。宿屋などにも設置されていて、中身は四次元で繋がっている。とりあえず集めたアイテムを放り込んでおけるのでアイテム管理が楽です。
これはゲームを劇的に面白くするアイデアだったと思う。アイテムを集めやすいし、金も稼ぎやすい。もっと渋いゲームかと思いきや、キツキツで苦しいプレイは強いられないです。
日本語吹替対応
かなりテキスト量が多そうなゲームですが、日本語吹替に対応しています。ただ、7/17時点の公式発表で「また現在、一部のテキストにおいて音声と齟齬がある箇所を確認しておりますが、皆さまへのお届けを優先し、発売に至りました。近日中に修正予定ですので、ご不便をおかけいたしますが、今しばらくお待ちください。」とも書かれており、部分的に英文が出てきます。不便を感じるほどではない。
PS4世代になってから特に日本語吹替の重要性と有難味を感じています。昔みたいにプレイアブルとムービーの境目をはっきりしなくなって、最近のゲームはアクション中でもよく喋りますので、字幕を読みながらのアクションと、言葉が耳から入ってくるのではゲームプレイのしやすさが段違い。
昔は何となく、その国の言語のほうが雰囲気があると思っていました。たしかに客観的に見る映画なら、その国の言語のほうが雰囲気が出ますが、主観的に見るゲームにおいて、ヘンリー視点である自分が周囲の人たちの言葉がわからず字幕を追っている状況は、肌で雰囲気を感じているとは言い難い。話しかけていないNPCのお喋りなど、そこに住む人たちの言葉が耳から入ってくる日本語吹替は有難い。実際にヘンリーの地元の仲間との言葉の距離感が、同じ国の人間というか感じがあって良いです。
ちなみに音声と字幕、それぞれ英語にも設定可能。日本語だけを強制するタイプじゃないです。字幕のON/OFFにも対応。
このレベルの大作で日本語吹替は非常に有難い。フォントも良い感じですし、今後もDMM GAMESのローカライズには期待します。
有料DLCは未対応
海外版『Kingdom Come: Deliverance』では、これまで4つの有料DLCが配信されています。国内版『キングダムカム・デリバランス』には、有料DLCの同梱はありませんし(北米では有料DLC3つ入りのが出ている)、ストアでも販売されていない。
- ゼロからの復興 – 2018年7月
プリビスラビィッツ村を再建する監督官としての任務
620円(Steam版) - ハンス・カポン卿の向こう見ずな愛の冒険 – 2018年10月
ハンス・カポン卿の恋を手助けするクエスト
620円(Steam版) - 荒くれどもの群像 – 2019年2月
戦闘重視のクエスト
新たなロケーション“Kuno’s Camp”
新たなアクティビティ“The Ring of Bacchus”
新たなアーマーセット
720円(Steam版) - ある女の運命 – 2019年5月
テレサ編とヨハンカ編のシナリオ
1,220円(Steam版)
エグゼクティブ・プロデューサーのマーティン・クリマ氏によると「7月18日に発売される日本語版でも、DLCを順次リリースしていく予定です。DMM GAMESと力を合わせて翻訳作業を進めていますので、楽しみにしていてください。」とのことです。
海外評価
海外では2018年2月13日にリリースされており、リリース当初の評価はさほど高くありませんでした。そこからアップデートを重ねて評価が高まっています。Steamでは全体評価が76%(31,110件)が好評でしたが、直近30日では89%(3,673)が好評になっています。
リリース当初の海外レビューでは、ほとんどのメディアが大量のバグをマイナス点として挙げていました。かなり多くのバグが取られたと思いますので、今は遊びやすくなっているんじゃないでしょうか。私は今のところバグらしきものには遭遇していません。牛がちょっと高くジャンプした程度。
最初の感想
最初はわからないことが多く、それによってミスをしてストレスが溜まるところもあるし、面白さに気付きにくい。プロローグを終えて、そこから2時間くらいやって、いろいろ覚えて感覚もつかんでくると急激に面白くなる。別世界の住人になって「RPGやってるな!」という気持ちにさせてくれる。
中世ボヘミアで生活と冒険をするのが楽しい。リアリティを意識しているけど、食事や睡眠は面倒な要素にはなっていなくて、生活感を出す要素として機能している。『レッド・デッド・リデンプション2』のように、クエストだけを追わずにのんびり生活したいゲームでもある。むしろ駆け足で進めようとすると疲れるゲームのように思う。
狩り、泥棒、薬草取りと錬金、盗賊退治など、いろいろやっているとヘンリーが自然に成長していく。走っていると体力が上がったり、薬草を取っていると薬学スキルが上がるという具合。なので、生活の中で成長していける。
やれることが多いし、そこら中でクエストやアクティビティが発生している。退屈しないオープンワールドゲームです。
ストーリーにも引き込まれている。ヘンリーという固定主人公なので、自由にエディットできるタイプの主人公よりも深くストーリーを描ける利点がありますね。ヘンリーと両親、彼女、地元の仲間、その後に出会う人々、既に印象的なドラマがバンバンあり、まだ序盤ですが非常に先の展開が気になっています。
メインクエスト以外にやれることが多いので、なかなか進められないジレンマもある。
クエストは主人公の行動や説得によって展開が変わるから選択に緊張感があって面白い。かなり昔に書いた面白いクエストのパターンの話で、攻略手段が複数あることと、クエストのショートストーリー自体の面白さが重要だと書いていましたが、両方とも高い水準のゲームだと思う。
今のところ4人以上を相手にするとまともに戦えないのが厳しいところ。死ぬと最終セーブまで戻るので、ヘタすると数十分も巻き戻る。盗賊の集団に襲われて事故のような死からの巻き戻りはガックリきてしまう。
このゲームで重要なのは、危険回避や逃走を覚えること。普通のRPGの感覚だと戦って打開したくなるような場面でも、戦闘を避けることで生き延びられる。RPG=戦う、の意識のままだと辛いゲーム。
グラフィックは悪くないですがPS4の中では並。人物や建物は平凡ですが、森や草の描写は優れている。
スローテンポなゲームですので、スローライフを意識して進めたほうが良いです。馬を入手するまでの徒歩移動は長旅になりますし、ファストトラベルや睡眠や待機はロード画面は挟まない工夫があるけど、待ち時間ではある。せっかちになるとテンポの悪さを感じてしまう。
とっつきやすいゲームではないと思うけど、慣れてくると非常に面白く、AAA級のオープンワールドゲームだなと思う。最初の壁を越えるまでは大変だけど、そこからの景色が素晴らしい。
北米でのリリース後にアップデートによってバグが取られ、不便な点が改善されたんだなとも感じる。海外から発売が遅れるゲームは、アップデートによって洗練された状態で遊べるというのは魅力です。
プレイ前はリアルを意識しすぎて面倒になっているゲームかなとも思いましたが、意外にプレイしやすく。良い具合にリアリティを取り込めている印象。このあたりもアップデートで易しくなったのかもしれない。
今のところ期待以上で大満足。