『テイルズ オブ ベルセリア』をクリアしました。
私はゼスティリアは未プレイなので、久しぶりの『テイルズ オブ』となりましたが、最初に「おおっ、テイルズだ」という懐かしい感覚を覚えて、最後まで「テイルズらしいテイルズ」という印象。シリーズとして大きな変化は感じません。良くも悪くもテイルズらしい、JRPGらしいスタイル。
毎年やったら飽きるでしょうけど、最後にやった『テイルズ オブ エクシリア』は5年前の作品ですので、懐かしさと1周回った新鮮さがあって良かったです。
SG(ソウルゲージ)という行動ポイントを管理する戦闘は面白かった。単純なボタン連打ゲーにはなっていませんね。ブレイクソウルが強力なので、SGを溜めてブレイクソウルで一気に削る事が多かったです。派手さのある戦闘に、ほど良い戦略性で軽く味付けされているという具合。
難易度は低めで、ノーマルの2つ上のハードが通常でもいいような難易度と感じました。ノーマルより下の難易度もあります。難易度は途中で変更可能。ハードより上の難易度はゲーム途中でアンロック可能。クリアまでにハードより上に2つの難易度が追加されました。
終盤でも1戦闘が長くなり過ぎないのが良かった。SGの管理さえ間違えなければ早く決着がつきます。敵のHPを長時間ダラダラ削るような戦闘にはなっていない。今年プレイした和ゲーで、そういう削り作業が気になるゲームが数本ありましたので、ベルセリアのスピードは有難く感じた。
戦闘時間だけでなく、敵の配置数もバランスが良いと思いました。このあたりの調整は、さすが長寿シリーズだなと思います。
エフェクトが派手だったり、ヒットストップで手応えがあったり無双系の爽快感がある反面、ゴチャゴチャして見難いところもあります。
ステップでSGをがっつり消費するのが少し使いにくかった。攻撃範囲が広い攻撃が多いので、タイミングよく
1回ステップしても攻撃範囲に引っかかってしまう。もう少し気軽にステップが使えたら気持ち良く戦えそうだと思いました。さらに簡単になっちゃいますけどね。
フィールドマップがそのまま戦闘マップとしても使われていますが、エンカウント演出があるので繋ぎ目は感じます。マップデザインも戦闘マップとして意識されて作られた感があり、狭い通路と広い部屋の構成がワンパターンに感じるところもありました。
装備品にはマスタースキルというスキルが設定されており、その装備を使い続ける事で熟練度が上がってマスタースキルを習得できる。マスタースキルを習得した後は、装備を外してもマスタースキルはキャラクターの能力として残る。
武器Aを装備→戦い続けてマスタースキル習得→武器Bを装備→戦い続けて2つめのマスタースキル習得……
という具合に、マスタースキルを習得する度にどんどん装備を変更していく。
良い面は、自分が習得したいマスタースキルを持つ装備を自分で選んでスキル習得できること。いろんな装備品を集める面白さがあること。
悪い面は、全員の装備品を定期的に変更しないとマスタースキルを習得していけないので面倒ではある。装備品がマスタースキルを習得するためのアイテムになってしまい、好きな装備を使い続けるとマスタースキルの習得がストップしてしまうことも難点。強化システムとも相性が悪く、装備を強化したところで、すぐに次の装備に変更してマスタースキルを習得したいから強化する意味が薄れる。
こういう装備とスキルの管理が大好物なら、とてもナイスなシステム。あまり好きじゃないなら、面倒になるかと思う。難しくはない。
シナリオは面白くて、次の展開が気になってゲームプレイのモチベーションになりました。驚かせ方や泣かせ方も良くて、3回ほど泣けるシーンがありました。
個人的にはとても楽しめたシナリオですが、クセのあるシナリオなので苦手な人は苦手かと思いました。
一番の理由は主人公が利己主義。平和や理想のための犠牲や痛みではなく、個人的な理由で行動しています。ここに共感や納得できる理由を求めると、嫌悪感が残ると思う。開き直りで押し通しているようなところもあり、強引さは感じました。
序盤や中盤は、まだ良いのですが、中盤から終盤に入ってくると利己主義の悪い部分が目立ってくる。リアルに考えてしまうと身勝手な大量殺人犯みたいなもので、共感するのは難しい。でも衝撃的な展開があったりして、主人公に共感せずとも客観的に見て面白い。
印象的なシーンはいくつかあり、それ自体は心に残るものです。でもそこまでの過程を考えてしまうと共感も納得もできなくなる。ストーリーの作り方として「こういうシーンを描きたい」というイメージが先にあって、それに向けて強引にストーリーを作った感じもある。ゆえに点は良いが線が少し雑という印象。もう少し主人公の無責任なところをフォローできていれば良かったと思います。
結末も好みが分かれやすいかと思う。『テイルズ オブ ゼスティリア』との繋がりが足を引っ張っているとも感じました。消化不良感や物足りなさが残り、クリア後に心にぽっかり穴が空くほどのものはないです。でもベルセリアをクリアしたことで、ゼスティリアにも興味が出てきました。
仲間たちは好印象で、チャットも面白い。仲間関係はギスギスしたところはあまりなくて良い雰囲気です。
スクリーンショット撮影やブロードキャスト配信といったSHARE機能は、ほぼ不可です。
極一部のストーリーに関係しない場所でのみ解禁されますが、全体の5%の満たない程度かと思いますので、SHARE好きの人はガッカリするかと思います。
戦闘のエンカウントもエリア移動もロード待ち無しでスムーズです。大陸間のファストトラベルですら瞬時なのは驚きました。
ロードだけなでなくアニメムービー以外はセリフを手動で送れるので、ムービー待ちしてしまう事もあまりない。仲間チャットも多いですが、自分のペースでテンポ良く読めます。2周目も快適にプレイできそうです。
PS4のタイトルとして見るとグラフィックは物足りないです。旧世代のグラフィックという印象。
アニメ絵のゲームで、キャラクターは悪くないですが背景が粗い。アニメ絵のキャラクターと今一つフィットしていないとも感じました。逆に背景さえ良くなれば、見違えるほど変わるかと思いました。次回作が出るなら、テイルズに合った背景の描き方を研究してパワーアップしてほしいです。
クリアするだけで40時間前後かと思います。ボリュームは十分です。
テイルズお馴染みのGRADEシステムがあるので、2周目もやりたくなります。今作はテンポが良いので尚更。
『テイルズ オブ』シリーズとして、システム面は長い経験に裏打ちされたものを感じ、かなり遊びやすいと思いました。そしてJRPGの楽しさを思い出させてくれました。オープンワールドや自由度の高いゲームが多くなった事で、逆にそれを信仰する気持ちもなくなり、背伸びせずにJRPGの良さが見えたところもある。
ゲームバランスが良くて、なによりテンポの良さが素晴らしい。雑魚戦の戦闘時間は短めで、戦闘やエリアチェンジでロード待ちがないのは本当に嬉しい。ファストトラベルも便利。クラシックなJRPGのスタイルですが、現代的なスピード感は感じました。
評価が分かれるところはシナリオかと思います。利己主義な主人公をどう見るか、結末は好みかどうか。今後、全クリアした人のレビューも増えてくると思いますが、シナリオが気に入らなくて減点する人も多くなってくると予想できます。個人的にはシナリオを含めて楽しかった。
レビューの大勢としては、ゲームシステムは良い出来、シナリオは好き嫌いが分かれやすいって感じかと思います。『テイルズ オブ』シリーズはシナリオを期待しているユーザーも多いでしょうから、期待に応えられないとがっつり減点される可能性もあります。メタスコアであれば、シナリオが不満でもゲームシステムの部分がしっかり評価されて70~80点になるでしょうけど、ユーザーレビューであればシナリオの不満だけで★1や★2にもなれる。シナリオは中盤から終盤にかけて問題を感じやすいでしょうし、クリアレビューが増えてくると評価も変化してくると思う。
アマゾンレビューはネタバレされているので、クリア前に見ない方が良いです。
久しぶりの『テイルズ オブ』シリーズでしたが面白かったです。今後もスタイルを変えずにリリースしてほしいなと思いました。遊ぶか迷った『テイルズ オブ ベルセリア』でしたが、遊んで楽しめました。次回作もリリースされるなら購入したいと思えます。
前作の炎上騒動があり、多くのヘイトを買っている状態だったのに、この高評価は見事です。セールス的にはシリーズ物は前作の影響を大きく受けるので初週は少し厳しいかと思う。でもこれだけの高評価なら少しずつ認められて伸びる可能性も十分ある。
コメント
ゼスティリアもやってベルセリアは迷いましたがアニメでゼスティリアやってるんで気になってベルセリアやってます。今のところ特に不満ないです。チャットがいろいろと動くようなってびっくりしてるくらいです。読み込みもPS3版でも待つことなくサクサク進んでるのでストレスないです。戦闘は前回カメラワークひどかったけど今回はエクシリア2までの感じに戻り、ボタン配置が今までと違うけどすぐ慣れました
2週目もちゃっかりやっててかわいい奴だな
>>19
今グレード7000溜めて2週目なんですが、この質問には答えられると思います。
>意味不明かつ破たんしてるシナリオ、
これは、ほとんど回収されていると思います。
というか既に書いたんですが、「それがメイン」です。はっきりいってこの破綻を辻褄合わせするためのシナリオと言っていいです。豪魔化、ドラゴン化と、天族の存在、その理由あたりははっきり書かれてます。まあ隠しダンジョンの最後の最後なんですが。穢れについては発生理由は明言されていません。X2のときみたいに、「そういうもの」として割り切ってねという話です。しかし、それがどのように影響するかは少し詳しく書かれています。
>システムは武器強化が→今回はリバースに近い分解から強化です。若干わかりにくいですが、とにかく強化すれば強くなります。>戦闘はカムイ状態じゃないとろくに戦えないし、→一応主人公が圧倒的に使いやすいですが、基本的に全キャラ単体でもそこそこ使えます。>敵の魔法が異様に強いし、→今回の大改革点で、これについては個人的に全く不満解消されてました。ほぼ反則技なので今後は実装されないでしょうが、私は面白いと思いました。>シームレスが→カメラはかなり改善されてます。ただ、引いた横視点からは見れない仕様なのでいつの間にか敵に背後を取られやすいです。>シンボルエンカウントなのに→レベルを上げてホーリィボトルを使えば解消されます。また、配置的に避けられないシンボルはあまりないです。>瞬間移動は→これは健在です。最後の最後までほぼ自由移動はできません。が、戦闘時以外はL2ワンタッチですぐ移動リストが表示されるのでスムーズさは有り。味方AIは強さ次第ではありますが、術師は結構慎重に行動、すぐ戦闘不能にはならないです。(というか敵にそういう攻撃があまりない)
こんな感じですかね。