ダウンロード通常版は7,990円(税込)が落としどころだと思う

ゲーム雑記

『MAIDEN』の記事で『バイオハザード ヴィレッジ』のダウンロード通常版が7,990円(税込)というところに触れましたが、日本のダウンロード通常版の価格の落としどころなんじゃないかと思いました。

日本と北米のゲームソフト価格差

タイトル 日本版価格 北米版価格
DEATHLOOP 8,778円 $59.99(6,225円)
バイオハザード ヴィレッジ 7,990円 $59.99(6,225円)
アウトライダーズ 8,778円 $59.99(6,225円)
バランワンダーワールド 7,678円 $59.99(6,225円)
Returnal 8,690円 $69.99(7,263円)
RIDE 4 8,778円 $49.99(5,187円)
ライザのアトリエ2 8,580円 $59.99(6,225円)
イモータルズ フィニクス ライジング 7,678円 $59.99(6,225円)
アサシン クリード ヴァルハラ 9,240円 $59.99(6,225円)
ウォッチドッグス レギオン 9,240円 $59.99(6,225円)
Call of Duty: Black Ops Cold War 9,680円 $69.99(7,263円)
Demon’s Souls 8,690円 $69.99(7,263円)
Marvel’s Spider-Man: Miles Morales 6,490円 $49.99(5,187円)
リビッツ! ビッグ・アドベンチャー 7,590円 $59.99(6,225円)

※1ドル103.77円

49.99ドル/59.99ドル/69.99ドル

PS3とPS4では、北米でのゲームソフトの価格は$59.99が通常でした。PS5になって$69.99に値上げするソフトも出てくるようになりました。

それでもまだ$59.99が多数派です。これは前世代との縦マルチであるケースがほとんどで、PS4版の価格をそのまま引き継いでいる感じ。いずれは旧世代を切って$69.99が多数派になるのか、次世代機の普及によってPS5/XSX/PCのマルチで$59.99を維持するのかは予想が難しいけど、$69.99になりそうな気がします。

現状、通常価格は$59.99が多数派のまま。PS5版では$69.99を選択するメーカーもあり、やや規模が小さいタイトルは$49.99、という3パターンの価格になっています。
日本は販売元によってバラバラ。

この3パターンでのSIEJAの値付けは、

タイトル 日本版価格 北米版価格
Returnal 8,690円 $69.99(7,263円)
Demon’s Souls 8,690円 $69.99(7,263円)
リビッツ! ビッグ・アドベンチャー 7,590円 $59.99(6,225円)
Marvel’s Spider-Man: Miles Morales 6,490円 $49.99(5,187円)

$49.99(5,187円) → 6,490円
$59.99(6,225円) → 7,590円
$69.99(7,263円) → 8,690円
という具合。北米版の価格と合わせて価格設定されるなら、今後もこの3パターンに当てはまるかと予想できる。
今のところの予定を見ると大型タイトルが多そうだから、8,690円が基本になりそう。

7,990円が落としどころ

パッケージ版は事情が違うので、あくまでダウンロード版の話です。

2つ前の記事でカプコンが『バイオハザード ヴィレッジ』や『モンスターハンターライズ』らの一流IPであってもダウンロード版が7,990円(税抜7,264円)であり、任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』やコーエーテクモゲームス+任天堂の『ゼルダ無双 厄災の黙示録』も7,920円(税抜7,200円)という事を書きましたが、国内のダウンロード版ゲームの通常版は7,990円に抑えるのが現実的に良い落としどころなんじゃないかなと思います。
業績好調なカプコンや商売上手な任天堂が8,000円のラインを超えないってことは、素人が思うよりも重要なラインなのでしょう。
ゲーム販売本数ランキングを見ても、8,000円を超えるソフトはあまりない。
ゲーム販売本数ランキング – ファミ通
ちなみに本日、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』が350万本を出荷して無双シリーズとして過去最高になったという景気の良いニュースが出ていました。

価格高騰に歯止めがかからなくなっていて、この問題は解決されず放置状態。数が売れないから単価を高くしないといけない現状になっているのはわかりますが、売れないから高くして、高いから売れないという悪循環に入っているんじゃないでしょうか。新規ユーザーが入りにくく、コアユーザーだけが買い、そのコアユーザーも減少傾向になっている印象。
コアユーザーに高く売りたい場合は、デラックスエディションやアルティメットエディションや有料DLCを売ったほうが良いと思う。私も買うので、良いゲームに相応のお金を出したい気持ちはわかる。
しかし、通常版を高くして入口を狭くするのは逆効果。ダウンロード通常版は7,990円にして、それ以外の部分で稼ぐ事を考えた方が良い。サブスクリプションやギフトなどで売上を出す道もあるかもしれない。
本数がたくさん売れるのが一番いいんですけどね。本数を売るのは諦めて少ない本数を高く売る思考になっていたら、種を植えずに種を喰っている状態なので未来はない。

『Hitman 3』みたいに、日本で売れる見込みがなければ日本展開は重視されなくなる。個人的には高価なデラックスエディションやアルティメットエディションで良いのですが、通常版は8,000円のラインを超えないようにしないと、興味を持った人が手を出しにくくなりますし、そのまま縮小していき日本で展開されなくなるオチ。自分が高いバージョンを買っても、どうにもできないもどかしさがあります。

「おま値」にサヨナラを

7,990円だと、今までのような「おま値」を感じにくくなります。北米ではPS5ゲームを$69.99にするゲームが出てきており、日本円で7,263円(1ドル103.77円)。北米には消費税がありませんので、7,990円(税抜7,264円)なら日本の税抜価格と同じ。従来のような「日本だけ高い」という不満を覚えにくい。

本来なら物価が違う国で単純比較はできないのですが、物価は北米の方が高いので、ゲームソフトは日本が高いという状況は歪んでいるように思う。

余談ですが、ビッグマック指数(BMI)という身近で面白い指標があります。ビッグマック1個の価格で、北米は613円、日本は390円でした。
世界のビッグマック価格ランキング
このビッグマックを普通に買える北米の人からしたら、ゲームの$59.99も$69.99も高くはなさそう。と言うか$59.99は安すぎる気がします。PS5世代で$69.99になるのも、大きな障害にはならなさそう。

通常価格としての共通認識

カプコンや任天堂を筆頭に7,920円or7,990円でソフト価格が統一傾向になれば「その価格が普通」という共通認識にもなり、「高い」とも感じにくくなる。
北米においても、$10値上がりした今は、その分だけ「高い」を感じるでしょうけど、いずれ$69.99で統一されれば、それが当たり前という認識に変わるしかない。

現状、8,000円以上のPS5ゲームは8,580~9,680円で販売されています。7,990円と比較して590~1,690円の差。差は大きくないけど、8,500円台や9,600円台になると「高い」という印象は大きい。これなら7,990円に通常価格としての共通認識を持たせて、「高い」という印象をなくしたほうが良いと思う。

ダウンロード版に移行できない

音楽も本も日本はデジタルへの移行が欧米に比べて上手くいかなかった印象があります。PS4とPS5に関しても遅れていると思う。
パッケージ版は販売店で割引されたり、定価でもポイントが付与されるうえに、自分に合わなければ中古屋に売れる。だから定価が8,580~9,680円でもダウンロード版ほどの重さがない。金銭的な事情でパッケージ版を選択する人も少なくないかと思います。

今はまだゲーム屋さんがありますが、ゲームソフトをゲーム屋さんで買うという文化は、世界的に減少していくと予想される。音楽や本の時のように、CDショップでCDを買えばいいじゃん、本屋で紙の本を買えばいいじゃん、というところだけを見て準備できずにいたら、後々ゲームを売るのが難しくなってくるんじゃないかと思う。今のままだとデジタル版へ誘導されない。「音楽不況」「出版不況」みたいな状況から抜けられなくならないために、まだ余裕がある時からの準備が必要になってくる。
ダウンロード通常版ゲームの8,580~9,680円は、次世代への準備ができていない日本らしい価格に見えるので、PS5世代への切り替えを1つの好機として、7,990円を落としどころにするのが良いんじゃないかと思いますし、既にそれをやっているカプコンを支持します。支持と言っても、ただ1本購入するのみですけどね。『バイオハザード ヴィレッジ』はデラックスエディションにしました。

ちなみに『バランワンダーワールド』も北米$59.99(6,225円)、日本7,678円で、悪くない価格設定。北米で$59.99のゲームが日本では8,580~9,240円になっているので、これくらいの差ならもう「良い」と受け止められる感覚になっている。1月28日に体験版が配信されるようなので楽しみです。

長きに渡って問題を感じていた日本国内におけるダウンロード通常版の価格、そろそろ状況を打破する一手がほしい。PS5ロンチからダウンロード通常版が9,240円や9,680円で、通常版1万円も視野に入る。7,990円が皆にとって買いやすい価格とまでは思わないですけど、価格を下げるのが難しい状況の中で、8,000円を超えないというところがギリギリの落としどころなんじゃないでしょうかね。お金を出したいコアユーザーに高く売るのはデラックスエディションでやれば良いです。入口を狭くしないためにもダウンロード通常版の価格は、考え直す余地がある。
カプコンのような超一流サードパーティーが道を示しているから、乗れない事もないんじゃないかと思いました。

PS5、ハードとソフトは期待以上にめちゃくちゃ良い。最近は『DIRT 5』『MXGP 2020』『Hitman 3』『WRC 9』をプレイしましたが、全て北米版。解像度とフレームレートのパフォーマンス、高速ロード、Tempest 3Dオーディオ技術、触感フィードバック、アダプティブトリガー、静穏性、素晴らしいものを詰め込んで54,978円(税込)という超低価格。今まで見たことがない完璧な家庭用ゲーム機。この4本のソフトは北米だと$59.99で買いやすいが、これらが日本で8,690円や9,240円になっちゃうと良くないというか、もったいない。ハードとソフトが素晴らしいだけに、ダウンロード通常版の価格は改善してほしいという思いが今まで以上に強くなった。

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