『ライザのアトリエ2』『ぷよぷよテトリス2』『マンイーター』らがPS5版も同時発売すると発表されました。新旧ハードの普及台数に差がある中、新ハード版を出すのはハイリスクか?ということを考えました。
龍が如く 維新! – 2月22日
ハード | 1週目 | 2週目 | 3週目 |
---|---|---|---|
PS3版 | 138,158本 | 54,148本 (192,305本) |
19,808本 (212,113本) |
PS4版 | 82,540本 | 22,466本 (105,006本) |
9,265本 (114,271本) |
PS4本体 | 309,154台 | 65,685台 (374,839台) |
35,294台 (410,133台) |
PS4本体と同時発売だった『龍が如く 維新!』は、3週でPS3版が65%、PS4版が35%という割合。当然ながらPS3版のほうが多いですが、累計1,000万台のPS3と3週で41万台のPS4との普及差を考えると、ソフトの販売差は驚くほど少ない。
メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ – 3月20日
ハード | 1週目 | 2週目 | 3週目 |
---|---|---|---|
PS3版 | 119,615本 | 38,617本 (158,232本) |
20,799本 (179,031本) |
PS4版 | 91,903本 | 12,374本 (104,277本) |
7,859本 (112,137本) |
PS4本体 | 30,201台 (470,011台) |
23,327台 (493,338台) |
13,401台 (506,739台) |
PS4の発売から約1ヶ月後の3月20日に発売された『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』は、61.5%(PS3)と38.5%(PS4)でした。1ヶ月では大きな変化は見られないですが、着実に差が詰まっている。本体差は約1,000万台と50万台。
ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー – 6月5日 / シーフ – 6月12日 / ウォッチドッグス – 6月26日
ハード | ウルフェン 1週目 |
シーフ 1週目 |
ウォッチドッグス 1週目 |
---|---|---|---|
PS3版 | 4,341本 | 4,899本 | 31,028本 |
PS4版 | 7,448本 | 8,772本 | 63,595本 |
PS4本体 | 9,466台 (597,156台) |
8,395台 (605,551台) |
8,059台 (620,619台) |
PS4発売から3ヶ月16日後に発売された『ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー』は、PS3とPS4の同時発売タイトルで初めてPS4版が上回ったタイトルになりました。しかも37%(PS3)と63%(PS4)という大きめの差。コアユーザー向けのタイトルなので、3ヶ月も経過すればPS4版が優勢になりますね。
その翌週に発売された『シーフ』も同じような結果で、36%(PS3)と64%(PS4)。この結果から、少なくともコアユーザー向けタイトルは、本体発売から3ヶ月程度で次世代機にも出せていないと乗り遅れていると言えると思います。
PS4発売から約4ヶ月後に発売された『ウォッチドッグス』。PS3版が31,028本で33%、PS4版が63,595本で67%、ダブルスコアでPS4版が上回りました。
ワールドサッカー ウイニングイレブン 2015 – 11月13日
ハード | 1週目 | 2週目 | 1週目 |
---|---|---|---|
PS3版 | 71,303本 | 20,612本 (91,915本) |
12,886本 (104,801本) |
PS4版 | 26,684本 | 6,859本 (33,543本) |
– |
PS4本体 | 15,537台 (796,635台) |
12,430台 (809,065台) |
13,489台 (822,554台) |
PS4発売から3ヶ月16日後以降は、基本的にPS4版が優勢でしたが、年末商戦でライトユーザーにも人気のタイトルとなると事情が大きく変わった。2014年11月13日に発売された『ワールドサッカー ウイニングイレブン 2015』は、2週目でPS3版が91,915本(73%)、PS4版が33,543本(27%)。PS4で言えば『モンスターハンター:ワールド』のようなライトユーザーも多いタイトルは、新ハード発売から1年未満では、まだまだ旧ハードが強そう。
11月27日の『ドラゴンエイジ:インクイジション』はPS3版が11,294本(28%)、PS4版が29,274本(72%)であり、ウイイレと真逆の割合。ライトユーザー向けかコアユーザー向けかで、まったく逆の結果になっています。
メタルギア ソリッド V ファントムペイン – 2015年9月2日
ハード | 1週目 | 2週目 | 3週目 |
---|---|---|---|
PS3版 | 117,547本 | 22,639本 (140,186本) |
16,288本 (156,474本) |
PS4版 | 293,652本 | 42,788本 (336,440本) |
20,635本 (357,075本) |
PS4本体 | 54,494台 (1,767,056台) |
18,555台 (1,785,620台) |
8,375台 (1,793,995台) |
コアユーザー向けタイトルは早期に次世代に移行していましたが、『ウイイレ』『ドラクエ』『バイオハザード』『龍が如く』らの国内で人気のIPは旧世代が優勢でした。それを覆したのが、PS4発売から1年6ヶ月13日後に発売された『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』。3週目でPS3版が156,474本(30.5%)、PS4版が357,075本(69.5%)という大きな差となりました。
まとめ
ロンチから大きな差はない
ロンチの『龍が如く 維新!』は、PS3版が65%でPS4版が35%。その1ヶ月後の『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』はPS3版が61.5%でPS4版が38.5%。
本体の普及台数が約1,000万台(PS3)と40~50万台(PS4)という大きな差があっても、積極的にソフトを購入するユーザーは新ハードに移行しているので、ソフトの売上に思ったほど大きな差が出ない。
コアユーザー向けタイトルは3ヶ月で次世代機に移行
『ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー』『シーフ』『ウォッチドッグス』ら、コアユーザー向けタイトルは、PS4発売から3~4ヶ月後にPS3版が32~37%、PS4版が63~68%という大きな差になりました。
本体の普及台数が約1,000万台(PS3)と60万台(PS4)ですから、ソフトで大きく逆転しているのは驚きです。
当時の国内メーカーは、ここを読み違えていたんじゃないかなとも思います。海外メーカーは積極的にPS4版をリリースしていましたが、国内メーカーはPS3版とVITA版で様子見という感じでした。PS3とPS4は、仕様の違いから縦マルチが難しかったという事情もあるかと思います。
PS4→PS5で前回と事情が大きく違うのは後方互換があること。国内メーカーは、PS5を購入したユーザーも後方互換でPS4タイトルを遊んでもらえると考えるかもしれない。
国内の人気IPは1年半~2年
早期に次世代機に移行したコアユーザー向けタイトルとは違い、『ワールドサッカー ウイニングイレブン 2015』『バイオハザード リベレーションズ2』『ドラゴンクエスト ヒーローズ』『龍が如く0』らの国内で人気のあるIPは、PS4発売から1年経過してもPS3版が優勢でした。「有名タイトルしか買わない」というユーザーも多いからだと思います。
この壁をブチ破ったのがPS4発売から1年6ヶ月13日後に発売された『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』。でも完全移行とまでは言えず、PS4発売から1年半~2年くらいまではPS3タイトルも元気です。あくまで「有名タイトルしか買わない」という枠に入るタイトルのみですが。
約2年、新ハードの普及台数200万台までは、縦マルチが続くというのが目安になりそうです。
『ライザのアトリエ2』がPS4版と同発で12月3日発売、『ぷよぷよテトリス2』もPS4版と同発で12月10日発売、『マンイーター』もPS4版と同発で12月17日発売。これらは早期にPS5版も同時発売で対応してきたタイトル(マンイーターは北米でPS4版をリリース済ですが)ですが、PS3とPS4の時と同じように、ハードの普及台数に比べてソフトの売上差は出ないかと思います。アップデート対応があるので、あえてPS4版を購入してPS4とPS5の両方で遊ぶという選択もあるかもしれませんが。
特に『ライザのアトリエ2』は良い時期だと思う。PS5のソフト発売が落ち着く時期であり、PS5を買ったばかりのユーザーは、まだまだいろいろ遊んでみたいと思っているでしょうから、ちゃんとPS5版として発売される『ライザのアトリエ2』は目に留まりやすい。
『ライザのアトリエ2』も『ぷよぷよテトリス2』も「PS5版を出さずにPS4版を後方互換で遊んでもらえばいいじゃん」と思われそうでもありますが、新ハードを購入したばかりのユーザーの熱量を感じる結果になるかもしれない。
後方互換でPS5ユーザーがPS4タイトルを積極的にプレイするのか、PS5ユーザーが早期のPS5対応タイトルに積極的に手を出すのか、正直わかりません。PS5で超高速ロードや触覚フィードバックやTempest 3Dオーディオやレイトレーシングの魅力をユーザーがどう感じるか?後方互換でのロード時間やフレームレートが具体的にどれくらい向上するか?というところが不透明ですからね。
個人的には早期のPS5版対応は大歓迎!後方互換で遊んでもらえばいいと考えずに、しっかりPS5版を仕上げてくる姿勢は熱量を感じます。
コメント
まずps5がいつ手に入るかですよね。抽選も申し込んでますし買えればすぐ手に入れたいと考えてますが手に入るまではps4でやるしかないし…
DL版もあるのでもう少し差は詰まるでしょうね
PS3でDL版を買う人の割合は極わずかだと思いますが、PS4は1~2年目でも2割弱はDL版だったでしょうし