2018年7月31日に北米Storeでリリースされた『Pixel Ripped 1989』($29.99)をクリアしました。VRゲームの傑作に数えられる1本。
どんなゲーム?
ゲーム世界でトラブルがあり、ゲーム世界の主人公が現実世界の少女に憑依して携帯ゲーム機でゲームをプレイする感じみたい。
プレイするゲームは『ロックマン』をベースにしたようなゲーム。そこにカプコン、任天堂、セガのゲームを連想させるような味付けもある。
操作方法は『スーパーマリオブラザーズ』のファイアマリオと同じ。□or〇で攻撃とダッシュ、×でジャンプ。
デュアルショック4のライトバーで認識しており、実際に携帯ゲーム機を持ってプレイしている感覚。ボタンを押すとゲーム内の指も反応します。
最初は休み時間なので自由にプレイできる。
他の生徒の様子も面白くて、ダンスをしたりゲームを覗きに来たりする。本当に教室でゲームをしている雰囲気。
先生が来て授業が始まると、見つからないようにプレイする必要がある。
紙クズを飛ばす道具でラジカセやテレビに紙クズを当てると、一定時間先生の気を逸らす事が可能。
中にはギャグもあり、謎のサッカーブラジル代表選手が来て時間稼ぎをしてくれたりもする。発生するイベントとか先生の反応が気になって、自分もゲームに集中できないほど。
基本的にはキラキラ光るポイントに当てると良いのですが、そういう印が出ていない隠れポイントみたいなところもあり、それを探すのも楽しい。
ゲームはノーミスでクリアできるほど甘くないですが、残機無限なのでリトライを繰り返せば難しくはない。チェックポイント制。
シューティングステージがあったり、操作キャラが変わったり、このゲーム自体の仕掛けも豊富。
いろんなゲームのネタが散りばめられている感じです。直近に『SEGA Genesis Classics』をプレイしていたので気付けた部分もありました。
そして、ステージの最後にはボスバトルなのですが、ここで現実世界と繋がる。
ステージ1の場合は現実世界の本やカセットテープなどで足場が作られてオーソドックスなアクションゲームになる。ドット絵のキャラクターが現実世界にいるような感覚が非常に面白い。
このゲームの最大の魅力は、この現実世界とゲーム世界が繋がる演出。ステージ1と他のステージは全然違う演出になっており、鳥肌が立つような素晴らしいセンス。
熱くさせる音も良かった。ゲームと現実世界を繋げる糊(のり)のようでもある。携帯ゲーム機の音から、現実世界で聞く音になる変化。
クリエイターのセンスに脱帽
1周クリアまで2時間未満でした。しかも、ラスボスで苦戦して30分以上使っていますので、それ以外のボリュームは少なめです。でも「なんでこんなの思いつくの!?」という驚きが何度もあり、個性豊かな4ステージ+オマケという2時間の中に魅力がぎっしりと濃縮されていた。仮想現実世界でプレイするレトロゲーム、そして仮想現実世界とレトロゲーム世界の繋げ方が最高で、唯一無二のゲームとなっていました。VRでレトロゲームのノスタルジーを感じさせる傑作。
$29.99にしては1周のボリュームは少ないですが、ここまでしっかり作っていれば大満足。このゲームだけでしか味わえない魅力なので、価格以上の満足度がありました。奇をてらっただけじゃなく、アクションゲームとしてのバランスも良いし、演出は最高。ラスボスだけは強くて巻き戻りも長めなので、そこだけちょっとストレス。※追記:ラスボス戦のバランスはVer1.05で調整入りました
最後の最後まで「クリエイター」の凄さを感じられました。KOされた。
残念ながら日本語には未対応。Kickstarterで始まったプロジェクトのようですし、資金に余裕はなさそうです。素晴らしいセンスを持ったクリエイターだと感じられたので、このゲームをきっかけに大きなサポートが受けられるようになって次回作に繋がれば良いなと思いました。
『SEGA Genesis Classics』のVR対応で、レトロゲームをVRでプレイする面白さを感じましたが、携帯ゲーム機でも同じ魅力がありますね。未来の人は本当にVRでファミコンやゲームボーイを体験するかもしれない。