PS4はHDDの換装が可能
PS4は、標準で500GBのHDD(ハードディスクドライブ)を搭載していますが、これはユーザーが市販の物と換装(取り換え)可能です。換装しても公式サポートを受けることができます。
換装する理由1:500GBでは不足
PS3の時は、初期型で20GBと60GBでした。最新型では500GBになっています。「PS4は500GBあるなら問題ないじゃない」と思ってしまいそうですが、私が香港版のPS4を約1ヶ月使ってみた感想としては、PS3の60GBの時より、PS4の500GBは容量的に厳しいと感じています。HDD500GBと言っても、実際に使用可能な容量は409GBです。
大きな理由として、PS4のゲームはディスク版もフルインストールされる仕様で、容量も1本20GB~50GBの大容量です。それに加え、最近のゲームは追加DLCも多いですので、それを容量を消費します。体験版の容量も大きいです。
ゲームタイトル | 容量 |
NBA2K14 | 41.8GB |
キルゾーン シャドーフォール | 38.3GB |
KNACK(ナック) | 34.8GB |
バトルフィールド4 | 33.9GB |
コール オブ デューティ ゴースト | 31.8GB |
PS4はオンラインマルチプレイをするにはPS Plusへの入会が必要となりますので、PS Plusに入られる方も多いと思いますが、このサービスは定期的に無料ゲームをリリースしてくれますので、これも「とりあえずダウンロードしてみる」という感覚でダウンロードすると、かなりの容量を使います。
PS4にはSHAREによる動画アップロード機能がありますが、これもそれなりの容量を使用することになります。直近15分のプレイ動画は自動で録画されており、SHAREボタンを押すとHDDに保存されます。15分で800MB程度になります。
私が1ヶ月使用したPS4。購入したソフトはキルゾーン シャドーフォールとKNACKのみでの使用状況。使用容量は90GBでした。私は1TBのSSHDに換装していますが、初期の500GB(409GB)だと、かなり窮屈に感じていたと思います。
PS4はインストールシステムが優れていて、再インストールがそれほど手間にはならないため、遊ばないソフトを定期的に削除していけば500GBでも十分運用できます。ですのでHDD換装必須というわけではありませんが、日常的にゲームを遊ぶユーザーなら利便性が大幅アップしますので1TB以上に換装をオススメします。
PS4 ディスク投入からインストール→アップデート→起動まで – YouTube
換装する理由2:ロード時間短縮
SSHDとSSDは、HDDよりも転送速度が速く、これはゲームのロード時間短縮に繋がります。TestedとIGNがPS4での速度を比較検証しています。
ゲーム | HDD | SSHD ST1000LM014 1TB |
SSD 840 EVO-Series |
PS4起動 | 25秒 | 19秒 | 18秒 |
KNACK(ナック) | 41秒 | 34秒 | 34秒 |
キルゾーン シャドーフォール | 59秒 | 41秒 | 38秒 |
バトルフィールド4 | 32秒 | 34秒 | 32秒 |
コール オブ デューティ ゴースト | 54秒 | 32秒 | 41秒 |
ニード・フォー・スピード ライバルズ | 23秒 | 16秒 | 19秒 |
アサシンクリード4 | 61秒 | 29秒 | 25秒 |
結果を見ると、SSHDとSSDの速度はほぼ同じ。SSHDとSSDはHDDよりもロードが3割~5割短縮されるという感じです。ゲームによって違いがあり、アサシンクリード4に関してはロード時間が半分になるという大きな効果があります。逆に、バトルフィールド4だけは差がありませんでした。これは、プログラムのほうでロード時間が調整されるようになっているのかもしれません。
そしてもう1つ、この結果を見るとPS4の転送速度は、SATA1(150MB/s)に準拠という仕様なっている可能性が高い。PS3も新型はSATA2に対応していたのですが、転送速度はSATA1(150MB/s)に準拠となっていました。ですのでSATA3(600MB/s)対応の高速SSHD・SSDでも1/4以下しか性能を発揮できなくなります。それでもHDD(40~70MB/s程度)よりは高速です。
ゲームのインストールに関してはHDDのほうがSSHD・SSDより早いという結果が出やすいですが、初回1回しか行われないインストール、しかもPS3とは違ってPS4では自動・バックグラウンドで行われる作業ですので、インストールが数秒早くてもメリットは感じないところだと思います。個体差・測定誤差もあり、HDDが必ず早いとは限らず、IGNのテストでもアサシンクリード4はSSHDのインストールが一番早かったりします。
【SSHD vs SSD】
SSDはPCでの使用には優れていますが、1TBとなると現時点で6万円ほどになり、PS4本体よりも高価です。そのわりにPS4での使用速度はSSHDと同等ですので満足度は低い。750GBや500GBのモデルを選ぶとなると、容量的な問題で使い勝手が悪くなってしまう。こういったドライブは消耗品でもありますので、PCの仕事で使うなら6万円でも良いのですが、性能がフルに発揮できないPS4で高性能・高価なSSDを使うのはもったいないと思います。ただ「10万円でも30万円でも関係ないよ」と、コストパフォーマンスを度外視できる方は、SSDで問題ないかと思います。
【SSHD vs HDD】
速度で勝るSSHDと安さで勝るHDD。1TBですとSSHDで1万円前後、HDDで7000円前後という具合。この価格差ならロード速度アップのSSHDに魅力を感じる。換装において、大容量の効果を感じるのは先のことですが、ロード速度アップに関してはすぐ効果が見られるので、せっかく換装するならロード速度アップは欲しい。
SSHDは現在1TBまですが、HDDは1.5TBもあります。この場合は価格的には同等になり、ロード速度で勝るSSHDと容量で勝るHDDとの比較となります。ゲームプレイにおいて煩わしいロード時間を短縮してくれるSSHDの性能は、単なる容量アップよりも魅力的だと思います。これがSSHD500GBとHDD1TBなら迷うところですが、1TBを超える分の容量に関しては、さほど魅力を感じません。
しかしながら動作の安定性ではHDDに優位性があります。SSD・SSHDは動作するものの、HDDとは構造が違いますので予期せぬ不具合があることも考えられます。そういった不具合を少しでも避けたいのであればHDDにしておいたほうが良いでしょう。
選択できるSSHDは2種類
2.5インチの1TB SSHDとなると、現時点(2014/01/22)での選択肢は2つ。2つしかないから迷いにくくて良いと考える。
【ハイブリットHDD】MQ01ABD100H TOSHIBA2.5HDD (1TB,5400rpm,S-ATA,8GBフラッシュ)
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キャッシュにおいては、Seagate64MB、東芝32MBということでSeagateに分があります。しかし標準のHDDが8MBですので、この差はあまり出ないのかなと思います。並べて比較することはありませんし、SSHD同士の性能差は、仮にあってもわずかだと思われますので、差を体感することはできない。それよりは寿命面の心配をしたほうが良い。MLCでも問題は無いと思いますが不安は残りますので、SLCは「安心して使える」という魅力も大きい。
2.23追記
現状、PS4とSSHDの相性はあまり良くないようです。私は問題なく使えていますが、国内ではTOSHIBA MQ01ABD100Hの不具合報告が多く、海外フォーラムではSeagate ST1000LM014の不具合報告が見られます。どちらのSSHDも問題は同じかと思います。安定性を求めるなら1.5TBのHDDか、少し様子を見てバージョンアップでの動作安定を待ってみたほうが良いかもしれません。
HGST Travelstar パッケージ版 2.5inch 1.5TB 5400rpm 32MB SATA 6.0Gb/s 0S03634
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