2019年6月6日にリリースされた『RAGE 2』の感想。
戦闘が爽快で楽しい
開発元がid SoftwareとAvalanche Studiosであり、id Softwareは『DOOM』の開発元なだけあってスポーツ系FPSとして戦闘が面白い。ド派手に撃ちまくって爆発させまくって走りまくる爽快感と、その中に緊張感もあって脳汁が出るような。スプリント速度アップを獲得するとさらに良くなる。
いろんな武器とスーパーパワーがあり、自分次第で戦い方の幅も広げられる。
パッドのFPSで重要ポイントとなるレティクルの操作感も良いです。VR FPS『ライアン・マークス リベンジミッション』の後なので、パッドでプレイするFPSは魅力を感じにくい状態であったのですが、職人技の調整で満足させてくれた。
難易度設定も現代的で、いつでも変更可能ですし、報酬やトロフィーに関するデメリットもなし。各プレイヤーの腕前にあった難易度を気兼ねなく選択できる。
厳しい規制
ベセスダ日本公式Twitterが規制に関する比較動画を公開しています。
国内版『RAGE 2』(PlayStation® 4 / Xbox One版)はCERO: Z区分のため、レーティング基準に則してゲーム内演出(※)に変更があります。北米版(左)と日本版(右)の比較動画もご参照ください。
※「人型敵NPCの分離欠損表現の削除」、「一部ゲーム内オブジェクトの削除または変更」#RAGE2 pic.twitter.com/lLIJrJmrYX
— ベセスダ日本公式 (@Bethesda_jpn) April 1, 2019
厳しい規制により、このゲームの特徴が大きく損なわれています。戦闘が爽快で、このゲームの主軸となる要素ですから、規制によって敵の倒れ方が地味なのは大きなマイナスポイントになってしまっている。
でも日本語音声は有難い。アクションしながらの会話も多く、字幕だとキツかったと思う。最近『セインツロウ IV リエレクテッド』を再プレイしていて、プレイ中の字幕の読みにくさを痛感していたので、『RAGE 2』では有難味を感じる。『ウルフェンシュタイン』もそうですが、日本ではあまり売れないであろうゲームを日本語音声でローカライズしてくれるのはホント有難いです。
マシン
『マッドマックス』っぽい世界でマシンも特徴的。操作性はリアルではなくゲーム的な派手さがあって好みです。目的地までのルートが地面に表示されるのも素晴らしくて見やすい。オープンワールドゲームは移動も大きなポイントで、ここが退屈するとゲームプレイ中のつまらない時間が増える。『RAGE 2』のマシンによる移動は楽しく快適で良かったです。
改造の自由度はもう少しほしかった。これは武器も同じですが、種類が少ないアップグレードを選択するだけというのは寂しい。マシンと武器の改造が熱くなれる要素なら、制圧&支配/キル&破壊/捜索&回収/アクティビティーを繰り返すモチベーションも高まったと思う。現行の改造もそれなりに機能していますが、膨大なサイドミッションの数と噛み合うほどとは言えない。
短めで盛り上がらないストーリー
メインストーリーの目的地を目指しながら途中にある制圧&支配/キル&破壊/捜索&回収/アクティビティーを消化して、クリアまで10時間ほど。海外レビューでも多く指摘されたポイントですが、メインストーリーは短めで盛り上がりにも欠けます。
メインが6~8時間ってだけなら問題ないのですが、サイドストーリー的なものがほぼないので、全体的にストーリーが浅く感じる。交易所でキル&破壊を紹介してもらう時にちょっとしたテキストはありますけどね。基本的にはシンプルなおつかい。
メインストーリーは短いですが、ゲームとしてのボリュームは十分です。コピペで水増しされたようなところもあるとはいえ、制圧&支配/キル&破壊/捜索&回収/アクティビティーの数が多い。このゲームの一番楽しい部分である戦闘を何度も何度も楽しみながら、少しずつ強化していくのにハマれば、最高に楽しめるゲーム。私は好きなタイプのゲームです。
メインストーリークリア後は目的を見失いそうになりますが、トロフィーが良いチャレンジになります。
グラフィックは並ですが60fps(PS4 Pro)
グラフィックは平凡です。最近のAAAゲームと比べると見劣りする。
暗くて見難いですが、明るさを調整する機能はなくてHDRにも未対応。ここは残念なところ。ミッションエリアでは宝箱の数が表示されるので、それを回収するのも基本的なゲームプレイに含まれますが、この暗さが邪魔をする。フラッシュライト的な装備もない。調整すらさせないという暗さへのこだわりがあるのかもしれないが、改善してほしいポイント。
グラフィックは旧世代感もありますが、PS4 Proだとフレームレートは60fpsです。この規模の最新オープンワールドゲームで60fpsは多くないと思います。フレームレートよりもグラフィックをとるゲームが多い中、前作同様にFPSとしてフレームレートにこだわったのは良い判断だと思います。実際、このゲームの最大の魅力は戦闘ですので、60fpsが生きまくっている。
視野が調整できるのも良いです。
メニュー画面が重い
タッチパッドを開くとメニュー画面を開きますが、動作が重いです。タブの切り替えも遅れて反応するのでやりにくい。基本的な部分の調整や最適化ができていないように思えるのは印象が良くないです。
戦闘が主軸にあるFPS
海外では5月14日にリリースされており、評価もほぼ出揃っていてメタスコア67点(39件)。マイナスポイントは、メインストーリーの浅さと短さ、水増しされたようなミッションの繰り返しで生かしきれていないオープンワールド、バグなど。強化システムとマシンは賛否両論。プラスポイントは戦闘。
個人的にも似たような感想。『DOOM』っぽいスポーツ系FPSの戦闘が主軸にあり、膨大な数のアクティビティを繰り返して少しずつ強化&マップ埋めしていくのが楽しい。オープンワールドのFPSで、60fpsのハイクオリティな戦闘を楽しめるが嬉しい。私は好きなタイプのゲームですが、中盤以降は単調・飽きやすいという意見もあって評価が伸びにくいのはわかる。シングルプレイ専用のゲームなので、CPUとの戦闘に飽きちゃうと底ですからね。でも、この楽しい戦闘を飽きるまでやらしてくれるなら大満足。
目立つバグに関しては今のところなかったです。たまたま運が良かったのか、バージョン1.01と1.02で大きなバグは改善されたのか。細かいところだと、たまに音がおかしかったような気がする。
8月に大型DLC第一弾、秋(9~11月)に大型DLC第二弾が予定されています。戦闘は面白いので、ストーリーとボリュームの問題を解決するものになるかどうかが注目。ただ、メインストーリーのボリュームの少なさと考えると、DLCでストーリーを別売りにしたのは批判されても仕方ないところかと思う。
戦闘を重視したシングルプレイFPSとして面白い。オープンワールドゲームとしての味付けは薄味ですが、『マッドマックス』的な世界の雰囲気を楽しめるし、マシンでの移動は悪くないですし、膨大な制圧&支配/キル&破壊/捜索&回収/アクティビティーはお腹いっぱいにしてくれる。