本日、PlayStation Storeでリリースされた『The Banner Saga (バナーサーガ)』(1,999円)。トリロジー(3部作)の1作目。北米Storeでは、2016年1月12日に『The Banner Saga』、2016年6月5日に『The Banner Saga 2』がリリース済です。
リニアなゲーム進行で、基本的には移動先を選べたりはしません。小説&選択肢のゲームブックを読み進めるような進行で、それに戦闘パートが組み込まれている。自由なレベル上げもできないので、それが歯応えのある難易度に繋がっている。
リニアと言っても選択肢によって展開が少し変化するようで、物語の大筋は変化しないが、仲間の生死が変わったり、戦闘が発生したりしなかったり、戦闘での相手が変わったりするという違いが生まれるようです。
目的地までの移動パートもゲームになっている。「物資」と「気力」の管理が必要になります。気力が「低い」になったら△→○(キャンプ)でキャンプメニューからRESTを選択すると回復する。しかし、日数が1日経過するので「物資」を消費する。「物資」は村などにあるMARKETで「名声」を消費して購入可能。イベントでも選択によっては入手できる。
移動パート中にイベントが発生し、選択を迫られる。自分で状況判断をして、その結果を受け入れるというところが面白い。取ってつけたような選択肢ではなく、ちゃんと読ませるショートエピソードになっており、悩んでしまう選択も多い。下記画面のようにテキストだけで語られるので、小説を読んで楽しめる人じゃないと退屈かもしれない。
ターンベースのシミュレーションゲームですが、行動は敵味方1人ずつ交互に動かします。人数差があっても敵と味方で1人ずつ交互に行動するシステム。敵が残り1人になった場合のみ「集中攻撃モード」になって、交互に行動ではなくなります。
味方の行動順はパーティーの並び順で決まる。素早さのステータスは存在しません。壁役の戦士を左側に置いて先に行動させると良いでしょう。
特徴的なのは力(体力)と防御という2つの数値。
力は攻撃力と体力の両方を意味しており、与えるダメージでもあるし、体力(HP)でもある。体力(HP)が減少すると攻撃力も下がるのはリアルです。これが難しいところでもあり、力の強いエースユニットを前進させて敵を叩くと、今度はそのユニットが攻撃されて攻撃力を失う。体力だけを失うのとは全然違います。
防御は防御力なわけですが、攻撃によって削られます。攻撃時に「力」か「防御」のどちらに攻撃するか選択できますが、堅い敵は先に防御を削って防御力を下げてから力(体力)を攻撃して大ダメージを狙う。こちらが攻撃する時に相手の「力(体力)」を狙うか「防御」を狙うか、ここにも戦略性がある。
意志力はMPに近い物です。スキルの使用、通常より長距離を移動する時、攻撃の追加ダメージに使用します。
胆力は特定の行動で使用できる意志力の数量。例えば、胆力が1なら攻撃の追加ダメージに使える意志力は1なので、追加ダメージは1しか与えられない。胆力が3なら攻撃の追加ダメージに使える意志力は3なので、追加ダメージを3与えることができる。
意志力はパーティー共通で使用できる分が画面上部に表示されているので、戦況に応じて重要なキャラクターに割り振ることで、効率よく戦える。意志力の使い方にも戦略性があります。
戦闘中にユニットの力(体力)が0になると戦闘不能になります。死亡ではありませんのでユニットが消滅することはありません。しかし「負傷」状態になり、ステータスが一時低下します。日数経過によって回復。
バトルメンバーは最大6人ですので、負傷したメンバーを控えと交代させてやりくりするのも手。
低価格タイトルらしい工夫でもあり、物語の多くがテキストで語られるので壮大さはあります。これをビジュアルありで1つ1つ作っていたら、莫大な予算が必要になりそう。
ノーマル難易度でプレイしていますが、最初は簡単だった戦闘に歯応えがでてきました。ギリギリで勝つこともあり、難易度調整は今のところ「ほど良い歯応え」で良い感じ。IGNのレビューで「難易度の急上昇」が悪い点として挙げられていたので後半は難しいのかもしれない。難易度はノーマルの下にイージーがあります。難易度を下げてもゲーム内でのデメリットはないとのこと。ノーマルorハードのクリアトロフィーは獲れなくなりますけどね。
難点としては、操作方法が少し馴染みにくいので慣れるまでは大変かもしれない。キャラクターが密集すると画面表示が見難いところもあります。キャンプで編成画面を開くだけでも少々のロードがあるのも良くない。移動パートで発生する戦闘が、水増し的に同じような内容があるところも気になりました。
既に海外で評価されている通り、非常に骨太なSLGという印象でした。歯応えのあるタクティカルSLGが本当に好きな人向け。
コメント
レビューありがとうございます。気になっていたので助かりました。