便利だけど廃れる可能性もあるゲームヘルプ

システムソフトウェア

PS5とPS Plusの機能であるゲームヘルプ。対応しているゲームでは便利ですが、対応していないゲームが多くて廃れていく可能性もある。

ゲームヘルプの使い方

ゲームプレイ中にPSボタンを押す。
ゲームヘルプに対応しているアクティビティーカードは、豆電球+のアイコンが表示されます。

この豆電球+アイコンですが、現在のゲームプレイに関わる場面でしか表示されません。例えば、このアイコンがついている場合は、現在プレイ中のミッションに関するゲームヘルプであるということ。他のミッションをプレイ中には表示されない。無関係なゲームヘルプを開いてしまうことはないです。
これの便利なところは、例えば攻略サイトや動画で該当するページを探す手間がなく、今必要な情報だけが出るというところ。
豆電球+アイコンがついているアクティビティーカードを×ボタンで選択。

「目標」の欄を選択すると動画を開きます。
「詳細」の欄を選択するとテキスト情報を開きます。

※ちなみにゲームプレイ中にPSボタンをダブルクリックすると、ショートカットで対応したアクティビティーカードを開きます。

「目標」から動画を開き、再生アイコンの2つ右にあるサイド表示アイコンを選択すると、サイドに固定するモードになります。左サイドか右サイドかを決めて×ボタン。
ボタンを押してゲームプレイに戻ると、ゲームヘルプ動画を固定したままゲームプレイが可能。

固定を解除する場合は、PSボタンを押してアクティビティーカードを選択し、サイド表示アイコンを選択して「サイド表示を終了」を選択。

ちょっと不便なのは、ゲームヘルプ動画をサイドに固定しても、動画の早送りや巻戻しはできず、垂れ流されるだけなところ。サイドに固定して同時にプレイするより、ゲームを止めて動画を見る使い方が標準になりそう。
対応してほしいのは、キーボードや2コンでの動画操作。「10秒巻き戻す」をキーボードや2コンのボタンで行えれば、動画をサイドに固定したまま使いやすい。
もしくはスマホをセカンドスクリーンとして動画再生。Youtubeの動画をスマホで見るのとは違い、ゲームと連動しているので、今必要な動画をクイックに再生できる。

さらに言うと音声操作。「Hey Siri」状態で使えるならライトユーザーも使いやすいかもしれない。もしかしたら、将来的にはそこを目指してゲームヘルプ機能を始動したかもしれない。デュアルセンスにマイクがありますしね。
実際にソニーは「PlayStation Assist」という特許を取得しており、PS5でのAI支援が予想されていました。今のゲームヘルプは本来想定していた形には至っていないのかも。

ヒントではなく答え

ソフトによってゲームヘルプの内容は異なりますが、ヒントじゃなくて答えが多いです。例えば収集物だったら、動画でわかりやすく位置を見せる。

これは良い見せ方だと思う。ヒントどまりだったら、Youtubeにある攻略動画のほうが便利でしょう。私も攻略記事や動画を作成したことがありますが、それを見に来る人はヒントからの謎解きがしたいわけじゃなくて、答えが見たいのです。中途半端なものを見せるんじゃなくて、攻略動画としてわかりやすく答えを見せるほうが需要あります。

今の時代、ネットに答えが溢れており、「見たい人だけが見る」というものなので、ゲームヘルプという機能で答えを遠慮する必要はないですね。この割り切りができたのは1つ時代の変化かなと思う。

便利だがイマイチ使われていない

このゲームへルプ機能、対応しているゲームでは使いやすくて便利です。私が最初に利用した『アストロプレイルーム』では、収集品をコンプリートするのに使いました。これがあるならYoutubeの攻略動画もいらなくなるなと思った。
しかし、対応しているゲームが少なく、来年には使われなくなって廃れる可能性が高いと思っています。Twitterでツイートすらされない話題にならない機能ですから、『アストロプレイルーム』や『デモンズソウル』をプレイした人でも利用していない人が多いと思う。そもそも認知されていない機能。
ゲームヘルプ – Twitter
ゲームヘルプはライトユーザーにこそ必要な機能だと思うけど、ライトユーザーがこの機能を認知してゲームプレイしながら使いこなすようになるとは思えない。
対応しているゲームが少ないうえに、対応しているゲームでも利用者が少ないなら、ソフト側が手間をかけて対応すると思えず、廃れるしかない。新ハードにありがちな、ロンチだけ少し使われて廃れる機能になりそう。

発売前のインタビューでは「ゲームヘルプに関しては、ゲーム開発側が必ず作らなければいけないというわけではありません。ゲームメーカーが作ってもいいですし、場合によっては、我々が用意してもいいと考えています。」「つまり、ファミ通編集部で作らせてほしい、とアピールしてもいいんですね(笑)。」と言っていましたが、既に出ている結果としてはイマイチ対応されていない。
PS5が実現した新世代のユーザー体験とは? 商品企画・UIデザインを統括するSIE西野秀明氏にインタビュー – ファミ通.com

ハプティクスフィードバックとアダプティブトリガーは多くのソフトでガンガン使われており、これは7年間フル稼働する機能になりそう。その理由は自動生成機能でメーカーが実装しやすいから。既にほとんどのソフトで実装されているから「ウチだけ対応しない」という選択もしにくくなる。
ゲームヘルプに関しては自動生成できるものじゃないので、メーカーとしても手間がかかる。対応しているソフトも多くないし、「Youtubeの攻略動画見ればいいじゃん」という解決策もあって、非対応という選択をしやすい。

メーカーが対応しないなら、ユーザーが攻略動画やテキストを追加できるようになれば可能性があると思う。昔の攻略系wikiのような生き方。
例えば倒せないボスがいるとして、そこでPSボタンをダブルクリックすれば他のユーザーがアップした攻略動画が再生されるという具合。
ゲームヘルプの大きな利点である、攻略サイトや動画を「探さなくていい」というクイックさが生きる。その場面で必要な動画がピンポイントで再生される。困った時はPSボタンをダブルクリックというだけなら、ライトユーザーにも使いやすい。
今あるもの(Youtube&攻略サイト)より便利というのは、新しいサービスとして魅力的。
何百という攻略動画がアップされて、どう判断してどれを再生するかなどの問題はあるが、そこまで困難ではないとも思う。

現時点でのPS5の性能・機能の評価

現時点でPS5の性能と機能を評価すると、

  • ◎ハプティクスフィードバックとアダプティブトリガー
    発売前の期待値は低かったけど、体験としても良いし、不安だった対応率は完璧。
  • ◎Tempest 3Dオーディオ
    前世代は音にこだわりはなかったですが、Tempest 3Dオーディオが生み出すゲーム世界の臨場感に衝撃を受けた。
  • ◎高速ロード
    ゲームによって大きな差があり、発売前の期待値からすれば残念なところもあるが、『スパイダーマン』とか『仁王2』とか、ちゃんとしているソフトは超高速なので〇以下の評価にはならない。
  • ◎解像度とフレームレート
    ダイナミック4K+60fpsの居心地の良さに大満足。グラフィックは前世代もキレイだったし、これ以上の渇望もなくなってきている。60fpsが当たり前の世代にはなってほしい。
  • ◎静穏性
    完璧な静かさ。長時間プレイでも問題なし。PS4 Proは騒音が悩みだっただけに嬉しい。
  • 〇ゲーム容量
    今世代は容量が肥大化するかと思いきや、驚異の圧縮率を見せている。技術的にはめちゃくちゃスゴイけど、667GBのSSD容量に対してソフトの容量は大きいので◎とまではいかない。
  • 〇×ボタン決定
    決定ボタンが×で統一されたのは嬉しい。慣れない人も多いかと思いますが、私は2019年からPS4を×決定にしていたのでスムーズに移行できた。
    2018年以前のPS4ゲームは決定のままなので、後方互換でプレイすることを考えると完璧ではない。
    和ゲーも洋ゲーも決定ボタンが統一される世界に踏み込めて嬉しい。ただし、UBIは除く。
  • △クリエイト
    PS4のSHAREは使いやすく、それ自体は前世代から引き継いで◎。動画のトリミング機能が使いにくくなったのは×。PS5で打ち出した「クリエイト」には何も感じず、SHAREボタンをCREATEボタンにしたのは失敗としか思えない。ゲーム業界にとっても偉大な発明だったSHAREボタンがもったいない。
    もしかしたらCREATEはゲームヘルプと連動し、ユーザーがゲームヘルプ向け攻略動画をクリエイトできるような予定もあったかもしれない。
    なんにせよ、PS5のCREATEはPS4のSHARE&SHAREfactoryから大きな変化は見えていないので、名前を変えた意味がわからない。
  • △レイトレーシング
    今のところスゴイと感じたのは『スパイダーマン』と『CONTROL』のみ。それでも30fpsになるなら不要かと思う。
  • △アクティビティーカード
    使い方の可能性はあるけど、まだ馴染んでいない。『仁王2』のホーム画面から直接ミッションを起動するのは驚きだった。
  • ×ゲームヘルプ
    一部の対応タイトルでは便利だったけど、非対応タイトルが多いし、ユーザーにも認知されていなさそう。機能として単体で見れば〇ですが、使われないんじゃ意味がない。今回書いたテコ入れの要望は、
    ・サイド固定した動画をキーボードや2コンや音声で操作
    ・スマホをセカンドスクリーンとして使用
    ・ユーザーがゲームヘルプ向け攻略動画をアップ
    ・「PlayStation Assist」によるAI支援。
  • ×ストア
    PS5のストアは使いにくい。Twitterでも散々言われているので、あえて言う必要もないほど。軽さだけは良い。

機能自体は良いが、本体機能としては使われていかなくなりそうでもあるゲームヘルプ。PS5が発売されて4ヶ月、ゲームヘルプが「今のままではダメになる」というのは見えてきていると思うので、テコ入れに期待し、今後のゲームでも気にしておきたい。

コメント

  1. ogiza より:

    >〇×ボタン決定
    >2018年以前のPS4ゲームは〇決定のままなので、
    >後方互換でプレイすることを考えると完璧ではない。

    これがこの問題の大きなキモだと思います。
    PS4のゲームの多くが○決定のままなので、
    現時点においてネガティブな要素になっていますね。

    今後PS5のゲームタイトルが増えるにつれ、
    この問題は静かに消えていく問題だと思います。

    PS5専用ゲームや、
    ×ボタン決定対応のPS4のゲームで遊ぶ限り、
    現時点においても問題無く、
    慣れていない人でも直ぐになれると思うし、
    操作も×ボタン決定の方がしやすいと思います。

    • 匿名 より:

      これって、PS1の時からの負の遺産でもっと早く対処すべきだったと思う
      海外だとXが閉じるの意味で決定になるから逆にしたんだよね
      日本の仕様のままで良かったと思うんだけどなあ

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