ハマりっぱなしだった『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』をようやくクリアしました。
発売してからゲームプレイの9割以上はサガ。まさかこんなにハマるとは思わなかった。最初の感想でも書いたように、プレイ開始時は印象が悪かったですからね。UIがあまり良くなくてPS4への最適化に不満だったり、わからない事が多くて、よくわからないままに死んでLPが削られたり。「楽しい!」と思えるまで時間がかかるゲームでした。
『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』最初の感想 – PS4ちゃんねる Pro
ラスボスまで到達するのは簡単でしたが、ラスボスが強かったので各地のイベントを進めつつキャラクターの強化をしていくうちに、どっぷりハマっていきました。
自分の物語
淡々としている印象だったテキストでの会話イベントも、次第にキャラクターの存在感が出てきて生き生きとしてきた。似たようなパターンのおつかいも多いのですが、選択肢があるので自分が参加しているという意識が持てます。
エンディングでは『戦場のヴァルキュリア』みたいにキャラクターの後日談がテキストで語られますが、それぞれ感慨深さがありました。活躍したキャラクターの後日談だけが語られますので、それも本当にフリーシナリオらしい自分だけの物語だと思った。自分だけのエンディング。
FF10のティーダ、ワッカ、ルールー、ユウナ、アーロンみたいに、自分の『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』では、レオナルド、エリザベート、ホンスワン、フランシス、グゥイネヴィアという思い出深いキャラクターたち。そしてチアーゴ・リズボアやグリフィンが脇を固める。
最初は、仲間キャラクターが多いと言っても凡庸キャラクターの集まりみたいで大差がないとも思っていた。個別イベントのようなスポットが当たったり、ドラマ性が強いわけでもない。でもどっぷりハマってプレイを続けているうちに、メインパーティ、サブ、その他に役が分かれていくのが面白かった。レオナルド、エリザベート以外はイベントでの差がほとんどないため、自分の好きなキャラクターを自由に選べた印象。『ドラゴンクエスト3』みたいなものですかね。
淡泊だと思っていたストーリー進行、凡庸キャラクターの集まりだと思っていたキャラクターたち。クリアした今では大きく印象が変わっている。描かれていない部分を想像で補完するというより、子供時代のオモチャ遊びのように、自由にストーリーやキャラクターを作って遊んでいるような感じでもある。
バトル
それでも一番の魅力はバトル。バトル自体の戦略性と、難しいからこそ育成面にも頭を使う必要がある面白さ。
戦闘毎に有利になる属性(五行)のキャラクターを選んだり、死ぬとLPが削られるので、控えメンバーとの交代も必要。カードゲームのデッキを組むような面白さと、チームスポーツのスタメン決めのような面白さがある。私はほぼターンオーバー制で10人のキャラクターを育成していました。
慣れてきても何度も何度も全滅しました。初見殺しみたいなボスもいて精神が削られましたが、それでも再挑戦したくなる魅力があった。強化しなきゃ勝てないゲームってわけではなく、戦略がハマれば勝てるゲーム。キャラクターの能力差で負けたというより、自分の戦略ミスで負けたと思う事が多いので、自分のミスは補いたくなる心理もある。
SaGaと言えば「ひらめき」が特徴ですが、私はあまり意識していなかった。何を「ひらめき」したいかもわかっていなかったですしね。意識したのは「ひらめき」よりも技の「ランクアップ」。適当にひらめいた技の中から、自分の戦略の軸となる技を多少強引にでも使用してランクアップさせて、技の使用コストやターン数を減らしてさらに使いやすくする。
技・術の種類が多いので、新たに使いやすい技・術をひらめくと育成方針も変わっていったり、戦略が簡単には固まらないのが奥深い。
印象的なゲームになりました
リアルなグラフィックや映画のような演出のAAA級ゲームを多くプレイしていますが、『ドラゴンクエスト3』のようなゲームも好き。そう思っていた。でも思っていただけで実感としてはなかったかもしれない。いろんなゲームをプレイするのはしていたけど、衝撃や感動を覚えるのはAAA級ゲームが多くて、実際には最新のAAA級ゲームの方に寄っていた。『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』は、いつの間にか忘れていた楽しみ方を思い起こさせてくれたようでもあります。この楽しみ方、ハマり方は懐かしい気がする。
独自性とかクセが強いゲームでしたが、ほぼこればっかりやっていたのでそういうのは感じなくなり、完全に馴染んだ。
最初は印象最悪だった2人が、最後には固い絆で結ばれる少年漫画みたいでした。「自分には合わなそう」と思っていたゲームにハマってクリアして、とても印象に残るゲームとなりました。SaGaシリーズの今後にも期待します。
コメント
>>よかったさん
裏切られて納得させられるという感覚はわかりやすいですね。私は大きな期待をしていたわけではありませんし、むしろ疑っていました。
実際に最初の印象は良くなかったですが、結局は納得させられてハマりました。
コレジャナイ状態の物が来てから納得させられるのは凄い。
記事中にもAAA級のゲームプレイがメインだと書いていますが、ユーザーの要望や流行に応える親切なゲームが増えましたからね。裏切って納得させるようなゲームを作れる開発者は特別な存在だと思います。
>>katさん
こちらこそコメントありがとうございます。
私はいろいろなジャンルをプレイするのが好きです。それぞれ新鮮味が出ますのでね。
今日もプロレスと探偵のゲームが出て、もうこのジャンルのゲームというだけで新鮮味があります。
AAA級ゲームで余韻に浸った後は、サクッとプレイできるゲームがやりたくなったりもします。
ラストレムナントはPS3が未発売な事がネタ化していましたが、PS4版は……出ないか。
はますけさんの幅広いゲームを楽しそうにプレイする姿にとても好印象です。
自分は年々プレイしないジャンルが増えていって、河津作品はラストレムナントで満足しきったのでその後手を出してません。
最近ではFIFA18など、セールのたびにこのレビューを思い出してつい衝動買いしてしまいます。
いつもありがとうございます。
サガスカでこれほど素晴らしいレビューはまあ希少ですね。嬉しいです。特に、メクラの古参やハブりハード勢のネガキャンがvita版発売前からうるさいのなんのとFF15と対を成す程でしたから。
ゲーム性としては大枠で大人向けボードゲームを基調としてるんですよね。最初のレビューでそれを喝破しているのには驚きました。で、そこにデジタルゲームでしか出来ない細かくて見えないパラメータ処理を裏で緻密に行っていて、そこが何度もやり直すような高難易度でも成り立つ戦略の幅や、キャラクターの深みを演出してくれている。私はこのゲーム、あえて選ぶならXCOMが近いんじゃないかと思ってます。
このゲーム、なまじサガというIPに魅了されていると、その良さがわからない部分が多分にあるんですよね。クリエイターインタビューもこれ発売の機会にいくつか公開されていますが、やり込んだあと見直すとなるほどなと思える部分が結構あり、実に深い作品だと思い知らされています。
これからの「サガ」にも、私も期待してます。毎回、「サガ」には、いつも裏切られて、納得させられるんです。そこが魅力でもありますね。