PS4の次の価格改定について考えました。従来通りであれば2017年の価格改定はない。しかし、ライバル2社が新ハード投入という特殊な年。
PS3とPS4、これまでの展開
全て税抜価格。低価格モデルのみを抜粋。
年 | PS3 | PS4 |
---|---|---|
2006年/2013年 |
11月11日 20GBモデル 42,839円 |
11月15日(北米) $399 |
2007年/2014年 |
– 11月11日 40GBモデル 38,076円 |
02月22日 CUH-1000(500GB) 39,980円 – |
2008年/2015年 |
– – |
06月24日 CUH-1200(500GB) 39,980円 10月01日 CUH-1200(500GB) 34,980円 |
2009年/2016年 |
09月03日 CECH-2000A(120GB) 28,552円 – |
09月15日 CUH-2000(500GB) 29,980円 12月06日 5,000万台突破 |
2010年/2017年 | – | – |
2011年/2018年 |
03月29日 5,000万台突破 07月08日 CECH-3000A(160GB) 28,552円 08月18日 CECH-3000A(160GB) 23,790円 |
– – – |
スタート価格が高くて出遅れたPS3は1年後に40GBモデルをリリースして価格を$399とした。スタートダッシュに成功したPS4は1年7ヶ月後にCUH-1200をリリースして、1年10ヶ月後に1回目の価格改定で$349。
2009年・2016年の9月時点でスリム&$299という展開になって並んだ。
PS3の展開で見ると2010年・2017年はハード価格に大きな動きがない年ということになります。来年、2018年の8~10月にPS4が$249.99以下になる可能性は高い。無難に予想するなら、
- 2017年 価格改定なし
- 2018年 8~10月に$249.99(24,980円)
これを1年早めて2017年に価格改定する理由があるとすれば、
ライバル2社が新ハードの年
2017年が他ハードに何もない年であれば、あえて動く必要もなかったと思います。しかし、2017年はSwitchとXboxOneの新型ハード Project Scorpioがリリースされますので、ハードの話題性としては押され気味。シェア的には圧倒的とも言えるリードがあるPS4ですが、2017年の年末商戦で埋もれてしまう不安もあります。
PS3より1年3ヶ月早い5,000万台突破
PS3の時より1年3ヶ月も早い5,000万台突破。2016年3月31日までの前期において、PSNだけで約5,300億円もの売上があったという。PS Plusを核としてユーザー数が拡大傾向になっているとのことでした。PS3時代はオンライン無料でSCEがかなり無理して損を被っていたでしょうけど、PS4では逆に莫大な利益を生んでいる。PS PlusはPS4発売前からありましたが、ユーザー拡大の要因はPS4のオンライン対応ゲームで遊ぶため。ハードが売れれば売れるほどPS Plusの会員数も増えるでしょうし、もちろんソフトのロイヤリティ収入も増える。PS3の時よりはハードを安くする意味が大きい。
ソニーの連結業績において、ゲーム関連分野の営業利益はPS3時代とはまったく違っています。今月下旬か来月上旬に2016年度の数字も出ます。1,000億円を超えるのではないでしょうか。
年度 | PS3時代 | PS4時代 |
---|---|---|
2006年/2013年 | -2,323億円 | -81億円 |
2007年/2014年 | -1,245億円 | +481億円 |
2008年/2015年 | -585億円 | +887億円 |
2009年 |
-831億円 |
– |
2010年 | +356億円 | – |
2011年 | +293億円 | – |
2012年 | +17億円 | – |
※2006年から2008年、2011年と2012年はゲーム分野。
※2009年と2010年はNPS分野(ネットワークプロダクツ&サービス)。NPS分野はパソコンやデジタルミュージックプレイヤーなど幅広いのでゲーム分野としての参考にはなりにくいです。2011年までNPSだったのですが、2012年の発表で前年比として2011年のゲーム分野の数字が出ていました。
※2013年から2015年はG&NS分野(ゲーム&ネットワークサービス)。ネットワークサービスは主にPSNですので、PlayStation分野という感じ。ちなみに『Fate/Grand Order』は音楽分野です。
PS Plusという大きな収益源が確立されて、PS3初期の生産コストを圧迫したCellも用いていない。おまけにシェアは独走状態なので長期的に続けたいかと思う。PS4の最終価格はPS3とは違うものになるのではないかと思います。昨年度でPS3が出荷終了となったのも1つの区切りですね。ここから先は「PS3の価格がこうだったから」というのはデータとして参考になりにくいかなとも思います。
北米での販売台数の鈍化
年 | PS4 | XboxOne |
---|---|---|
2013年 | 200万 | 182万 |
2014年 | 468万 | 437万 |
2015年 | 573万 | 493万 |
2016年 | 508万 | 473万 |
北米市場において、2015年からハード販売台数が落ちています。Pro & Slim投入で価格も$299.99にして落ちていますので、2017年をこのまま$299.99で終えれば、さらに落ちるのは予想できる。Switch & Project Scorpioの話題性もあり、2017年は首位陥落どころか3位に落ちる可能性もなくはない。
当然ながらコア層のほうが早い時期に購入しますので、ハードが売れれば売れるほど、ライト層へのアピールが必要になってくる。となると性能ではなく価格が重要。昨年12月に世界5,000万台突破しているPS4。販売台数的には$249.99で売る域に入ってくるかと思う。
ライト層には「一番売れている」というのも大きな強みなので、2017年につまずくのはもったいない。つまずいた後の値下げではなく、つまずく前に手を打つ意味は大きいかと思う。
キャンペーンで値下げしている
北米ではUncharted 4のバンドルで$249.99だったり、イタリアではSwitchの牽制なのか1日だけ199ユーロのキャンペーンがあったり、価格改定ではない安売りはやっている。となると、いつまでも通常本体が$299.99のままでもいられないかと思う。キャンペーン後は鈍化するでしょうしね。
本来なら価格改定は2年に1度くらいにしたいと思うところ。2015年10月、2016年9月と価格改定して、さらに2017年9or10月という3年連続は避けたいところでしょう。定石であれば2017年の価格改定はない。
しかし、ライバル2社が新ハードを投入するという特殊な年であり、北米におけるPS4の販売ペースが鈍化している点も見過ごせない。1年ガマンして待つのか、早めの勝負に出るのか……。
個人的には2017年の価格改定はなしで、欧米ではバンドルで$249.99とか、単体でそれ以下とかのキャンペーンをやってしのぐんじゃないかと思っています。価格改定は重要ですが、安易にできることでもない。ロンチから無茶していたPS3とは違い、PS4は堅実な戦略だという印象。2017年はドタバタせず、ハード関連のネタは2018年8月以降に備えているかと思う。
日本はソフト付きで24,980円とか1日だけ19,980円とかいう派手なキャンペーンはないですね。『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』級にハードを牽引するようなソフトは稀ですので、ここでどれほどのプロモーションを行えるかどうか。
シェア的には独走状態のPS4だけど今年は今のところハード面で大きなネタはなし、追うXboxOneはProject Scorpioを投入。合わせて通常モデルのキャンペーンや価格改定もあるのかどうか。任天堂はSwitchを投入して最初の年末商戦。例年以上に力が入るのではないでしょうか。天王山とも言える注目の年になりそうです。
【PS4】GUNDAM VERSUS【予約特典】ガンダムゲーム30周年記念機体「ホットスクランブルガンダム」がプレイアブル機体として使用可能になるプロダクトコード
- 出版社/メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
- 発売日: 2017/07/06
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (1件) を見る