2020年9月8日に配信された『キングダムズ オブ アマラー:リレコニング』をクリアしました。
キングダムズ オブ アマラー:リレコニングとは
日本ではPS3で2012年9月20日に発売されていたオープンワールドRPG『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』のリマスター版が『キングダムズ オブ アマラー:リレコニング』です。
『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』は、エグゼクティブ・ディレクターにケン・ローストン(The Elder Scrolls IV: オブリビオン)、アート・バトルアクション監修はアメコミの巨匠トッド・マクファーレン、シナリオはR. A. サルバトーレという豪華スタッフで話題になりました。そして開発スタジオである38 Studiosは、元メジャーリーガーのカート・シリングが立ち上げた会社であり、破産して無一文になったのも有名な話。
破産の原因に『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』も大きく関わっていたはずですが、ゲームの評価は悪くなかったです。75~80点の佳作という感じ。
このゲームは不遇なところは、2011年11月11日に『The Elder Scrolls V: スカイリム』が発売された後であり、このゲームのエグゼクティブ・ディレクターが『The Elder Scrolls IV: オブリビオン』に携わっていたこと。この背景からTESシリーズみたいなゲームを期待したユーザーも多かったようで、そういった人にとっては肩透かしになりました。
こういう現象は2012年5月24日に発売された『ドラゴンズドグマ』にもあり、あの時代に「オープンワールドRPG」と銘打つと、オブリビオンorスカイリムと比較されてネガティブな評価をもらっていることが多かったです。PS3版のAmazonレビューを見れば、どちらのゲームでもそういうレビューが多く残っています。
今の時代は、オープンワールドRPG=TESシリーズという印象は薄れていますので、フラットな見方で『キングダムズ オブ アマラー:リレコニング』が再評価されるかもしれない。
ルート(戦利品)とビルド(構成)が軸のアクションRPG
そもそもオープンワールドRPGというよりも、このゲームのイメージとしては、ルート(戦利品)とビルド(構成)が軸にあるアクションRPGなんですよね。現代においては主流のスタイルで『ディアブロ3』『デスティニー』『ボーダーランズ3』『仁王2』『Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)』らが該当します。敵を倒したり宝箱を開けてランダムな能力値の装備を手に入れ、それとスキルを組み合わせて自分なりのキャラクターをビルドする面白さがある。
アクションは近年の『イース』シリーズに近い印象で、軽快に動かせて楽しいです。ルート(戦利品)とビルド(構成)の面白さとアクションの面白さが噛み合っており、ここにハマると、このゲームにどっぷりハマる。
戦利品が多すぎるのは好みが分かれるところ。ザコ敵もポンポンと強装備を落としますし、宝箱もそこら中にビッシリ置いてあって、開けるのが面倒になるほど。これでもかと言うくらい開放的な設定で装備が手に入りますので、常に装備品漁りの楽しさはありますが、所持品枠がデフォルト70で、最大でも130なので、持ちきれないストレスと管理の面倒くささもある。リマスター版で改善してほしかったところです。処分できないアイテムがインベントリを圧迫する問題の解決と所持品枠が+50くらいになれば遊びやすくなりそう。
世界設定が濃い
NPCの会話量がめちゃくちゃ多く、世界設定の濃さを感じます。『ドラゴンエイジ:インクイジション』や『アウター・ワールド』などもそうですが、洋RPGでは頭おかしいレベルでテキストが用意されているゲームがチラホラありますね。テキストの入力と確認作業を想像しただけで疲れてしまうほど。
テキストを読むのが苦手だとツライでしょうけど、こういう濃くて深い設定が大好物な人にはタマランです。
MMORPGを1人でプレイするようなゲーム
MMORPGを1人でプレイしているような感覚もあります。FF11みたいに広い世界を走り回り、おつかいクエストをこなす。作業感もあるので、好き嫌いが分かれやすいと思います。私はこのゲームのリズムが好きで、とても楽しめた。
走って移動している時間は楽しくないので、ダッシュの速度は、もう少し速いといいなぁと思う。
リマスター版
リマスター版では当たり前になっているDLC全部入りの完全版なわけですが、そのDLCである『ナロスの牙』と『デッド・ケル伝説』は、日本のPS3版では最初から収録されていました。なんの有難味もないかと思いきや、なんと2021年に新DLC『Fatesworn』が配信されるという。開発スタジオが倒産した2012年のゲームがリマスター版として復活し、新DLCが配信される展開は熱い。このDLCの魅力は大きくて、クリア後のやり込みのモチベーションに繋がります。新DLCがあるから、そのためにもキャラクターを徹底的に育てるぞと。
「DLC全部入り」ですが、PS4版のトロフィーはDLC部分が別枠になっていません。そのため、プラチナトロフィーを獲得するには、本来はDLC部分だったトロフィーもコンプリートする必要があります。
リマスター版としての魅力は弱い
リマスター版というと「DLC全部入り」「高解像度」「高フレームレート」「ロード高速化」あたりが定番。
前述したように「DLC全部入り」は現時点では特別な魅力になっていません。新DLCは、リマスター版としてはスペシャルな存在ですが、今のところはそれに触れられない。
PS4 Proでは60fpsに対応し、解像度は1440pです。
画質はPS3版よりもシャープになっているんでしょうけど、PS3版の画質を覚えていないし、元々が高精細なグラフィックではないので、リマスター版として見てもグラフィックは物足りなさを感じます。
フレームレートは60fpsで安定しているので、アクションが魅力のゲームとして嬉しいところ。
Steam版のユーザーレビューでは賛否両論(1,040件/69%が好評)になっており、リマスター版で5,200円という強気の価格なのに、オリジナル版とあまり違いが感じられない点が指摘されています。リマスター版なので、ゲーム内容はほぼ同じで普通なのですが、グラフィックは驚きがほしかったところかと思う。PCの場合は、オリジナル版が同じPCでプレイできますので、5,200円で買うリマスター版への不満が多くなるのも仕方なしか。
私としては、PS4で『キングダムズ オブ アマラー』がプレイできたのが嬉しいですし、どっぷりハマってプラチナトロフィーも獲得しました。
ロードが多い
リマスター版ではロード時間が改善されるゲームも多いですが、『キングダムズ オブ アマラー』は期待したほど速くないのが残念でした。膨大な数のクエストがあってファストトラベルを多用しますし、建物の出入りでもロードが発生するゲームなので、ロードロードまたロードという場面も多い。ロードのストレスは強めのゲーム。こういうゲームをプレイすると、次世代機の超高速ロードに大きな期待をしてしまう。このようなゲームの場合、ゲームの面白さを劇的に変えますね。ロード時間をガマンしながら遊んでしまう魅力がありますが、ロード時間という重りがなくなったら、どんなに素晴らしいか。PS5でプレイしたいゲームだと思いました。
翻訳はミスもある
翻訳自体は硬さもあるけど機械翻訳というほどではなく、意味は通じるレベル。
ただ、おかしな部分も多数残っており、装備品の胸部分が「宝箱」(Chest: 胸、金庫)と表記されていたり、難易度がイージー/ノーマル/困難/ベリーハードだったり、ジェムがゲームと表記されていたりする。
膨大なテキストがあるゲームを日本語訳してもらえるだけで有難いですが、明らかにおかしい部分が残っており、クオリティが高いとは言えない。
カメラ設定が最高
リマスター版で最高だったのは、カメラの高さと距離、そして視野が設定できること。最近のゲームはカメラへの不満を感じることが多くて、「もっと視点を遠くにしたい」と思ったりしましたが、このゲームは「そこまで遠くしなくていいよ(笑)」というレベルで視野を広くできる。元々アクションの魅力が大きいゲームですが、自分好みのカメラ設定ができることで、さらに快適で楽しくなった。
こういうのは他のゲームでも真似してほしい。カメラの動きと距離が悪くて見にくいゲームは多いですが、カメラの距離を遠くにできるだけで、大きな問題が解決できる。
この前に買った『Marvel’s Avengers Game (アベンジャーズ)』はカメラに馴染めず、メインストーリーを終えただけで止めてしまった。ゲームは日々進化しているのに、アクションゲームのカメラは未だに洗練されないものです。
古いけど面白い
久しぶりにプレイした『キングダムズ オブ アマラー』でしたが、PS3の時よりもハマりました。最近購入したゲームがイマイチ盛り上がらなかった中、その流れを止めてくれた。
グラフィックだけでなくシステムにも古さを感じ、今のゲームは細かい部分が洗練されているのを感じますが、プレイヤーを中毒にする仕掛けみたいなのがしっかりあるゲームですね。装備品漁りや膨大なクエストをたっぷり味わせてくれます。ただ、バランスや翻訳の粗さを感じるところはあります。大味なところと古さも含めて好きになれるかどうか。
レトロゲームというほどではないですが、やや古い洋RPGの魅力に改めて触れられました。
新DLCが2021年ですが、PS5の後方互換でロードが速くなると最高に嬉しいところです。超高速ロードで遊んでみたいゲームの1本。