2017年5月18日にリリースされた『PREY』をクリアしました。一人称視点のSFアクションスリラーです。
難しかったけど考えて戦うのが面白い
基本的には最初の感想と大きくは変わらないですが、最後まで難しかったです。
難しいといっても、戦い方と強化次第なところが面白い。普通のアクションゲームやステルスゲームのような意識でいると苦労する。敵の特性や弱点を見極めて、効果的な戦い方を見つけることが他のゲームよりも高いレベルで重要。パズルゲームのように頭を使う必要があり、『Dishonored』や『BioShock』とも違う。
最初は理不尽かと思いましたが、そうでもなかった。やれることの幅は広めなので、なにかしら解決策が見つかるゲーム。それこそパズルの答えにたどりつくように。
一番理不尽かと思ったのは、機械を生み出すマシーンがハッキングされて短期間でポコポコと敵が出現するようになったところ。敵が強くて、銃弾や回復アイテムにも余裕がないこのゲームでこうなるとキツイ。ゲームに慣れて上手く進めるようになってきたところでしたが、短期間でポコポコ湧く敵に何度も殺されて、こんな難易度の上げ方は勘弁してくれと思いました。ハッキングは解除できず逃げるしかない恐怖のエリアと化していましたが、機械を生み出すマシーンの前に物を置いたら「障害物を検知、開口部の障害物を除去してください」となって湧きが止まった。たったこれだけで解決できて笑っちゃいました。
他にも複数の小さな火の玉となって突進してくる敵も、最初は銃撃で応戦して苦労しましたが、この敵は単に動く物を追いかける習性があると気付き、他の敵に向かって投擲攻撃をすると、この複数の火の玉も敵に向かっていき大ダメージを与えてくれる。やっかいだった敵が一転して強力な味方になる。
機械系の敵はハッキングすれば味方だし、そこらに落ちているタレットも有効。爆発物の投擲も大きなダメージを与えられる。高難易度のゲームだからこそ、考えて戦うのが非常に面白い。単純な火力勝負とかステルス攻撃だけではないので、そこにこだわると苦労するかと思います。
それでも終盤になって強化が十分になると、時間を15秒もスローにさせて最大火力で一掃することもできるようになりました。
既成キャラクターですがプレイヤーが演じる舞台
一応、マルチエンディングですので、2パターンの結末と途中クリアのパターンを見てみました。
衝撃的なオープニングでワクワクさせられますが、それ以降はストーリー的な波は小さい。でも結末では驚かせられるネタがある。いろいろ考えながらプレイしていましたが、これは予想できませんでした。
洋ゲーでは珍しくないですがエンディングはあっさり気味。20時間プレイしたゲームですので、結末をもう少し深く突っ込んで描いてほしいと思う気持ちもあります。ネタの衝撃は良かったです。しかし、ゲームクリア後の余韻としては、不満と言うほどではないですが、やや消化不良気味。
主人公は既成キャラクターですが感情を強く表現するタイプではありませんので、ドラマを見る感覚ですと良くないです。まさにロールプレイングという感じで、物語に参加して感情を表現するのは自分。
ゲームは自分で操作するものですけど、ストーリーに関しては自分が舞台に立つか観客席から見るかのタイプが分かれやすい。
言ってしまえばオープニングとエンディングに大きなネタがあって、中間は繋ぎなわけですが、その中で感情移入して物語を作り出せるかが重要。用意されているのは完成された台本ではなく舞台。
そこらにある死体にしても物語を想像させる置き方で、それに対してプレイヤー側がリアクションできる余地がある。死体にも名前があり、PCを調べるとメールでその人物の行動がわかったりする。ゲーム内のキャラクターは「うわっ死体だ」「こんなところで何を……」とは言ってくれない。そのリアクションはプレイヤーが行うというもの。こういう舞台作りが非常に良いです。探索の面白さにも繋がる部分。
謎のあるストーリーですが、謎に関しても考えてまとめるのは自分。多くの情報が与えれますが、「つまりこういうことだ」という説明的なセリフはあまりありません。台本はあって物語はそれに沿って進行するけど、主人公の語りはほぼないので、プレイヤー自身がロールプレイする部分。
メインストーリーのテキストやNPCの演技だけを見ると中盤は盛り上がりに欠けるストーリーかもしれないですが、プレイヤーが参加しやすい作りで、それによりゲームの雰囲気を深く楽しめるのが良いです。
このゲームのストーリーが良いのか悪いのか判断基準が難しい。客席から見て、わかりやすい物語が与えられるのを待っていると面白くはないと思う。しかし、自分が参加する舞台としては最上級の作りになっている。
サバイバル
「サバイバル」を重視したゲームだと思いました。
最初の感想でも書きましたが、最初はわからないことだらけで取っつきが悪いです。チュートリアルも控えめですので、自分で考えて試す必要がある。放り出されてのサバイバル。現代のゲームとしては不親切に感じたり、やり方に気付く前は理不尽だと思うようなところもありましたが、そのおかげで自分で考えて生き抜くサバイバルの魅力が感じられた。環境に適応してたくましくなっていきます。
敵が強くて死の緊張感があるというだけでなく、右も左もわからないというところも含めて面白い。親切設計のほうが評価されやすいかと思いますが、最後までプレイしてみて、このゲームの良さをしみじみ感じました。プレイ中は不満やフラストレーションがあったはずですが、クリアした時点では消えてしまっていた。
ロード
海外レビューではロード時間の長さが指摘されていました。
PS4 Pro + SSDでエリア間のロードは約45秒でした。終盤はエリアチェンジが少し多くなりましたが、それまでは1つのエリアに長くいることが多かったですので、ロード時間の長さは気になりませんでした。
ありふれた要素を混ぜて作った新感覚
1つ1つの点は他のゲームで見たような要素でありふれている。これを線で繋いだら「〇〇みたいなゲーム」とは例えられない新感覚なものになったという感じ。そのため「〇〇みたいなゲーム」をイメージしてプレイすると、期待とは少し違う物になり、自分には合わないと思ってしまうかもしれない。私も取っつきの悪さを感じていた頃は、そう思いかけていたところがある。しかし、少しずつゲームに慣れていく中で、コンセプトのしっかりしたサバイバルの虜になっていき、久しぶりに睡眠時間を削った。
コメント
プラチナは面倒ではあるけど、難易度はEASY可能だし無茶な高さではないと思う(バグ等に当たらなければ)
独力はつまらなくてストレスが溜まったけど取れましたし
プラチナトロフィーは難易度高すぎますね。
PSN Trophy Leadersでも5611人中の17人のみでした。
ここまで高難易度の設定だと挑戦すらしないレベルです。
ゲーム自体はデメリットなしでEASYにできる親切なところがありますが、トロフィー難易度はExtreme。
ドハマリして二周目やってますが、レビューにまったく同感です。一番共感できたのは「自分の舞台」ってとこですね。自分は、これはエンディングまで見なければ気づけなかった。随所におかしいな~と思っていたんですが、このゲームこれだけ高精細に描かれているのに鏡が全く見えないんですよね。イベントシーンも常に一人称視点で描かれていて、TPSモードがない。しかし自分の事を誰もがユウだと認識し、接してくる。やり直してみるとオープニングから本当にこの演出を徹底してるんだなと気付かされました。非常に良くできてると思います。
終盤のうざったい敵はちょっとゲーム性変わっちゃいますよね。あれはあまりよくなかったなと思います。火の玉の敵は投げるものがないとうまく対応できないと最初思ってましたが、とある武器を使うと簡単に対処できちゃったりして、気づいてみるとああ、なるほどとか思う。
ちょっと高めの洋ゲーでしたが、本当に面白かった。一番の不満は能力取得なしでクリアのトロフィーですね。あれはさすがにやる気がしない・・・