2018年4月3日に北米Storeでリリースされた『Crisis on the Planet of the Apes』($14.99)。『猿の惑星』のVRゲームです。
基本操作とシステム
Move2本持ちのゲームです。
広いプレイスペースが必要で、2m x 2mを推奨しています。
基本的にはチャプタークリア式のゲームですが、インタラクティブシネマにも近い。映画的に進む物語の中で、ランニングアクション、雲梯アクション、銃撃アクションが発生する。
ランニングアクション
VRゲームとして気になる移動操作。両手のMボタンを押したまま犬かきのように手を漕いで前進します。これが意外にもハマっていて、手の動きだけで猿が走っている感じを表現できている。
しかし自由移動というわけではなく、決まったレールを進むタイプです。移動先に目印が表示されますので、その方向を見てからMボタンを押して手で漕ぐ。
決まったレールの中にジャンプするポイントもあり、両腕を下げた状態でMボタンを押し、両腕を上げながらMボタンを離すとジャンプ。
雲梯アクション
天井や壁につかめるポイントがあり、手を伸ばしてMボタンでつかむ。このアクションも素晴らしい。この操作をやった瞬間に「これでアンチャーテッドやりたい」と思いました。壁をつかんで登っている感覚もしっかりありますし、天井を雲梯状態で渡って行くところでは高所恐怖症の人には厳しいであろうハラハラ感が味わえる。「これは良いVRだ」と素直に思えた楽しい操作と感覚。
銃撃アクション
Mボタンで銃を持ち、Tボタンで銃撃。
リロードは反対側の手でマガジンを持ち、銃にカチッとハメる。
銃を持ったまま背中に持っていき、Mボタンを離すと背中に銃をしまう。銃を持っていない時に背中に手を伸ばしてMボタンを押すと銃を持つ。
カバーポジションは赤い目印が出る。そこを見てMボタンを押し、クイッと引っ張るように動かすと移動。この操作も悪くない。
隠れながらの銃撃戦では、雲梯アクションの操作が応用されている。目の前の壁をつかんで下に引く動きをすれば体は上に行く、隠れたい時は壁をつかんで上に持ち上げると体は下に隠れる。左右や斜めも同様。この操作も良くて、物陰から頭を出したり隠れる動作が自然に行えた。右手で撃って、左手で体を操作したりマガジンを拾ったりする感じ(手は逆でも良い)。
グラフィックは普通
PSVRのゲームとしてグラフィックは良くも悪くもなく。これくらいなら普通かなと思います。チラチラしないし見やすいので不満はないです。
PSVRへの最適化は不満
とても面白かったのですが、どちらかと言えばPCのVR向けで、PSVRに最適化されていないところが残念。『Raw Data』や『Drunkn Bar Fight』などなど、マルチタイトルにはありがちな事ですが。
アップデート前の『Drunkn Bar Fight』と同様に視点切替操作がありません。ほぼレールを進むゲームですので視点切替の必要性は大きくないですが、それでも真横や斜め後ろから銃撃を受ける場面がある。PSVRは真横や後方の認識精度は低いですので、その時に銃がブレブレになったりデタラメな動きをする事がある。銃撃戦の難易度は易しくないですので、そういう操作性の問題で死ぬのはストレスになります。
プレイヤー自身が向きを変えるゲームの作りになっており、360度の認識精度が安定したPCのVRでプレイするゲームになっている印象。
視点切替操作さえあれば、この最大の不満が軽減されるので劇的に変わる期待がある。
背中の銃を取るのも認識精度がイマイチ。これは『Raw Data』でも似たような問題がありました。目の前に敵がいて、こちらは銃を取ろうとしているのに空振りばかりで撃たれて死ぬ事もあり、これも操作性の問題で死ぬストレスがある。
ダメージが自然回復しませんので、銃撃戦の難易度は高め。終盤はしつこいくらいに銃撃戦が多くなり、操作性にストレスを感じる場面も増える。銃撃の基本システムは素晴らしい出来なので、少し改善すれば問題は消えて楽しいだけの銃撃戦になりそう。
○×△□ボタンは使用しませんが、操作性に不満を覚えるところは、割り切ってボタンでも対応できるようにしてほしいと思いました。
バランスの良いVR映画体験
しっかりしたVRアクションがありますが、インタラクティブシネマっぽさもあり、1時間30分~2時間の映画を体験するVRゲーム。体験する映画として、とてもバランスが良いと思いました。
日本語は含まれていませんが、ストーリーは複雑ではなさそう。人間に捕らわれていた猿が脱出を図るストーリーです。
$14.99のVRゲームとして良作だと思いましたが、PSVRにフィットしていない操作性の問題が少し足を引っ張っています。それでもトータルでは満足の内容ですし、アップデートで改善される期待もあります。PCのVRで環境が良ければ、かなり良いゲーム体験になるのではないかとも思います。