2019年7月18日にリリースされた『キングダムカム・デリバランス』をクリアしました。感想と少し攻略メモ。
大体は最初の感想と変わらず。
『キングダムカム・デリバランス』基本システムと最初の感想 – PS4ちゃんねる Pro
問題ではなかった3つの問題
このゲームは3つの問題点が挙げられていましたが、終わってみるとたいした問題ではなかったです。
- セーブの仕様
- ロックピック
- 弓
1.セーブの仕様
セーブは自分のベッドで寝る、クエストでのオートセーブ、救生酒のシュナップスの使用、OPTIONSメニューの「セーブしてメニューに戻る」で行えます。「セーブしてメニューに戻る」は一時的な中断セーブ。
序盤はいつでもセーブが残せるわけじゃないし、ゲームに慣れていないので死ぬことも多くて、がっつり巻き戻されるのが辛かったりした。でも死ぬ原因は複数人の敵との戦闘のみでしたので、危険回避と逃走を覚えると安定した。逃げるが勝ちであり、これは他のゲームと大きく違うポイントだと思う。
そして、セーブアイテムである救生酒のシュナップスを錬金で大量生産すると、ほぼ自由セーブのゲームになりました。この時点で、もうセーブの仕様の不便さは完全に消えた。いつでもセーブできる状態。
救生酒のシュナップス
セーブするのに必要な救生酒のシュナップスは、字が読めるようになるクエストを完了後に錬金術作業台で作成可能。素材はイラクサx1とベラドンナx2のみ。ワインは錬金術作業台に備え付けです。
- 下を押してイラクサとベラドンナを置く
- 左上からワインを選択すると自動で大釜に注ぐ
- ベラドンナを選択し、すり鉢に入れて、すりこぎを選択、それを皿に置く
- もう1度、ベラドンナを選択し、すり鉢に入れて、すりこぎを選択、それを皿に置く
- イラクサを選択し、大釜に入れる
- L2を押して着火(1ターン目)。一定時間で消えるので、もう1回L2で着火(2ターン目)。
- 火が消えたら皿を選択し、大釜に入れる
- L2を押して着火(1ターン)
- 火が消えたら左の薬瓶を選択し、大釜で×長押し
イラクサは全域に生えている草。ベラドンナはラッタイの北東で大量に採集できます。下記画像の場所に行っても、最初は「生えてないじゃん」と思うかもしれませんが、他の草と同化して気付かないだけです。
錬金の作業は面倒ですが、錬金のパーク「ルーティーンI」(Lv10)を習得すれば、自動で醸造可能となる。こうなると生産し放題。
マリーゴールドの調合薬
生命力を回復するマリーゴールドの調合薬も重宝します。レシピはラッタイの薬屋で購入できます。
- 下を押してイラクサとマリーゴールドを置く
- 左上から水を選択すると自動で大釜に注ぐ
- イラクサを選択し、大釜に入れる
- L2を押して着火(1ターン)
- 火が消えたらマリーゴールドを選択し、大釜に入れる
- マリーゴールドを選択し、大釜に入れる
- 左の薬瓶を選択し、大釜で×長押し
2.ロックピック
これも最初は難しすぎると感じましたが、わかれば簡単でした。
- ゲーム設定でロックピック操作をL1ボタンにする。
- 右スティックでスイートスポットを探し、さらにその中心を見つける
スイートスポット自体の初期位置ですが、自分にとってスイートスポットが内側の方がやりやすいのか、外側の方がやりやすいのかクセがあるなら、好みの位置になるまでやり直す - L1を押しっぱなしにして、右スティックでスイートスポットの中心を維持する
右スティックは角度を維持したまま、反時計回りに回すという意識を持つ
安定しないなら親指と人差し指でつまんで回す
右スティックを高くするアタッチメントを装着すれば安定しやすくなる
コツがわかってからは何の苦労もなかった。最初は超簡単な箱と簡単な箱だけ開けられれば良いです。スキルレベルの上昇とパークの習得で、超高難易度の箱まで簡単に開けられるようになりました。
スキル上げは夜中に民家や城の扉を開けるのがオススメです。翌日になればまた施錠されますのでね。犯罪を行う時はプレートアーマー等の音が出る装備は外しましょう。このゲームは音も重要です。
それでも難しいならポーションによる補整も可能。タルムバークから北、ウージッツから西にある森の薬屋から購入できる忍び走りのポーション(忍び走りのポーションのレシピ)を使用すれば、10分間にわたり、ロックピック、スリ、隠密スキルが5上昇します。
3.弓
弓は普通にやると難しい。ただ、弓は重要度が低いので、やらなくても問題ないです。ロックピックは縛ると厳しいですが、弓は別に……と思った。
モニターにレティクルと同じサイズのマスキングテープなどを貼るとめちゃくちゃ楽になりました。レティクルと同じサイズ以下なら、通常プレイ時も邪魔にならない。
こうすることによって、弓使用時もレティクルがあるのと同じ感覚。構えた時のブレは左右に一定距離動くだけなので、そのクセを覚えれば簡単。弓スキルが1でも、ラッタイの弓の試合で最高難易度をパーフェクトクリアも簡単でした。
ガチでやるなら、画面中央がどこなのかという感覚をつかむ必要がある。この感覚をつかんで上手くなる喜びがあるとも言えますが、私はそこまで弓を使いたいとは思わなかった。
弓スキルもアイテムで補整可能です。ラッタイの薬屋で購入できる弓使いのエール(弓使いのエールのレシピ)を使用すれば、10分間にわたり、弓スキルが5ポイント上昇します。
弓のスキル上げは家畜として飼われている牛などを狩ると良いです。狩っても時間経過で再ポップします。
セーブもロックピックも弓も最初は戸惑うというだけであり、プレイヤースキルの成長とヘンリーのスキルの成長とアイテムで解決できるようになっている。
でも弓に関しては、レティクルを表示してほしいなぁと思いました。ハードコアモードだけ非表示のほうが良かったんじゃないかと。
ロード時間(PS4 Pro + SSD)
最初の感想では「起動時はロードが長くて驚きましたが、それ以外は概ね問題なかった。クエストでのオートセーブ時にロードが入ることもあり、PS4 Pro + SSDで3~7秒程度でした。通常の会話は1~2秒程度の間が入る。リトライ時のロードは20~30秒ほど。」と書いていたロード時間。
後半は少しゲームが重くなった印象で、ロード回数が増えたり、クエストでのオートセーブ時のロードが少し長くなったように感じました。
ファストトラベルと睡眠はロード画面を表示しないような工夫がされていますが、睡眠に関しては実質ロード待ち。ファストトラベルは移動中にイベントが発生するというゲーム性がある。『ゴッド・オブ・ウォー』と似た感じで、プレイヤーに簡単な操作をさせつつ裏読みしているみたいですね。
次世代プレイステーションでプレイしてみたいゲームだとも思いました。こういったロード待ちが次世代機では大幅に改善されるかもしれないとなると、ゲームプレイの快適さが劇的に変わる。グラフィックは現世代でもキレイですので、次世代機ではロード時間の短縮を一番に期待しますし、フレームレートの安定が二番。グラフィックも大幅に良くなるでしょうけど、そこまで強く求める要素ではないです。現行機ではまだまだ問題であるロード時間とフレームレートに期待。
戦闘
戦闘が難しいゲームです。慣れるとSEKIROみたいに敵の攻撃を華麗にパーフェクトブロックできて爽快ですし、フェイントを駆使して攻撃を当てるのも楽しい。
それでもアクションゲームが苦手だと難しいかと思いますが、クリンチを使用すると楽に勝てたりする。これは救済措置的なものかもしれない。ロールプレイとしては華麗に戦って勝つのがカッコ良いですが、勝利を目指すだけならクリンチからの攻撃で良い。クリンチは近づくと自動発生。クリンチからL2で蹴とばして、敵がよろけたところを攻撃。クリンチの勝敗は筋力とパーク(クリンチの達人)が重要なので、バーナード隊長を相手に連続クリンチを仕掛けて、ひたすら筋力を上げましょう。筋力さえあってクリンチに負けなければ、闘技場でもノーダメージで3連勝可能。
有能な騎士になっても、武装した4人組に勝つのは難しいというリアルさもあり、複数人を相手する場合には逃げることが重要。絶対に勝てないわけでもなく、逃げながら1人ずつ的確に倒し、森を利用して弓を避けるなどの工夫もある。
これも救済措置的に馬を使うと楽だったりする。
とは言っても、複数人との戦闘はやや面白味に欠ける印象。自動ターゲットロックも使いにくく、複数人との戦闘にはフィットしていないように思う。合戦時もあまりカッコ良くならないんですよね。次回作では改善してほしいポイントであります。
筋力の簡単な上げ方
バーナード隊長との戦闘訓練で、ひたすらクリンチ→L2を繰り返す。
自動連射コントローラーで左スティックを上に倒して固定し、L2を自動連射にしておけば放置で上昇する。
この作業で他の能力値も上昇しますので、戦闘が苦手な人は徹底的に鍛えると良いでしょう。
体力の簡単な上げ方
その場ジャンプをするだけ。自動連射コントローラーで□連打にしておけば放置で上昇する。ベッドの近くで行い、定期的に活力と満腹度を回復しましょう。
装備と金策
プロローグ以降、スカリッツでは盗賊と衛兵が小競り合いをしていることが多い(ランダムで何度も発生)。自分は戦闘には加わらず、死体漁りをすると良い装備が入手できて、それを売れば金も貯まる。
小競り合いの後に残った敵を移動させるには、馬で近づいて戦闘状態にしてから逃げる。その後、スカリッツに戻るといなくなっていることがほとんど。
馬と言えば、便利ですがもう少しだけ運動性が良くなってほしいという不満はある。問題は小さな藪(やぶ)に引っかかるところです。歩行時もそうですけど、その藪は強引に行けるだろうという藪に引っかかる。小さな川の微妙な段差も同様ですが。
良い装備は修理費が高いので、序盤から装備品はなるべく自分で修理して、メンテナンススキルを高めておきましょう。修理アイテムは鍛冶屋、服屋、靴屋で販売しています。それをアイテム欄から使用するだけ。メンテナンススキルが高いほど、激しく壊れた装備品を修理できるようになる。
その他
- 本の文字が微妙におかしいのは読書スキルが低いから
- 植物の名前はシソル=アザミ
- 評判は教会の寄付でも回復する
- 宿屋で「何泊か」を選択すると、自分専用部屋になります。多分、期限はないと思うし、深夜でも自由に泊まれて便利
ストーリー
ヘンリーという固定主人公なので、人間ドラマがしっかり作られていて良かった。ハンス・カポン卿との少年漫画にありそうな関係や、親子のドラマが特に印象的ですが、渋い領主や武将たちも輝いていました。
こういったキャラクターたちと関わりながら、史実の中での立身出世物語としての魅力も大きく、ボンクラ息子だったヘンリーの顔つきが終盤では精悍な顔に感じられた。日本史版のこういうゲームが出てほしいとも思う。
キャラクターの魅力を増す要素として、日本語吹替は声でキャラクターの性格が伝わりやすくて良かった。やはり日本語だと喋り方と声質で、その人の印象が伝わりやすい。日本の声優は技術が特に高いというのもあるかもしれない。
三部作の1作目ということであり、クリアしてもシーズン1が終わったという感覚。大ボリュームのゲームを終えても、余韻に浸れるエンディングではないです。そこは残念なところでもありますが、ゲーム自体が非常に面白かったので、早く2作目をプレイしたいという気持ちが強い。続編が非常に楽しみなゲームと出会えて良かった。
生活感とロールプレイ
最初の感想で述べた「この世界で生活してるなぁって感じが良いです。」という気持ちはゲームを進めてさらに増大した。
ゲームシステム的には『オブリビオン』『スカイリム』の影響が濃いですが、『シェンムー』『レッド・デッド・リデンプション2』のような生活感がある。
特に修道院での生活は「シェンムーっぽい!」と思った。『シェンムー』でバイト生活を送っていた時の様なリアルな生活感がある。日の出前に起床して、礼拝堂でお祈り。その後に朝食。午前の日課と午後の日課をこなしてから、またお祈り。夕食を食べて少しの自由時間の後に就寝。最初は時間がわからず遅刻をしたりするけど、生活に慣れると一番に起きて礼拝堂に行けたり、ライフサイクルに馴染んでくる。
このライフサイクルの中で、情報を集めて標的を探したり、修道院内の政治に干渉したり、プリズンブレイクのような脱出を計ったりする。話術、ピッキング、スリ、錬金など、様々なスキルが生かせる場所でもあり、いろんなやり方がありそうでした。「これぞキングダムカム・デリバランスだ」と思えるような、象徴的なところでした。
満腹度と活力(睡眠)も緩めの設定で、サバイバル要素ではなく生活感を演出する要素として機能。服が汚れるシステムはプレイヤー自身のズボラさを試すようでもあり、汚れたままでも交渉時の魅力が下がるだけで大きな問題はない。これもゲーム的な損得というより、キレイな身なりをするかどうかのロールプレイ要素が大きい。
Twitterでも、この世界での生活を楽しんでいるようなツイートが多いです。いろんな楽しみ方がされているのもわかりやすい。
キングダムカム – Twitter Search
人のプレイを見るのも楽しいゲーム。
続編にも期待するAAA級のオープンワールドゲーム
このゲームの難点は最初の感想でも書いた2点。
まず敷居の高さですね。最初はわからないことが多いし、『オブリビオン』『スカイリム』の影響が濃くても別のゲームであると理解する必要がある。同じような感覚でプレイするものじゃないし、なまじそういうゲームの感覚を引っ張ると上手くいかない場面も多いと思う。戦闘と窃盗は特に。
もう1つはスローテンポなところ。睡眠の待ち時間もあるし、NPCはそれぞれの生活を送っていて会える時間帯も限られるから、それも待ち時間になる。長距離移動をインスタントにサクッともいきませんし、全体的にスローテンポで時間がかかるゲーム。人と会話する時の間とか、寝る時などのモーションとか、終盤に増えるロード回数とか、微妙な待ちもある。せっかちにならず、まったりとスローライフを楽しむようなゲーム。
現代的な便利さとかスピード感がないので、万人受けはしにくいと思う。90点か50点か好みが分かれやすいゲームではある。その判断を最初にするのは早計で、わからないものを楽しいとは思えにくいはず。ある程度はシステムを理解してから判断したほうが良いです。私も面白くなったのは4時間くらいプレイして覚えてから。
個人的には問題なかったですが、画面揺れが強めなので酔いやすいゲームだとは思います。
×決定なのも慣れていない人は大変だと思う。私は本体のシステムで×決定にしているので、むしろ×決定に対応していない日本の旧作の〇決定のほうが大変になった。
バグは終盤のムービーでフリーズするのが2回ありました。それ以外は遭遇しなかったので、リリース当初に言われていたようなバグの問題は感じなかった。
クエストはあまり並行せずに進めたので問題なかったですが、同じNPCが絡むクエストを同時に進めると上手く進行しない気もする。『スカイリム』も未だにクエストのバグが残っていますから、完璧な調整は難しいんじゃないかと。
プラチナトロフィーは狙う気にならないゲームで「メインクエストで誰も殺さない」というトロフィーがある。この規模のオープンワールドゲームをクリア後にやり込みではなく最初から再プレイする気にはなりにくいし、不殺プレイにも魅力を感じない。
無名のスタジオだしリリース時の評価も高くなかったので、二線級のオープンワールドゲームかと思っていましたが、プレイしてみると細かいところも作り込んでいるAAA級のオープンワールドゲームだという印象。まぁ、リリース当初は粗が多くて二線級だったのかもしれないですが。
他のゲームの影響を受けつつ、独自性もある。オープンワールドゲームとしての自由度、生活感とロールプレイ、人間ドラマが印象的なストーリー、これらが絡み合った最高級のゲーム体験でした。
4つの有料DLCも楽しみなので、まだまだ遊べるゲーム。北米では3つの有料DLC入りの『Kingdom Come: Deliverance Royal Edition』が$39.99で販売されており、日本版が無印で7,948円だったのは少しガクッときましたが、ゲーム自体の面白さと日本語吹替の良さで最終的には満足できた。このゲームを日本語吹替でローカライズしてくれたことが有難いし、続編もなんとか日本版が出てほしい。TESやRDRらと同様に、続編が楽しみなオープンワールドゲームの1つになりました。