『STAR STRIKE ULTRA』がPS VRにフル対応してVR専用モードも追加された『STAR STRIKE ULTRA VR』。
PS VR対応タイトル
『STAR STRIKE ULTRA VR』はPS VR「専用」タイトルではなく、PS VR「対応」タイトルです。PS VRを持っていなくてもプレイ可能。2015年3月12日に1,620円で配信された『STAR STRIKE ULTRA』の全要素を含んでいます。
『STAR STRIKE ULTRA』の全要素がVRモードでもプレイ可能になっているのに加え、「INVASION ZONE」というVR専用コンテンツが追加されています。
『STAR STRIKE ULTRA』はオーソドックスな360度シューティングです。ステージが球体になっていて、移動も銃撃も360度。
通常モードのVR対応
『STAR STRIKE ULTRA』の全要素がVRモードで遊べるわけですが、これが相性良くVR化されています。率直な感想としてVR専用モードより楽しめる。
VRゴーグルを被ってゲーム世界に入ると、目の前にドーンッと大きな球体がある。360度全てがゲーム世界だからこそ生まれる現実から遮断された世界での没入感、巨大サイズで見える迫力、光の粒子が自分に向かって飛んでくる立体感。ゲームのシステムは同じですが、通常のテレビでプレイするよりも1.3倍くらいの魅力があります。『STAR STRIKE ULTRA』をVRでプレイするだけで、未来のゲームをやっている感覚になる。
光の粒子が自分に向かって飛んでくると、思わず目や口を閉じてしまう。
PS VRの遅延は18ms(0.018秒)以下ですので、こういうシューティングゲームも遊びやすいです。
今はPS VRフル対応タイトルが良い
日本でも配信されているPS VRのゲームで評価が高いのは『Rez Infinite』(89点)と『Thumper』(85点)ですが、いずれもPS VRフル対応タイトル。
私は最初、VR対応タイトルよりVR専用タイトルの方が魅力的なゲームが生まれやすいかと思っていました。でも今のところは、通常モードでも一定の面白さがあるゲームを、VR対応で1.3倍くらいに強化した方が現実的に面白いゲームが生まれやすいのかなと思います。『STAR STRIKE ULTRA VR』も同様で、通常モードでも面白いですが、これをVR対応したことで魅力が増している。
専用タイトルには専用タイトルにしかできないゲームがあってそれも魅力ですが、まだ模索している段階でもあり、トータルで高い完成度にするのは難しい状態。ゲームのためのVRではなく、VRのためのゲームになっていると感じられることもあり、VRらしいゲームを作ろうとするほど、デバイスに引っ張られ過ぎたようなアイデアにもなる。
フル対応タイトルの場合は、まずゲームがあり、それを生かすためのVRという形になっているので、ゲームのためのVRになっている。VRは味付けで、VRがなくても遊べるが、VRがあることで更に良くなる。
『Rez』『Thumper』『STAR STRIKE ULTRA』のような、VRと相性が良いタイトルを掘り起こしてみれば、良いVRコンテンツになりそうです。その延長で『Rez Infinite』のAREA XのようなVR専用コンテンツが生まれれば素晴らしい。
VR専用モード「INVASION ZONE」
コックピット視点で遊べるモード。首振りでエイミング、R2で銃撃、L2でホーミングミサイル。左スティックと右スティックで自由に飛び回れます。
酔いの問題はあります。対策として、右に曲がる時は体を右に倒す、前進は前に倒し、後退は後ろに倒す。飛行機の動きと体の動きを連動させることで酔いにくくなりました。コントローラーで飛行機を操作するのではなく、重心移動で動かすイメージ。この体の動きと飛行機の動きがシンクロすると快適。
このゲームの場合、酔いは仕方ないところもあります。小型飛行機で右へ左へ飛び回っていれば、VRだろうが現実だろうが多少は酔って当たり前でしょう。
これはこれで楽しさもあり、VRを活用したシューティングゲームとして形にはなっていますが、ゲームとしてアーケードモードのほどの魅力は感じませんでした。
PS VRの有効活用例
やはり『STAR STRIKE ULTRA VR』はアーケードモードをVRで遊ぶことに魅力を感じます。ゲームシステムは『STAR STRIKE ULTRA』のまんまですが、これをVRに対応するだけで、こんなに魅力が増すのかというところが感じられて良かった。PS VRを有効活用しています。
VR専用モード「INVASION ZONE」は、酔ってまでプレイする気にはなりません。『STAR STRIKE ULTRA VR』という1本のソフトの中に、酔わないモードと酔うモードがあってはっきり感じたのは、ゲームは酔いに耐えながら遊ぶもんじゃないなということ。蛇足のようにもなってしまっていますが、VR専用モードの開発に挑戦したのは良いと思いますし、今後に繋がるかもしれません。まだ試作段階といった印象もあり、これ単体では製品にできないレベルかと思いました。
メタスコアはわかりにくいことになっていて、『Super Stardust Ultra』は74点。その全ての要素を含んで追加要素もある『Super Stardust Ultra VR』は67点。
『Super Stardust Ultra』がPS VRに対応して相性が良かったので素直に評価すれば80~85点にアップするという感じですが、VR専用モードを含めて批評すると、それが減点要素になってしまっているのでしょうかね。
『STAR STRIKE ULTRA』の全要素が収録されており、それがPS VRで強化されたのが素晴らしい。良質のPS VRコンテンツでした。あくまでベースは『STAR STRIKE ULTRA』の面白さなので、360度シューティングに興味がなければ楽しめないでしょう。VR専用モード「INVASION ZONE」はオマケ程度で。
3日先行キャンペーンでプレイしましたが、発売日は12/15(木)です。
PlayStation VR PlayStation Camera同梱版
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2016/10/13
- メディア: Video Game
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