2021年2月3日16時にSONY 2020年度 第3四半期(10~12月)の決算が発表されました。
ハード出荷台数
PS5発売後、初めての決算。11月12日~12月31日までのPS5出荷数は450万台でした。PS4を超える計画で出荷できているとの事です。
ただ、AMDのリサ・スー氏が半導体の需要に対応しきれていないと言っておりましたので、PS5に強烈な需要がありながらも生産できない状況が続くかもしれない。となると第4四半期は伸び悩む可能性もある。生産さえできれば……というところ。
年度 | PS3 | PS4 | PS5 |
---|---|---|---|
初 | 361万台 (2006年度11-3月) |
750万台 (2013年度11-3月) |
450万台 (2020年度11-12月) |
2年 | 924万台 | 1,480万台 | – |
3年 | 1,006万台 | 1,770万台 | – |
4年 | 1,300万台 | 2,000万台 | – |
5年 | 1,430万台 | 1,900万台 | – |
6年 | 1,390万台 | 1,780万台 | – |
7年 | 不明 |
1,360万台 | – |
8年 | 不明 | 480万台(4-12月) | – |
累計 | 8,000万台 ※2013/11/2 |
1億1,380万台 – |
– |
営業利益
PS5ロンチとなったQ3の営業利益は+802億円。PS3やPS4の時は、ロンチの年は赤字で無理をするのが当たり前でしたが、ネットワークサービスの収入が安定した今は、莫大な営業利益を継続できています。
年度 | PS3世代 | PS4世代 | PS5世代 |
---|---|---|---|
2006年/2013年度/2020年度 | -2,323億円 | -81億円 | +3,092億円(4-12月) |
2007年/2014年度 | -1,245億円 | +481億円 | – |
2008年/2015年度 | -585億円 | +887億円 | – |
2009年/2016年度 | -831億円 | +1,356億円 | – |
2010年/2017年度 | +356億円 | +1,775億円 | – |
2011年/2018年度 | +293億円 | +3,111億円 | – |
2012年/2019年度 | +17億円 | +2,384億円 | – |
※2006年から2008年、2011年と2012年はゲーム分野。
※2009年と2010年はNPS分野(ネットワークプロダクツ&サービス)。NPS分野はパソコンやデジタルミュージックプレイヤーなど幅広いのでゲーム分野としての参考にはなりにくいです。2011年までNPSだったのですが、2012年の発表で前年比として2011年のゲーム分野の数字が出ていました。
※2013年から2020年はG&NS分野(ゲーム&ネットワークサービス)。ネットワークサービスは主にPSNですので、PlayStation分野という感じ。ちなみに『Fate/Grand Order』は音楽分野です。
2013年度(PS4)と2020年度(PS5)
PS4の成功が大きく、その勢いを継続できています。
年度 | 第1四半期 (4~6月) |
第2四半期 (7~9月) |
第3四半期 (10~12月) |
第4四半期 (1~3月) |
---|---|---|---|---|
2013年度 | 1,179億円 -148億円 |
1,557億円 -8億円 |
4,418億円 +180億円 PS4発売 |
2,638億円 -105億円 |
2020年度 | 6,061億円 +1,240億円 |
5,066億円 +1,049億円 |
8,832億円 +802億円 PS5発売 |
– |
逆ザヤは良い選択
営業利益に関して、
- + ゲームソフトウェアの増収
- + プレイステーション®プラス(PS Plus)を中心としたネットワークサービスの増収
- + プレイステーション®4ハードウェアの収益性改善
- – PS5™発売にかかる販売費及び一般管理費の増加
- – PS5™ハードウェアの製造コストを下回る戦略的な価格設定による損失
一番下の「PS5™ハードウェアの製造コストを下回る戦略的な価格設定による損失」は、いわゆる逆ザヤですが、これは良い選択です。
莫大な赤字を出していたPS3の頃は、本体を売ると赤字が増える事は大きな痛手でありましたし、赤字から抜けられないのはサービス低下や撤退の不安も煽る。逆ザヤという言葉の印象も悪くなったかと思います。
この時から考え方としては間違いではなくて、ハードを逆ザヤで普及させてソフトのロイヤリティ収入で回収。そしてコストダウンしながら逆ザヤも解消していく。実際、最終的には営業利益が出るようになりました。
PS4世代では莫大なネットワークサービスの収入が安定するようになり、ハードを売って儲けるよりも、ネットワークサービスとソフトの収入で儲ける事のほうが大事になっています。ですので、良いハードを可能な限り安く売って逆ザヤでハードを普及させる事が大事。ユーザーにとっても、良い製品が安く買えるのは嬉しい(供給不足が続いて買えない状況なんですけど)。
このビジネスモデルの変化は非常に大きい。「逆ザヤなのは厳しい」は10年前で頭が止まっているような考え方になるかと思う。
450万台を逆ザヤで出荷してもトータルで大きな営業利益を出しているので、価格設定も狙い通りだったかと思います。むしろ余裕があるので、もっと無茶できるかもしれないほど。本体を普及させればリターンが莫大なので、赤字にする意味もある。
今回の決算で「ソニー純利益、初の1兆円超へ ゲーム事業が押し上げ」「ソニー、純利益が初の1兆円超 20年4~12月、ゲーム好調」という見出しの記事が多く見られ、ゲーム事業の好調さが強調されています。
ゲームがソニーにとって最重要なくらいの事業になり、今後のサービス向上と継続に大きな期待ができるのは、ユーザーとしても嬉しい。PS5は非常に素晴らしいゲームハードだと実感していますので、右肩上がりで営業利益が伸びているなら、PS4を超えるサービス展開に期待したい。
とりあえずこんだけ儲かっているなら、まずPSストアを改善してほしい。
コメント
もっと日本に供給してほしいですね。なめとんのかと。
日本はxboxが売れないので優先順位が低いんだろうけど、ずっと買えなきゃどうでもよくなる人も多いと思う。
一応日本は2番目にps4が売れた国なんだし頑張ってよ…
日本でも暴動が起きるほど需要があるので割り当て台数を増やして欲しいところですね。