高難易度ローグライクTPS『Returnal(リターナル)』クリア

ゲームの概要・感想

2021年4月30日にリリースされた『Returnal(リターナル)』をクリアしました。

めちゃくちゃ熱かったです!真エンドまでクリアしたので2.5周。

高難易度ローグライクTPS

このゲームの大きな特徴は高難易度。海外レビューでは「SEKIROより難しい」と言ってる人もいました。
メタスコア86点(89件)の高評価ですが、あくまで高難易度ゲームが好きな人向けです。

「死にゲー」「高難易度」というワードからソウルシリーズを連想する人が多いと思いますが、その感覚だと行き詰まると思います。「SEKIROより難しい」と言っていたレビュアーも、ゲームの進め方に無理があったんじゃないかと思う。

このゲームは死ぬと、武器、武器熟練度、消費アイテム、アーティファクト、パラサイト、強化したステータスを失います。恒久装備、武器アビリティ進捗度、エーテルは引き継げますが、さほど有利になるわけでもなく、新規プレイに近い状態。
ですから、ボスを追い込んでから死んだときの絶望感はソウルシリーズとは比べ物にならない。ボスと再戦するのも時間がかかる。

ここで重要なのが、急いでボスと再戦しないこと。一応、ショートカットがあり、各エリア毎に武器熟練度も調整してくれるアイテムがあるわけですが、ソウルシリーズの感覚でボスとの再戦を一直線で目指していると、かなりの高難易度になる。これが「SEKIROより難しい」という状態。

私も最初はボスを目指して一直線でプレイしていましたが、連戦連敗。ソウルシリーズとは比にならないくらいの高難易度とストレスで心が折れそうになった。
しかし、一直線でボスは目指さずに、マップを全て埋めながら強化していくと、かなり楽になった。このゲームは前半と後半に分かれていますが、1周目の前半は無茶な特攻プレイで20回以上は死んだ。でも後半はわずか2回の死亡で、ボスは余裕で初見撃破。

毎回ちゃんと1から丁寧に組み立てるプレイをすれば、そこまで高難易度じゃない。それどころか波に乗った1周目の後半は楽チンだった。2周目はちょっと追い込まれて心臓バクバクでしたけど。

リトライを繰り返すゲームというより、1日1回か2回のみ集中してプレイしたほうが良さそうなゲーム。
順調にプレイしていた回で死んだときのショックは大きいでしょうしね。

噛めば噛むほど美味しいスルメゲーとも言えるけど、噛まずに飲もうとする人が多数の気もする。アクションは高難易度だけど、ローグライクとしては易しめです。運に左右されない部分で十分に強化していける。
高難易度アクション+低難易度ローグライクで絶妙。

攻略メモ

運に左右されない部分で安定するのが耐久度の上昇と回復アイテムの所有。

エリア1とエリア4は宇宙船で寝ると回復する。1回ではフル回復しないですけど、何度でも寝られるので全快にできる。
ですから、全快させてから回復アイテムを取る事で耐久度が拡張できる。
そして拡張orダメージのアイテムも迷わず取れる。
ダメージを受けるリクレイマー(素材を再利用するゼノデバイス)も活用しない手はない。貴重なアーティファクトが出れば大成功。

回復アイテムは各エリアのファブリケーターx4で必ず売っている。
オボライト(金みたいなもの)は超重要。オブジェクトを破壊すると入手できる事も多いので、積極的に破壊しましょう。
チキンプレイで遠距離攻撃に徹すると、敵を倒した時のオボライトが入手できなくなるので注意。
パラサイトをオボライトに変換する装置は何度でも使えるので、エリア中のパラサイトをつけて変換すれば大きく稼げる。
エーテルx5はオボライト200に変換するのも良いです。

故障を直す消費アイテムは重要。これを所持していれば、故障を恐れず悪性アイテムを拾いまくれる。故障した場合、簡単に直せる故障なら自力で直し、難しい場合はアイテムで直せばよい。
エリア6には故障を誘発する攻撃を仕掛けてくる敵がいるので、不安なら消費アイテムを残しておきましょう。

オレンジのバリアはブレード・バランサーで破壊。ファブリケーターx4の場所に高確率で置いてある。置いていない場合、ファブリケーターのアイテムを変更する消費アイテムを使用すれば出てきやすい。

マグマの上を歩く恒久装備は、エリア5の拠点から行ける青い扉の先にある。キーが必要。

攻撃力・熟練度上昇率よりも防御力・耐久度+修復効率が大事だと思う。

武器の火力は、エレクトロパイロン・ドライバーが一番強い気がする。強敵の体力もガンガン削ってくれる。
修復を意識するなら、タキオマティック・カービンのドレイン・ラウンドが有難い。一定確率で修復してくれる。スーツ修復効率を上げているとなお良い。

銃撃+弾幕+近接

このゲームの最高なところは、銃撃+弾幕+近接のアクションです。弾幕を避けながらの銃撃、時には敵に接近して近接攻撃、敵が近接攻撃を仕掛けて来たらダッシュで回避。これが楽しすぎて病みつきになる。このアクションなら、ローグライクだろうがソウルライクだろうがチャプタークリア式だろうが面白くなる。

ポイントはダッシュの無敵時間が長いこと。初見でも危険を察知したらとりあえずダッシュ回避でなんとかなる。画面中に敵の弾がいっぱいになっても、意外とスイスイ避けられる。ストレスを感じにくく、気持ちの良いダッシュ回避。

そしてアクションゲームにとって大事なカメラワークも問題ナシ。

敵の動きもわかりやすくて攻略しやすい。硬さも丁度良い。
ザコの無限湧きもない(ザコを産む敵はいるけど)。

死んだらリセットされるという緊張感の中、容赦ない攻撃を仕掛けてくるボス戦が最高に熱かった。ボスを追い込むと、心臓がバクバクして手が震えそうになり、勝てた時の達成感は他のゲームでは味わえないほど。
逆にボスを追い込んで負けた時は、ギャンブルで大負けした時の喪失感。

『仁王2』の感想で書いた面白いアクションゲームの条件を満たしている。

バランス調整が見事。ただ難しいだけの死にゲーなら素人でも作れると思いますが、『仁王』は玄人の調整。ポイントとして、納得のいく殺され方ができている。面白くないパターンにありがちな「ザコ無限湧きor数の暴力」「見にくい」「わかりにくい」「硬いだけ」がほとんどない。1対1で敵の攻撃がはっきり見えるのに殺される。しかし、最初は理不尽な瞬殺かと思いきや、しっかり隙もある。敵はズルをしていないのに強いと思える。この納得のいく殺され方ができるのが面白いアクションゲームの条件としてある。
思うに高難易度の死にゲーって、ドSの人は面白くないパターンを作り、実はドMの人のほうが面白く作れるんじゃないかと思う。めちゃくちゃ強い敵を作りつつ、その敵の完璧なやられ方を想像できているから。めちゃくちゃ強いのにボコボコにされたがる変態的なドMの印象。
前作+αの素直な続編で熱かった『仁王2』の感想

『Returnal(リターナル)』は多数の敵が出現して、画面中に敵の弾がいっぱいになっても、理不尽さや見にくさをほとんど感じない。唯一、大量の小型ドローンのミサイル攻撃だけはイラっとするところがあるけど。
この調整は素晴らしい。HOUSEMARQUEがツインスティックシューティングで培ってきたセンスが生きまくっている。唯一無二で最高の銃撃+弾幕+近接アクション。これが軸としてしっかりあるから、メタスコア86点(89件)も納得。

L1ジャンプ・R1ダッシュが効果的

このゲームはボタンの割当が自由に出来ます。
私はL1をジャンプ、R1をダッシュにしました。ピョンピョンとジャンプしながら撃つと、敵の狙いが乱れます。当たりそうな弾だけ回避。この操作を習得したら楽になりました。

PS5らしさ

ハプティックフィードバックとアダプティブトリガー、高速ロード、3Dオーディオ、アクティビティカード、SIEのタイトルだけあってPS5らしさのあるゲーム。

「Now Loading」が表示されないゲームは最高です。

L2半押しでサイトを覗く射撃モード、全押しでセカンダリファイアなのですが、L2半押しをする意味はあまり感じない。回避が重要なので視野が広い腰撃ちのほうが良い。
半押しと全押しの使い分けの意味は感じにくいけど、アダプティブトリガーのおかげで、1つのトリガーで2種類の使い方ができるのは面白い。

グラフィックは現代基準だと特筆するほどではない。

不具合

Ver1.003.000で約20時間プレイして、エラー落ちが1回、シミュレーションモードで扉が開かなくて進行できない不具合が1回、そして獲得できたはずのトロフィーが2個も獲得できていなかった。

不具合報告がチラホラあり、不具合を残したままリリースしちゃった感はある。

大きな問題として、このゲームは中断セーブがないんですよね。終盤に不具合があったら、再プレイする気を失うほど泣けます。
開発者が中断セーブを導入するか検討しているようですが、不具合があった場合を想定したセーブは必要。緊張感は大幅に薄れますが、不具合の問題のほうが重い。不具合がないならセーブは不要ですけど、進行不可などの問題が大きい不具合を残したままリリースするデベロッパーがセーブ不可を押しつけるのは良くない。

やや物足りないボリューム

スムーズに進めば1周6時間くらいでクリアできるでしょうけど、多くの人は何十回も死んで、クリアするまで20~30時間くらいかかるだろうというゲーム。

物量で勝負できない中規模のインディーゲームという印象もあり、前半と後半は使い回しっぽさもあるし、ランダム生成のマップも少ないパーツの組み合わせで変化を感じにくいですし、ボス戦は楽しいけど数が少ない、真エンドのために2.5周させる仕掛けもボリューム不足を補う工夫か。
$69.99(8,690円)という価格に対して、ボリュームは不足しているように感じる。
とは言え、クリア率が10%いかない気がするので、ボリュームどうこう言う人は多くないでしょうけどね。

個人的にはエンドレスに遊べるモードが欲しかった。順調に強化しても、死ぬかクリアするかでリセットされますからね。すぐ終わっちゃう。
ローグライクとしては良くも悪くも振れ幅が小さいから、運に左右されず安定しやすいのは良いけど、変化を感じにくい。無限に遊べるローグライクかと思いきや、エンドコンテンツの弱さを感じた。
アクションが素晴らしいから、定期的にプレイしたくなるとは思う。

めちゃくちゃ熱かった

2021年のGOTY最有力候補と言えるほど熱くなれたゲームでした。

ただ、SEKIRO以上に人を選ぶゲームかもしれない。
私も最初はここまで難しいとは思っておらず、エリア2でプレイをやめようかと思ったほどでした。心が折れそうになった。セールかPS Nowかフリープレイだったら、すぐやめたと思う。発売日に買ったからこその粘り強い向き合い方で、最高のゲームだと感じられるところまで到達できた。
コツコツと強化するプレイに変えて、それに加えてL1ジャンプ・R1ダッシュも上手く使えるようになり、そのまま波に乗って一気にクリアできました。

銃撃+弾幕+近接の素晴らしいアクションと、達成感のある高難易度。そして超高難易度かと思いきや、意外と易しい設定になっているバランスの良さ。メタスコア86点(89件)の評価通りの傑作です。
PS5の黎明期に、ここまで熱くなれる新規IPと出会えたのは嬉しい。

難しかったのは序盤ですね。敷居が高い。
真エンドに到達して全ての死が報われ、「このゲーム最高だ」と思えた。

コメント

  1. jackalcat より:

    すとんと腹落ち出来るレビュー、流石です
    ようやく海底まで来ましたが、
    カッカして「もうパターン憶えたから今すぐブチ○したる!」と直行して負け続けて
    丁寧に強化したら拍子抜けするぐらい楽に攻略出来ることが何度もありました。

    扉の前でちょこちょこ開いては削ってプレイやらないとやってられないシーンがあるのがちょっと気になりますね
    特攻するのはリスク高い割にメリットがほとんど無いので

  2. トモロ より:

    「フリプだったっら2面で投げてた」に強く共感(笑)。自分でお金を出して買うことの意味を再認識。

    • 匿名 より:

      サブスクは音楽にしろ映画にしろコンテンツの価値がどうしても落ちちゃいますからね
      ところで簡単でいいのでボス戦の武器の使用、ステージ事の武器
      その他気を付けることを記事にしていただけませんか(泣)
      ステージ3で詰まっております

タイトルとURLをコピーしました