先日、SSHD(Seagate Laptop SSHD 2.5inch SATA 6Gb/s NCQ 1TB 64MB 5400rpm SSD 8GB MLC + HDDハイブリッド 9.5mm ST1000LM014)に換装したPS4ですが、なにも問題なく順調に動作しております。ということで、PS4のHDDは何に換装するべきか? というところを考えてみました。
HDD/SSHD/SSD
PS4のHDD(ハードディスクドライブ)は、HDD以外にもSSHDやSSD(ソリッドステートドライブ)に換装できます。まずはこの3種の中からドライブを選びます。
SSDというのは、データ転送が高速で静穏性や省エネにも優れているHDDの上位互換品的なドライブです。超スゴイ物ですが、お値段が高く、1TBともなると5~7万円くらいします。優れたドライブですが、価格を考えるとPS4で使うには割に合いません。一昔前は「寿命が心配……」と言われてましたが、現行品は問題無いレベルです。
SSHDはHDDとSSDの複合ドライブです。 中途半端なイメージがあり、私もPCやPS3はSSDを使っていますので、何の意味があってSSHDが存在してるのか疑問でした。SSDでいいじゃないかと。今回、よくよく調べてみたら、PS4の使用において速度はSSDと互角、価格はHDDより少し高い程度(1TBでHDDが8000円前後、SSHDが1万円前後)という、まさに良いとこ取りの良製品でした。まったく悩むことがなくSSHDを選択しましたし、自信を持ってオススメできます。静穏性でSSDに劣りますが、PS4は静穏性が優れており、HDDでも問題を感じません。
しかしながら動作の安定性ではHDDが無難です。SSDやSSHDは、動作はしますが何らかの不具合がある可能性も十分あります。公式サイトにも「内蔵HDDは換装できます。」とありますが「※全てのHDDの動作を保証するものではありません」と明記してありますので、そこは理解しておく必要があります。特にHDD以外に換装するなら想定外の不具合も考えられます。
容量は1TBか1.5TB
ストレージの容量。PS4の初期HDDは500GBですが、これはギリギリの容量かと思います。HDDは500GBですが、実際に使用できるのは409GBです。
PS3の初期型が20GBと60GBで、最新型が500GBですので「409GBもあれば十分なのでは?」と思ってしまいそうですが、実際は早期に限界をむかえると思います。最も大きな理由が、ゲームソフトの容量が大きく、ディスク版でもインストール必須ということ。
上記のように、30GB~40GBが普通です。 2層BDの容量が50GBですので、今後も50GB近いソフトが多くリリースされるでしょう。PS3であれば、インストール非対応のタイトルはHDDをほぼ使用しませんが、PS4は全タイトルインストール必須(自動)ですので、HDDを必ず使用します。さらにはDLCもあるのが今や普通、こちらもそれなりの容量を使うはずです。
PS4は、オンラインマルチプレイを楽しむにはPlayStation Plusに加入する必要がありますので、PS3時代とは比べ物にならないほど多くの人がPlayStation Plusに加入するでしょう。このPlayStation Plusは、FREE(無料)で遊べるタイトルも定期的にリリースしてくれますので、ソフトをあまり購入しない方も、無料でソフトを追加していくでしょう。
さらにPS4は、直近15分のプレイ動画を自動で録画しており、SHAREボタンを押すと動画がHDDに保存されます。15分の動画で約800MBを使用。これも撮り溜めていると容量を喰うと思います。
409GB(500GB)でも消したり再インストールしながら遊べば良いのですが、 不便は少しでも減らしたい。ということで、容量は1TBか1.5TB欲しい。PS4は最大1.5TBまで認識するそうですが、これはシステムの話ではなく、2.5インチで厚さ9.5mmのHDDで上限が1.5TBしかないから。SSHDに関しては現在、2.5インチサイズのSSHDで1.5TBの製品はなく、最大1TB。
ちなみに私は当初はSSDを導入するつもりでいたので、価格的に300GBクラスのSSDも検討していましたが、これは絶対に止めたほうが良いです。500GB以下に換装するのは厳しい。快適に使用するためにSSDやSSHDに換装するのに、しょっちゅうデータ整理と再インストールしなければならなくなるのは本末転倒。
速度はどうなんじゃい?
HDD/SSHD/SSDの比較動画をアップしてくれている方がいますので、へ理屈は抜きで結果を見る。Youtubeの方もIGNも検証に使っているSSHDは【Seagates製】ST1000LM014 1TB、SSDは【Samsung製】840 EVO-Seriesのようですね。
【PS4起動編】
HDD 02:10 起動 → 02:35 操作可能 結果25秒 +7秒
SSHD 02:10 起動 → 02:29 操作可能 結果19秒 +1秒
SSD 02:10 起動 → 02:28 操作可能 結果18秒 +0秒 Win
【KNACK(34.8GB)起動編】
【KILLZONE(38.3GB)編】
HDD 03:47 Start → 04:46 プレイアブル 結果59秒 +21秒
下記はIGNの検証結果。
【Battlefield 4(33.9GB)】
HDD Level Load 0:31.48 +0秒
SSHD Level Load 0:33.58 +2秒
SSD Level Load 0:31.33 +0秒 Win
【CoD: Ghosts(31.8GB)】
【NFS: Rivals(15.9GB)】
【AC4: Black Flag(21.7GB)】
このような結果に。
SSHDとSSDはほぼ互角。この速度差はドライブの性質の差なのか、テストしたドライブの性能差なのかわからないほど。しかし、IGNが検証したCoD: GhostsやNFS: Rivalsのように、SSHDがSSDに圧勝した例もあり、ゲームによってかなり変わってくるようですね。
SSHDの不安点でもあったフラッシュが8GBしかないという点ですが、この結果を見ると30GB超えのゲームでもSSDと変わらない、もしくはSSD以上の速度が出ていますので問題無さそうです。
SSHDとSSDは、HDDに比べて50%~70%のロード時間。KILLZONEの結果を見ると、HDDでは1分のロードがSSHD・SSDでは40秒になり、アサシンクリード4だとロード時間が約半分になるという驚きの速さ。
これまでの結果から、速度、コストパフォーマンス、容量を考えるとSSHD(1TB)のバランスが良い。しかしこの中で「コストパフォーマンスはまったく気にしない、10万円でも全然問題ないよ」という方ならSSDでも良いかと思います。ただ、SSHDとSSDはPS4での不具合も予想される。HDD換装は出来ますが、公式にはSSHD・SSDの明記はありませんし、HDDですら動作の保証はしていません。
1TBのSSHDは2種
SSHD(1TB)の中で、どの製品を買おうかと探すにしても、現状は選択肢が2つのみです。細かく探せば3種以上あるかもしれませんが、調べた範囲では2種しか見つからず、あえて選択肢を増やす理由もない製品ですので2種の中から選ぶ。選択肢が少なくてアレコレ迷いにくいので良い。上記の速度比較で使われているのもST1000LM014であり、選択肢が無いのは北米でも同じもよう。
語るべき差は太字にした2つ。
まずフラッシュがSLCかMLCか。これはSLC【東芝製】のほうが優れている。特に寿命面で書き換え可能回数が圧倒的にSLCのほうが優れている。ただMLCでも問題が無いレベルなので、寿命面で問題が出てくる可能性は低いと思われる。とはいえ、実際にPS4で何年か使ってみないとわからない部分です。
あとST1000LM014は、SLC/MLC両方で動作するデュアルモードNANDみたいです。ブートデータはSLC部に内蔵されていて、前世代SSHDのMomentus XTのSLC NANDより高速ということです。つまり、旧式SLCより優れている。「SLC」「MLC」と言っても性能は同じじゃないから、それだけで決めつけは出来ない。
続いてバッファ。これは32MBと64MBで当然ながら64MB【Seagates製】のほうが優れている。 バッファは、ヒットした物を保存しておく領域で、同じ物がヒットするとバッファからのアクセスで終わるので超高速。OSなどでは如実にその違いがわかる。これもPS4でどのくらいの差になるかは比較してみないとわからない。
現状は様子見かHDDが無難か ※2.23追記
私は2台のPS4にそれぞれ東芝とSeagateのSSHDを積んで問題は出ていませんが、国内だと東芝SSHD、北米だとSeagateの不具合報告が見られます。スタンバイモードにならないという症状で、これはHDDでも発生している症状のようですが、SSHDのほうが発生する頻度が高いと思われます。SSDは使用者数が少ないと思われるのでわかりませんが、掲示板ではSSDでの報告もあり、SSHD同様なのかなとも思います。
現状、SSD・SSHDは様子を見たほうが安全かもしれません。バージョンアップでの改善を待つか、SSD・SSHDよりは安定度が高いと思われるHDDに換装するか。この不具合が解消されれば、SSHDの優位性が高まりますが、こればっかりは予測できません。
コメント
非常に参考になりました!
この記事見てSSHDの良さを知り、オススメされてた東芝製を買わさせていただきました!