PS5ではロードが速いアンリアルエンジン

HDD・SSHD・SSD

PS5世代ではロードが速いゲームエンジンという認識に変わりそうなアンリアルエンジン。

2020年5月5日にPS5をサポート

  • 4.25 – 2020年5月5日
    PlayStation 5をサポート
    ロードパフォーマンスの向上
    パッチノート
  • 4.26 – 2020年12月3日
    Zen Loader (ベータ)の実装
    パッチノート
  • 5 プレビュー版 – 2021年初頭
  • 5 フルリリース – 2021年後半

PlayStation 5をサポートしたのが2020年5月5日です。この時、従来のローダーである『Async Loader』から『Async Loader 2』にアップデートしていて、次世代コンソール向けにロードパフォーマンスの向上がありました。

この公開日と内容は、あくまで一般のもの。例えば『ドラゴンクエスト11』の時に「最適化していない開発初期ではルーラの読み込みに30分かかっていた」「Unreal Engine 4を開発したEpic Gamesもルーラのためにゲームエンジンを改良するなどして協力し、開発チームのプログラマーの尽力もあって製品版では井戸なしでもルーラ後の読み込み時間をある程度短くすることが可能になった」と言っていたので、スクウェア・エニックスとEpic Gamesは繋がりが強く、ドラクエ以上に大きなIPである『ファイナルファンタジー7 リメイク』でも強力な協力を得られている可能性があります。

実際に速い

まず2021年2月19日に配信された『The Sinking City』のロードの速さに驚きました。アンリアルエンジンはロード時間が長めだという印象がありましたので。

  • タイトル画面で「続ける」を選択した後のロード画面
    PS4版:21.35秒~26.05秒
    PS5版:3.37~4.95秒
The Sinking City PS4版とPS5版のロード比較

エリアチェンジでは1秒ほどでロード画面が終わる場面もあり、ファストトラベルも2~5秒ほど。

2021年2月26日に配信された『アウトライダーズ 体験版』もアンリアルエンジン製。

  • ロビーからミッション開始前のロード画面
    PS4版:17.29秒
    PS5版:3.97秒
アウトライダーズ 体験版 PS4版とPS5版のロード比較

そして2021年6月10日に配信予定の『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』。初報となるトレーラーで高速ロードをアピールしていました。

  • タイトル画面から「LOAD GAME」でのロード画面
    PS4版:18.66秒
    PS5版:1.9秒
ファイナルファンタジー7 リメイク PS4版とPS5版のロード比較

3タイトルともPS4版はPS5の後方互換機能でプレイしています。PS4(HDD)やPS4 Pro(HDD)よりは高速なのですが、それでもPS5版とは大きな差がある。
私はPS4をSSDに換装して「ロードが速くなった!」と喜んでいましたが、その速くなったと喜んでいた速度を置いてけぼりにする速さがPS5版ゲームにはある。
“超高速SSD”や“魔法のSSD”とも言われますが、SSD自体が速いわけではない。現代基準で考えれば普通と言える範囲でしょう。PS5はカスタム・デコンプレッサーの存在や統合されたカスタムI/Oによって超高速ロードを実現しています。

それに加えてゲーム側の最適化具合が大きく影響する中で、アンリアルエンジン4.25以降は良い感じっぽいという事です。
『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』だけで見るとロード時間90%OFFなので、発売前という事もあり「フェイク動画だろ!」と思ってしまいそうですが、発売済の『The Sinking City』が既に84%OFFなので疑えない。『アウトライダーズ 体験版』は77%OFF。今のアンリアルエンジンはPS4世代と比較して77~90%のロード時間をカットするんだなと思うのみ。PS4+HDDとの比較なら95%以上カットでしょうね。

アンリアルエンジンがPS5をサポートしたのが2020年5月5日、12月3日のアップデート4.26でZen Loader (ベータ)の実装。まだ日が浅いので、上記3タイトルは初期の最低基準と言えるかもしれない。全て縦マルチでもあります。

カスタムI/Oの優位性があり、基本的にはPCよりも高速ロードのようです。
『アサシン クリード ヴァルハラ』はゲーム起動からプレイアブルまでPS5版が30秒、RTX3090 / Samsung Evo 970 M.2 SSDのPCで1分8秒。
Assassin’s Creed Valhalla – PS4 vs PS5 vs Xbox Series X vs PC Comparison (Load Times/Graphics/ETC)
『アウトライダーズ』では、PS5版10秒、SSDを積んだPCでSteam版35秒。
Outriders: Your Not Going To Believe! The Graphics & Load Times Comparison (PS4, PS5 & PC)
『フォートナイト』でもPS5版の速さを見せている動画がありますが、PCのスペックが不明。
PS5 vs PC – Fortnite Load Time Comparison
とは言え、PCはパーツが個々に違いますし、ゲーム側の設定やその他条件も複雑なので、単純な比較は難しい。

ユフィのDLCがPS5向けのデザインになっているか

『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』のユフィのDLCはPS5版のみの対応となっており物議を醸していますが、私が注目する点はPS5向けのゲームとしてデザインされているかどうか。

『ファイナルファンタジー7 リメイク』は、細い道をゆっくり通ったり、エリアとエリアの間は長い一本道だったりして、時間を稼いで、その間に裏読みして次のエリアをロードするようなデザインになっていた。ロード画面を出さない工夫として丁寧なものの、退屈で煩わしい移動の時間は増えてしまっていた。
ロード画面を出さない工夫をしてくれていると理解している人は良いですが、こういう事情を知らない人にとっては、「なんでわざわざゆっくり移動させるのか?」「移動がダルイ」という不満にしかならなかったと思います。

過去記事でも少し触れていましたが、縦マルチにしてしまうとマップのデザインまで変えるわけにはいかず、長い1本道やエレベーターはPS5版にも残って足を引っ張ることになる。

ユフィのDLCがPS5向けのデザインとなっていれば、PS5独占にした意味もあって納得。PS4版を売ったほうが売れるはずですが、こだわって良いものを作る姿勢は好印象です。
長い時間稼ぎのような道があれば、PS4版を作ろうとしたのが垣間見えちゃうので、クオリティ以外の事情でPS5独占にしたのかもと思う。

PS5で大躍進しそうなアンリアルエンジン

既に超メジャーな汎用ゲームエンジンですが、PS5ではゲームのクオリティが大幅に向上しそうです。

Google検索でもTwitterでも「アンリアルエンジン ロード」で検索すると、「アンリアルエンジンはロードが長い」という印象の人が多数派です。私も同じ印象でした。
アンリアルエンジン ロード – Twitter
アンリアルエンジンの大きな弱点であったロード時間の長さ、ここが解消されるのは劇的な変化。しかも、そこらの独自エンジンよりも速そう。『アサシン クリード ヴァルハラ』とか『DIRT 5』とか、PS5でもロードが長めのゲームはチラホラあります。PS5だと10秒を超えると長く感じますね。ロード面でアンリアルエンジンが優位となると、アンリアルエンジンを選択するデペロッパーが増えるかもしれない。
Twitterの過去の話題を見ると、アンリアルエンジンを使用している『鉄拳7』や『ストリートファイターV』のロード時間が長くて嘆かれていました。これを反映して次回作が独自エンジンになり、それで高速化されたアンリアルエンジンより遅くなったら残念なすれ違いになる。

ロード高速化にも直結する部分で、RAD Game ToolsをEpic Gamesが買収したのも大きい。RAD Game Toolsは『Oodle Kraken』と『Oodle Texture』を開発した会社。驚異的なデータ圧縮率を誇り、4K時代でのゲームの大容量化に歯止めをかける存在。

SDK データ圧縮比
Zlib 1.64:1
Kraken 1.82:1
Zlib + Oodle Texture 2.69:1
Kraken + Oodle Texture 3:16.1

PS5は『Oodle Kraken』専用のハードウェアデコーダー(デコンプレッサ)が搭載されています。この『Oodle Kraken』が業界全体に広まって業界標準になれば都合が良いので、汎用ゲームエンジンの最大手であるアンリアルエンジンに組み込まれるなら願ってもない環境になる。

そしてまだ本気を出していないアンリアルエンジン。次世代のプレビューで最初に大きな驚きを与えたのがアンリアルエンジン5のPS5によるデモでした。

Unreal Engine 5 Revealed! | Next-Gen Real-Time Demo Running on PlayStation 5

2021年初頭にプレビュー版がリリースされ、フルリリースは2021年後半の予定。アンリアルエンジン5世代のゲームに大きな期待を持てる。

アンリアルエンジン5世代は、まだまだ先にしても、PS5の超高速ロードが生かせていないようなゲームもチラホラある中、2021年2月19日に配信された『The Sinking City』以降のアンリアルエンジン製ゲームが超高速ロードなら嬉しい。ゲーム側が最適化しないと超高速ロードが生きないというのは難しい問題でしたが、アンリアルエンジンの素晴らしい対応が既に見えている。アンリアルエンジン製のゲームは非常に多いので、これによって大半のゲームがPS5の超高速ロードを生かせることになりそうです。

2/19(金) The Sinking City – アンリアルエンジン4
3/2(火) 龍が如7 光と闇の行方 インターナショナル – ドラゴンエンジン
3/12(金) クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース – アンリアルエンジン4
3/18(木) Marvel’s Avengers (アベンジャーズ) – Foundation(ファウンデーション)
3/26(金) バラン ワンダーワールド – アンリアルエンジン4
3/26(金) It Takes Two – アンリアルエンジン4
4/1(木) Outriders – アンリアルエンジン4

これからのアンリアルエンジン製ゲームの特徴の1つに「ロードの速さ」が期待できるのが超嬉しい。

コメント

  1. 匿名 より:

    PS5版FF7Rの神速ロード
    これぞみんなが期待押していたPS5のロードって感じですね

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