2019年3月22日にリリースされた『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の感想。ラスボスまでプレイしました。
基本操作
- 〇 – ステップ、ダッシュ(長押し)
- × – ジャンプ
- △ – 義手忍具切替
- □ – インタラクト、壁張り付き、吸引(長押し)
- L1 – 弾き、ガード(長押し)
- L2 – 鈎縄
- L3 – しゃがみ
- R1 – 攻撃、突き(長押し)
- R2 – 義手忍具使用
- R3 – カメラリセット、ターゲット固定
- L1+R1 – 流派技
- 上 – アイテム使用
- 左右 – アイテム切替
- 下 – 盗み聞き
- OPTIONS – メニュー
ボタン設定は自由に割り当て可能です。
システムソフトウェア6.50で実装された「×ボタンで決定する」にも対応しており、システムの設定に合わせて〇決定か×決定か切り替わります。
敵は危険攻撃というものを使用してくる。戦闘中に「危」と表示されたら敵の危険攻撃。突き攻撃に合わせてL1で弾き、下段攻撃に合わせて×でジャンプ、掴み攻撃に合わせて〇でステップ。
ジャンケン方式というわけではなく、場合によっては〇で突きも下段攻撃も掴みも避けられたりする。スキルの「見切り」を覚えると、突き攻撃は〇で見切り発動。
特徴の1つとして体幹ダメージがあります。体力と違って、敵の攻撃を「弾く」「見切る」でも体幹ダメージを与える事が可能。攻撃ボタンを連打するだけでなく、回避行動そのものが敵への体幹ダメージとなる。回避行動でダメージを与えるというのが非常に面白い感覚。
画面上に表示されている体幹ダメージがMAXになると忍殺と呼ばれる必殺技で敵の体力ゲージを0にできる。大ボスの体力ゲージは基本的に2本あり、体幹ダメージMAX→忍殺→体幹ダメージMAX→忍殺で倒すパターンが多い。
体幹ダメージは一定時間で回復する。つまり、アクションゲームでお馴染みのヒット&アウェイは通用しにくい。回避だけを狙って待ちも通用しない。攻撃と回避のバランスが非常に良くて、一瞬も休む間もない剣戟(けんげき)となる。ボスによってはチマチマ攻撃して体力を削った方が楽な場合もあり、戦い方はいろいろ。個人的にはピュアな剣戟のボスが好きです。
かつてない高難易度だけど最高の剣戟
高難易度ゲームだとわかっていてプレイしても、思った以上に高難易度で心が折れそうになった。アップデートで調整が入らなければクリアトロフィーも最終的に1%未満になるんじゃないかっていうくらいの難易度。ソウルシリーズよりも高難易度です。その理由は、
- オンライン協力がない
- キャラクター強化の制限が厳しい
攻撃力/体力/体幹を上げるには、ボスを倒す必要があります。ボスが倒せないから強化したいのにボスを倒さないと強化できないジレンマ。終盤には攻撃力を上げる方法がアンロックできますけどね。
スキル習得による強化は可能。しかし、ボスにゴリ押しできるほど強くなるわけではないです。どのボスも何度か殺されてギリギリ倒すことになるでしょうから、スキルで少しでも有利にしておくことは大事。 - ヒット&アウェイが通用しにくい
待っていると体幹ゲージを回復されてしまうのでヒット&アウェイは通用しにくい。体幹ゲージは諦めて体力ゲージだけをチマチマ減らすという選択はできる。 - 回避が3種類ある
敵のモーションを見て回避ボタンを押せば良いアクションゲームとは違い、一瞬で敵のモーションを見極めて、ジャンプ、見切り、弾きのどれかを選択する必要がある。反応速度が求められるので攻略法を知っていても難しいと思う。
ガードもガードボタン押しっぱなしでは通用しにくく、タイミング良く弾きをする必要がある。特に強ボスは高確率で弾けないと通用しない。
3人目の大ボスがターニングポイント
最初は「フロム・ソフトウェアのゲームっぽい」という範囲でしたが、トロフィー的に3人目の大ボスになったところで一気に3段階くらい難易度が上がった印象。それと同時に、このゲームの剣戟の面白さがMAXになった。ここが一皮剥けるポイントでもある。私は3人目の大ボスに何度も挑戦して心が折れそうになりました。いくら高難易度が売りでも、さすがにこの難易度はやりすぎたろうと。敵の通常攻撃をほぼ全て弾き、危険攻撃に対して瞬時に見切り(〇)かジャンプ(×)かの選択を迫られる。「こんなの無理だよ」と絶望しか感じない中、少しずつ弾きや回避行動が上達していった。この上達を感じる喜びはアクションゲームの大きな魅力。そしてついにはノーダメージで忍殺を決める。
最高でしたね。このゲームの素晴らしさを感じまくった。一瞬も気が抜けない緊張感の中、脳汁がドバドバ出るような高揚感と爽快感。この域まで持ってこられるアクションゲームは希有。しかも「簡単操作で誰でも」ではなく、ちゃんと自分が全部考えて瞬時に判断して操作した手応えがあるし、マグレ勝ちできないから達成感も突き抜けてる。これを知っちゃうと、この先にめちゃくちゃ強いボスがゴロゴロいて死にまくるのがわかっていてもやめられない。ドラッグのように病みつきになる。
最初は理不尽に感じるほどでしたが、なんだかんだできるようになる。このあたりはフロム・ソフトウェアへの信頼もあり、難しいけど道はあるだろうという気持ちで臨める。上達を感じる楽しさがあり、剣戟のゲームとしては一番と言える魅力があります。
ここを抜けて自分の腕前に酔いかけていたところでトロフィー的に7人目の大ボスで心が折れかけた。けど自分自身のコンディションを整えてなんとか打開。そしてラスボスまで到達し、また心が折れそう。SEKIROのラスボスはゲーム史上でも有数の強敵だと思う。
主人公の防御力は低くて、すぐ死にます。ボス級だと2発で死亡とか普通。後半はボスの攻撃を8割以上は「弾き」「見切り」ができなきゃ勝てない。ライトユーザー置いてけぼりのような難易度どころか、アクションゲームに慣れた人でも厳しい。
上記でターニングポイントと書いた3人目のトロフィー獲得率は6.1%。2人目が15.8%なのでガクッと下がっています。そして7人目は0.7%。
まだまだ試す余地がある忍具
義手に仕込まれた忍具も特徴ですが、使わなければ使わないでもゲームを進められる。最初はあまり意味がないように感じましたが、敵によってはかなり効果的に機能します。苦戦していた怨霊があっさり倒せるようになったり、強化した手裏剣でボスを遠距離から削って体力を半分にできたりしました。
発売直後で攻略も手探り状態ですが、忍具を使うことで難易度が大きく下がるようなポイントもありそうです(既にありますが)。
カメラは少し問題あり
カメラには少し問題を感じ、エリアの隅で見難くなったり、動き回る敵を捉えにくかったりロックオンの外れ方がしっくりしなかったりした。ロックオンは手動でカバーできるけど、エリアの隅で見難くなるのはそろそろ旧世代のアクションゲームっぽく感じる。アップデートで調整が入ってほしいポイント。カメラが良くなれば難易度調整にもなると思う。アクションは説得力があり、失敗した時は自分のミスだと思えるので納得できますが、カメラの悪さで死んだ時は不満が残る。
探索の重要性と戦略性
高難易度の剣戟がゲームの軸にあり、それがあるから探索も重要で楽しい。チュートリアルを終えてからは1本道ではなく、中ボスも大ボスも自分が手探りで見つけて、戦う順番も自分次第。どのボスにも基本的に瞬殺されてしまうし「このボスは中盤か後半に戦うやつなのかな?」と思ってしまう中、パズルを組むように戦う順番を自分で考えるのが楽しい。ボスを倒さなきゃ攻撃力/体力/体幹が強化されないので、自分で探索して勝負する相手を見つけるのが重要かつ面白いです。
スキル書やお店や忍具や素材を探すことも強化に繋がるから、見逃しがないように隅々まで見る意識も強くなる。通常の難易度のゲームであればスルーしても痛くないでしょうけど、このゲームは何度もボスに挑戦してギリギリで勝てるようなゲームなので、少しでも強化に関わる要素は重要。探索に大きな意味を持たせてくれる。
1本道ではない自由度があるので、戦う相手選びと強化に関連するアイテムの入手をちゃんと考えながらやらないと、さらに高難易度に感じてしまうでしょう。敵の強さも剣を合わせて自分で確かめる事になるので、最近の親切なゲームと比べると手探り感が強い。
ほど良く機能しているステルス
ステルスプレイの要素もあります。剣戟がメインであり完全なステルスプレイは無理ですが、効果的に機能しています。これも高難易度が生きていて、多人数を相手にする場合は1人でも多くステルスで倒せるとグッと楽になる。たった1人のキルでもかなりの効果を感じる。
中ボスへのステルスアタックは特に重要で、体力ゲージが2本ある中の最初の1本はステルスアタックで潰すのが基本。中ボスと多数の雑魚敵が陣取っているフィールドで、いかにして中ボスにステルスアタックを決めるかという戦略性も楽しい。
ただ、何度も中ボスに殺される事を考えると、リプレイの面倒くささを感じるのは否めない。多数の雑魚敵の対処からやり直しになります。
ラスボス撃破を目指して
ソウルシリーズとは違うフロム・ソフトウェアの死にゲー。『ニンジャガイデン』や『メタルギア ライジング リベンジェンス』を思い起こすところがありました。
2回ほど心が折れそうになったけど打開、そして今はラスボスで心が折れそう。ラスボスクリアのトロフィー獲得率は0.1%ですからね。ちなみに攻め力を上げてもラスボスに与えるダメージにはほとんど違いが出ませんでした。攻め力14と18で比較しても1回の攻撃で1ドット差があるかな?という程度。プレイヤースキルの勝負になりそうです。
【追記】クリアしました。
でもめちゃくちゃ熱くなったアクションゲームでした。剣戟のゲームとして極まった感もあり、メタスコア90点(17件)も納得。難しすぎるけど上達を感じる喜びがあり、打開できた時の達成感は格別。しかし、トロフィー獲得率を見ると3人目の大ボスを倒せない人が多いので、かなりの覚悟を持っていないと購入はオススメできない。