北米Storeでプリオーダー版が解禁となった『Mass Effect: Andromeda』。日本版のリリース予定がないこともあり、北米版のシングルプレイモードをプレイしてみました。
らしくない評価
日本でのリリース予定がないことが話題になりましたが、メタスコアが過去作に比べて低いことも注目されています。
MASS EFFECT(PS3) – 85点(6件)
Mass Effect 2(PS3) – 94点(62件)
Mass Effect 3(PS3) – 93点(30件)
Mass Effect: Andromeda(PS4) – 75点(36件)
メタスコアにおいて75点以上は「Positive」という基準ですので、ギリギリ良ゲーの範囲ということで悪い評価ではありません。過去作の評価が高いので、その新作が20点近いマイナスというところが衝撃的。
減点要素
実際にプレイしてみるとMass Effectらしい面白さがあって、大きな問題も感じずに拍子抜けではあります。
評価が下がるポイントも納得できるところがあり、まずキャラクターの演技が旧世代というか、感覚的にはサンダーバード的な人形劇を見ているような不自然さがある。人形なら違和感も覚えませんが、リアル寄りのCGが不自然な演技をすると、いわゆる不気味の谷を感じさせる。『Horizon: Zero Dawn』の後ということもあり、二世代くらい古い印象を受けてしまう。個人的にはリアルなキャラクターの演技に期待していたわけではありませんので、このゲームではこんな感じだと受け入れられるレベル。
異星人は人間と違って違和感を覚えにくいので良いです。
バグの指摘が多いですが、私も1回ありました。クエスト進行のために操作しなければならないコンソールにアクセスできなくなった。データをロードしてやり直すと解決しました。バグの頻度に関しては長時間プレイしてみないとわからない。
もったいないところはスキャンを重視するミッション進行。方向キーの下を押すとスキャンモードになり、これでオブジェクトをスキャンしたり、配線を辿って進むようなミッションが目立つ。スキャンする→進む→コンソールを操作したりスキャン、という単調な作業が多い。この作業自体は簡単で、詰まるような要素ではなくストレスでもない。かといって面白い作業でもなく「毒にも薬にもならない」という存在。この作業があることで、単調で低質なパズルをやらされている印象も受け、ミッションの作り方として低評価になってしまうのも仕方ない。このシステムは無しにして、戦闘重視で進めていけるようなゲームのほうが良かったんじゃないかと思う。
海外レビューでは脚本の悪さも指摘が多いです。逆に脚本を褒めているレビューもチラホラありますので、好み次第という感じでもあるのかなと思う。
脚本の中に含まれる部分もありますが、会話システムでの重要な意思決定も少ないという指摘もありました。意思決定の面白さもマスエフェクトの大きな魅力ですので、そこの期待には応えきれていないのかな。
Choke Point | 『Mass Effect: Andromeda』海外レビュー
スタイリッシュになった戦闘
戦闘は〇ボタンでブーストダッシュみたいなことができるし、ジャンプしながらL2を押すと空中でスロー銃撃モードになったりして、アクションがスタイリッシュになった。最初は戸惑いましたが、慣れてくると動かしていて楽しい。
カバーアクションはオートカバーです。個人的にはボタンを押すと貼り付くカバーのほうが好きなのですが、操作性は良かったです。操作性が良いというのは直近のゴーストリコン ワイルドランズに比べて、というところ。最初はオートカバーが気に入らなかったのですが、慣れてくるとブーストダッシュと相性が良いなと気付き、操作性も不満ではないし、気に入っています。過去シリーズではスタイリッシュに動こうという気持ちは持っていなかったと思いますが、今作はスタイリッシュに動いてみたいと思える。
味方NPCとのパーティープレイで共闘感もありますが、味方NPCの行動はおかしいところがあってAIはさほど優れていないのかと思う。エンジョイ勢として自由にやってもらうという気持ちで、細かいことは気にしていません。
過去作の存在が大きい
『ウィッチャー3』『アンチャーテッド4』『ホライゾン』など、素直に「このゲームすげーーーっ!」っとなるゲームが続々生まれている中で、これらと同格であろう『マスエフェクト』シリーズの最新作としては、そこまでのインパクトはない。
シリーズ物としては仕方ないですが、過去作と比べられて大きく評価を下げられてしまう。会話システムでの減点もそうですが、マスエフェクト基準だからこそ悪い点として扱われてしまう。会話システムや重要な意思決定が多くないゲームは巨万とありますが、それらのゲームがマスエフェクト基準で減点されるわけではないですからね。
過去作と比べないというのは難しいですが、これ単体で見ると十分に面白さを感じられています。こういう時に「普通に楽しい」って言うのですかね。普通基準で見れば楽しいけど、マスエフェクト基準で見ると過去作に比べて物足りなさがあったりインパクトに欠けてしまう。特に今回はPS4/XboxOne/PCでの新シリーズ展開となりましたので、これまで以上に凄いマスエフェクトが期待されていたかと思います。
北米版をプレイしてみましたが、仮に日本版が出たら買いたいと思えます。過去作に比べて大幅に評価が落ちているのでプレイすれば日本版の諦めがつくかとも思いましたが、未知の惑星を探索するのは楽しいし、異星人との触れ合いや戦いも刺激的。重要な意思決定は多くないのかもしれないけど、会話で細かく選択肢が出て自分が参加できるのも良い。こういった1つ1つがエキサイティングなことなのですが、シリーズ4作目となると「これが当たり前」という感じにもなって、改めてその楽しさが評価されないかもしれなくても、やっぱり良いです。
マスエフェクトらしい面白さはあり、ますます日本版が欲しくなってしまった。
Mass Effect Andromeda (輸入版:北米)
- 出版社/メーカー: Electronic Arts(World)
- 発売日: 2017/03/21
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