2021年7月15日にリリースされたPS5版『メトロ エクソダス』の概要。
PS4版を所有しているなら100円でアップグレードできます。
PS5版を新規購入する場合、通常版(DL版)は3,520円。2つの追加シナリオDLCを同梱したゴールドエディション(DL版)とコンプリートエディション(BD版)は4,840円。
DualSense
- 銃撃の2ステージ・トリガー(R2)と振動
- ティハール・火炎放射器の圧力注入(R2)の重み
- リロードの振動
- 手漕ぎボートのオール(L2/R2)の重み
- 車両のアクセル(R2)とブレーキ(L2)の重み
ハプティックフィードバック&アダプティブトリガーは銃撃での使用がメイン。2ステージ・トリガーによって、トリガーに指をかけてから引く感覚があり、銃撃に合わせた振動もある。銃撃の手応えがあり、ミュータントをAショットでブッ飛ばす気持ち良さがある。
3Dオーディオ
不気味な廃墟を探索するゲームでステルスの要素も濃いですから、3Dオーディオが効果的に機能しています。水の音やクリーチャーの足音など、立体的な音で描かれる世界。もともと大きな魅力であった探索の緊張感と臨場感が増した。
PS4版の時から日本語吹替に対応しており、プレイしながら字幕を読む必要がないので良いです。
ロード時間
チャプターセレクトでヴォルガ川を選択して「□長押し」が表示されるまで
- PS5版: 55.02秒
- PS4版: 1:01.18秒
チャプターセレクトからのデータロードの長さはPS5のゲームとして酷いです。ヴォルガ川で55秒、モスクワで35秒。まったく最適化されておらず、古いシステムのまま単にHDDとSSDの差で速くなった感もある。
PS4版はPS5の後方互換機能で測定しています。PS4+HDDだとセーブデータのロードに2分以上かかるロードの長さが大きな問題でした。それと比べると大幅に良くなっている。
ヴォルガ川の教会で死亡した時のクイックリトライから「□長押し」が表示されるまで
- PS5版: 8.2秒
- PS4版: 17.13秒
PS4版の感想で、
と書いていました。リトライでのロードの速さが重要。
8.2秒というのはPS5版ゲームとしては速くないですが、リトライ待ちのストレスにはなりくい速さです。この点はPS4版と比べて劇的に良くなった。
ダイナミック4K60fps
解析によると1080p~2160pのダイナミック4Kです。
解像度が上がっただけではなく、レイトレーシングに対応し、ライティングが強化されています。
PS5版のほうが光と影のメリハリがあり、コントラストが高い。
ゲーム的な見やすさは、場面によってPS5版のほうが見やすかったりPS4版のほうが見やすかったりする。光に広がりがあるエリアでは、PS5版が明るくて見やすい。暗い影のあるエリアでは、PS5版では影の暗さが表現されるのでゲーム的には見にくくなるところもある。
PS5のライティングの効果は静止画よりも実際に動かしたほうがわかりやすい。本物の光が当たっている感じで、世界のリアリティが増す。
光と影の表現の違いはわかりやすいものの、そこまで「めっちゃ良くなった」とも言えない。PS4版のグラフィックも良かったですからね。リアルなライティングが必ずしも良い画を作るわけでもなく、『JUDGE EYES:死神の遺言 Remastered』のPS4版との比較でも言われていましたが、場面によってはPS4版のほうが良く感じたりもする。
とは言え、グラフィックは良いです。PS4版でも良かったものが、PS5版のライティングで本物っぽさが増した。
視野角の設定も可能になりました。
視野を広くする事が出来て、視野の息苦しさが軽減される。
安定した60fpsが素晴らしい。解像度やグラフィック強化よりも、60fpsが有難いです。私はPS5ではモーションブラーをOFFにしています。
久しぶりに30fpsのPS4版をプレイすると、カメラを動かす時のカクカク感がツライ。
私はPS4版のファーストインプレッションで操作性の悪さを書いていました。具体的にはレティクルの反応の鈍さですね。60fpsになったことで反応の鈍さが軽減されて良い感じです。
サイズ
- PS5: 69.30GB
- PS4: 63.36GB
エキスパンションパスも安い
2つの追加シナリオ『2人の大佐』と『サムの物語』を収録したPS5版のエキスパンションパスが1,540円で販売されています。追加シナリオを単品で買うと880円。
PS4版だとエキスパンションパスが3,960円で、追加シナリオ単品が2,200円です。
PS5版が非常にお得。私はDLCは未プレイでしたので『ディレクターズカット』気分でPS5版のDLCをプレイしたい。
TwitterでDLCのエラー報告をチラホラ見ましたが、私はPS5版のエキスパンションパスを購入して、問題なく起動できました。問題が改善した後だったのか、問題があるのはPS4版からのアップグレードだけなのかはわかりませんが。
バグの改善
これはPS5版だからというわけではなく、PS4版のアップデートがあってこそですが、ロンチ時にあった大きな問題のあるバグが改善されています。
発売直後の感想記事で、
と書いており、進行不能バグでオートセーブされて詰む事が怒りの低評価に繋がっていたのがわかります。
とも書いており、まさにPS5版がそういう状態かもしれない。
良好なPS5版
まずリトライ時のロードが速くなったのが非常に嬉しい。PS4版の感想で最も大きな問題としていた部分なので、PS5の高速SSDの恩恵を受けまくっていますね。
セーブデータのロードは旧世代ゲームと比べても遅く感じる。
PS5版としての最適化はイマイチながら、リトライ時のロードはストレスにならない範囲で、セーブデータのロードは超遅いけど頻繁じゃないからまぁいいかという具合。
銃撃が非常に良くなった。これは触感+60fpsのおかげ。
60fpsの効果で入力遅延が減っており、PS4版で気になっていたレティクルの微妙な鈍さが改善されました。個人的にはFPSにおいて強い不満になる部分なので、これは大きな改善。
そしてPS5では定番の2ステージ・トリガーと銃撃時の振動。トリガーに指をかけてからグッとトリガーを引く感覚は本物の銃っぽい(撃ったことないけど)。そして銃撃の音とシンクロしている振動。
銃撃時の手応え、迫力、操作性が増して、FPSとしての魅力が大幅に増した。
ただ、銃撃以外の触感には物足りなさも感じる。このゲームは他に生かせそうな場面も多いのに、あまりこだわって活用されてはいない。マルチタイトルとしては標準レベルに活用できているので悪くはないですが、『プレイグ テイル -イノセンス-』の後だから物足りなさを感じやすいですね。
PS5は映像+音+触感の三位一体で生み出される体験が魅力です。
映像+音+触感、三位一体で次世代の体験を生み出す – PSちゃんねる Pro
『メトロ エクソダス』は映像と音は良いです。触感も銃撃の面白さはありますけど、もう少し他の面で頑張ってほしかったところ。
PS4版で満足度の高かったゲームでしたが、PS5版で強化されてさらに良くなりました。
問題点であったリトライ時のロードの長さの改善、銃撃の操作性の悪さと味気無さの改善が特に大きい。
そして廃墟の雰囲気の良さという強い魅力が、強化された光と影の表現と3Dオーディオで増した。
100円のアップデートで、これはお買い得すぎる。『プレイグ テイル -イノセンス-』もそうですが、贅沢ですね。