PS VRのホラーは逃げ場なし『Until Dawn: Rush of Blood』

PS VR専用タイトル『Until Dawn: Rush of Blood』をプレイしました。トロッコに乗ってガンシューティングをするという文字通りのレール式シューティング。ホラー作品でもあります。

自分の手とゲーム内の手が連動

まずビックリしたのがゲーム内に表示される手と自分の手が連動していること。しかもMove モーションコントローラーなら拳銃を持っている感覚も同じ。手首を返してみても同じように反応するし、ゲーム内の手が自分の手のように動く。

 

恐るべきなのが、現実の手よりもゲーム内の手の方を「本物」と認識してしまうこと。キャリブレーションが微妙にずれていて、現実では拳がぶつかっているのに、ゲーム内では両手の間に隙間があったのですが、「拳がぶつかっている」という感覚じゃなくて「隙間があるのに見えない何かにぶつかっている」という感覚。

 

ちなみにMove モーションコントローラー2本持ちでプレイするゲームです。デュアルショック4でもプレイ可能ですが、このゲームは圧倒的にMove モーションコントローラー2本持ち推奨。度肝を抜かれるポイントですからね。

トロッコが動いているように感じる

これもめちゃくちゃ驚いたのですが、トロッコが動いているように感じます。カーブを曲がっている感覚、後退する感覚、ジェットコースターのように坂を下る感覚、ゲーム画面が動いているのではなく、自分が座っているトロッコが動いているという感覚がある。

PS VRのホラーは逃げ場なし

テレビで観るホラーゲームやホラー映画なら、画面から目を逸らして怖いシーンから逃げることも可能。しかし、PS VRは全方向がゲーム画面なので逃げ場なし。

 

『Rez Infinite』の記事でも書きましたが、PS VRはモニターを見ているという感覚はなくて、ゲームの世界に入った感覚になる。そのため、バケモノが自分のすぐ目の前や隣にまで来る感覚がリアルに味わえてしまう。従来はモニターの中だから安心して見られた部分もありますが、まさに貞子状態でモニターの壁を破ってしまっている(自分が入り込んだわけですが)。これがどうしようもなく怖い。上記の手の錯覚と同じで、バケモノが隣にいることを現実のように感じてしまう。

 

特にトロッコが停止する時がめちゃくちゃ怖いです。「こんなところで停まらないでくれー」って思います。実際、停まった時は嫌なことが起こります。

シューティングとしては二流

私はMove モーションコントローラーでプレイするガンシューティングの大ファンで、PS VRによる復活は待望だったわけですが、『Until Dawn: Rush of Blood』のシューティング部分はイマイチなところがあります。銃撃の手応えを感じにくく、大雑把な印象。キャリブレーションも微妙にズレてしまうことがある。

私がPS3で一番プレイしていたガンシューティングは『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド4』であり、このシリーズは一日の長があるため、比較してしまうと銃撃戦の作りに差を感じます。ただ『Until Dawn: Rush of Blood』はホラー演出も売りなので、ガンシューティング特化のゲームではない。

 

恐怖感は従来の基準では測りきれないほどあり、トロッコに乗っている感覚も素晴らしいのですが、シューティング部分の弱さが評価の伸び悩んだ原因かと思います。しかし、2,160円という価格から考えると大満足。まだPS VRをやり始めなので、すべてに新鮮さがありますからね。

 

ホラー作品に「めちゃくちゃ怖い」というのは褒め言葉になりはしますけど、VRは一線を越えたところがあり、人によっては「ここまで怖いとNG」なレベル。「人によっては」と他人事のように言いましたが、私もVRの本格的なホラー作品は避けたいなと思ってしまう。

 

新しいハードウェアによって、これまでとは次元が違うホラー作品になりました。