2019年4月25日にリリースされた『EVE rebirth terror』と、それに収録されている『EVE burst error R』をクリアしました。EVEシリーズ新参でした。
名作『EVE burst error』の続編
- EVE burst error – 1995年(PC)/1997年(SS)
- EVE The Lost One – 1998年(SS)
『EVE burst error』の3年後が舞台 - ADAM THE DOUBLE FACTOR – 1999年(PC)/2001年(PS)
『EVE burst error』の4年後が舞台 - EVE ZERO – 2000年(PS)
『EVE burst error』の2年前が舞台 - EVE new generation – 2006年(PS2)
前作から数年後が舞台 - EVE rebirth terror – 2019年(PS4/VITA)
『EVE burst error』の1年後が舞台
EVEシリーズ初代となる『EVE burst error』は名作ADVの1本として有名で「アドベンチャーゲーム 名作」などで検索すると紹介されていることが多いですね。プレイしてみたい名作だけど、24年前のゲームであり、シリーズが膨らみ過ぎていて今からプレイするのは億劫でもあった。『アベンジャーズ』シリーズを観てこなかった人が『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観るのをためらうみたいな。
リビルド(再構築)してリブート(再起動)
しかし、今こそEVEシリーズをプレイする好機だなと思いました。まず2016年4月28日にVITAでリリースされた『EVE burst error R』の存在。これは初代『EVE burst error』(PC/SS)&『EVE burst error PLUS』(PS2)をミックスしてのデジタルリマスター版とでもいうべきものらしい。この1年後を舞台にしたのが今回の『EVE rebirth terror』なわけですが、オリジナル『EVE burst error』の3年後を舞台にした『EVE The Lost One』には繋がっていません。『EVE The Lost One』とは別の世界線っぽくて、桐野杏子は『EVE The Lost One』で小次郎や弥生と初対面のはずですが、初代から1年後が舞台の今作『EVE rebirth terror』で2人とがっつり絡む。隙間を埋めて繋げる気ならこういうことはしないですし、かと言って全てを無にするわけではなく、『EVE The Lost One』以降のキャラクターや設定を吸収しつつリビルド(再構築)して、新シリーズをリブート(再起動)したんじゃないかという印象です。
『EVE burst error』が気になっていた新参としては『EVE burst error R』と『EVE rebirth terror』から入りやすいタイミング。
シリーズ全部やっている人の方が、再構築の具合も楽しめてさらに面白いでしょうけどね。
この記事を書いていてEVEとEVAを書き間違えたりもしましたが、くしくも名前が似ているEVA(エヴァンゲリオン)はリビルドされた映画が大ヒットしましたね。
実際のところ不明ですが、過去作と同じ世界線ではなく、IFとかパラレルでもなくて、リビルド/リブートとして見るのがしっくりくる。リメイク/リビルド/リブート……様々な形での仕切り直しはゲーム業界でトレンドでもあり、EVEの判断も良かったんじゃないでしょうか。20年以上前のシリーズの空白を埋める続編を出しても厳しいですからね。その先の展開も行き詰まるでしょうし。上手かったのは、評価が非常に高い初代はそのままで、そこから続編を再構築したという形。オリジナルシリーズでは初代から3年後が舞台の続編が出ていますが、今回は1年後が舞台の続編ということで、リビルド色があまり出ていないのも良い狙いだと思う。
PS4版には『EVE burst error R』を収録
EVEシリーズ新参としては初代となる『EVE burst error R』と、その続編『EVE rebirth terror』をプレイすれば良い状況なのですが、なんとPS4版の『EVE rebirth terror』に『EVE burst error R』がフル収録されています。ただし、残念ながらトロフィーには未対応です。『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム HD』と同じですね。トロフィーが欲しい人はVITA版をプレイすれば良いです。
『EVE burst error R』も『EVE rebirth terror』も評価が高く、それを一気に楽しめるのは贅沢。ホント、新参にとっては最高の機会。
Twitterでの反応も良いです。私もTwitterで『EVE rebirth terror』の評判の良さが気になって、「でも初代からやりたいんだよなぁ」と思って調べたらPS4版に初代が収録されていることを知って購入した。
EVE rebirth lang:ja – Twitter Search
タイトル画面の「捜査資料集」→「過去の捜査資料」から『EVE burst error R』が起動できる。
クラシックなコマンド選択式アドベンチャーゲーム
ゲームシステムは古さを感じるコマンド選択式アドベンチャーゲーム。最近はビジュアルノベル系のゲームでも、選択肢が少なく小説として読ませるようなタイプが多い中、同じコマンドを何回も選択するタイプは珍しい印象。
それでも詰まらないようなシステムになっており、選択してもテキストが変わらないコマンドは色が変わってわかりやすく、白文字のコマンドさえ選択していればゲームは進行する。テンポも良くて小説として読みやすい。ゲーム的な謎解き要素はほとんどないし分岐もないので、読み物という感じ。
このジャンルとしてオプションは洗練されていて、メッセージの表示速度やスキップの仕様など細かく設定可能。バックログから巻き戻すこともできる。
左手だけでプレイできるのも良かった。方向キー右が決定、左がキャンセル、上下でコマンドを選ぶ。
伏線と謎が散りばめられてから回収されるストーリー
ストーリー的には『EVE burst error R』を先にプレイするべきです。PS4版には収録されているので別途購入は不要。
『EVE burst error R』も『EVE rebirth terror』も小次郎とまりなという2人の主人公を切り替えてゲームを進めるマルチサイトシステム。それぞれの事件を追っていく中で、謎と伏線が散りばめられていき、終盤に伏線が一気に回収されて謎が解けるのが爽快。結果を見てから「そういえばアレが伏線だったのか」と気付ける部分も多かった。気付いてない伏線も多いんだろうなぁとも思う。別々の事件を追っていた2人が重なるところも「おおっ」となる。
クローンやナノマシンを取り扱っており、「そんな無茶な」と思えるブッ飛んだ設定だったりしますが、リアリティのあるサイエンスを求めているわけでもないので、ブッ飛んだ設定を楽しめた。
『EVE rebirth terror』では敵と対峙する時の描写は不満が残った。軽率に思える行動からピンチになり、敵は敵で仕留めるチャンスなのにお喋りして失敗する。設定上は凄い人達のはずなのに、ちょっとレベルが低い争いに見えた。『龍が如く』シリーズでは定番ですが、もうちょっと慎重にやるべきなのにと思ってしまうところ。そもそも敵に小者感があり、仲良く喧嘩している感じにもなって緊張感は弱めでした。『EVE burst error R』では不気味な連続殺人があり、その犯人は誰なのかと推理する面白さもあった。
元々はアダルトゲームですので、ギャルゲーっぽくもあります。個別ルートなどはないですが、主人公の周りには攻略対象になりそうな美女がたくさん。お色気シーンもあります。反面、男同士の友情や絆などの描写は希薄。
単純にストーリーの面白さで言えば『EVE burst error R』の方が好きでしたが、『EVE rebirth terror』には続編でしか出せない面白さがあります。前作のキャラクターやロケーションが出てくるだけでもニヤッとできたり「うおおおおお!」っと驚けたりする。前作で思い入れが生まれているからこその魅力。1年後が舞台ということで、かなり前作を意識した内容になっており、だからこそ先に『EVE burst error R』をプレイする必要があります。それができる形での提供もされている。
個人的にはこの2作で、1本の壮大なストーリーとして楽しめた。絵柄が変わっていたり、一部の人物の性格も変わっていたりしますけどね。
名作ADVとして気になっていた『EVE burst error』ですが、『EVE burst error R』→『EVE rebirth terror』という形で楽しめて満足度が高い。
私もTwitterでの評判の良さから調べて知ったぐらいで、ファン以外にはあまり知られていないのが残念なところだと思う。24年前に生まれた『EVE burst error』という名作ADVがあり、その続編である最新作『EVE rebirth terror』に『EVE burst error R』も収録されていると。
EVE rebirth terror(イヴ リバーステラー) – PS4
- 出版社/メーカー: El Dia
- 発売日: 2019/04/25
- メディア: Video Game
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コメント
>>asukaさん
YU-NOと一緒にお気に入りに登録しました。調べてみると当時の人気ADVは15万本とか20万本とか売れていて、今とは状況が違いますね。売れるから競争も激しくなって、面白いゲームも多く生まれると。
シナリオライター別だけど、EVEリマスターだしたEldiaからだした慟哭そしてリマスターも面白いですよ、あの頃サターン時代のADVは面白いゲーム多かったです
>>たかくらさん
トロフィーが取りやすいのは迷っている時にプレイするきっかけの1つになりますね。シナリオを楽しめて、トロフィーも全て獲得できて終われるのはスッキリします。
VITA版の『EVE burst error R』をプレイしているなら、トロコンしてから移ったほうがスッキリしそうですね。
>>リアルタイムさん
24年前の名作ゲームとなると、シェンムーI&IIみたいに後のゲームに与えた影響も大きそうですね。私はADVはあまりプレイしていないので、判断できないですが。
YU-NOも未プレイですが興味を持ちました。EVEもそうですが、名作ADVはプレイすればきっと面白いんだろうけど手を出さないという状況が多いです。
リアルタイム世代ですが、当時は接点のない主人公を切り替えつつ結果的に話が進むシステムが高評価のひとつだったと思います、その後428などにも続いているひとつの定番ですね。
生みの親はその後ペンネーム変えたり会社移ったりしながら試行錯誤してたようですがYUNO以降は空振りしてるというのがリアルタイムの印象です。
『EVE rebirth terror トロフィー』で検索したらひっかかったので…
一瞬購入するかどうかの迷ったのですが、トロコンも簡単そうだし続編で評判がいいみたいですね
ちなみに『EVE burst error R』のvita版は以前にPSプラスのフリープレイで来てましたよ
どうせならvita版トロコンしてから購入しようかなw