PS Plusのフリープレイが大ヒットに繋がった『Fall Guys: UItimate Knockout』や『Rocket League』

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『Fall Guys: UItimate Knockout』のPS4版プレイヤーが800万人を超え、Steam版の販売数が200万本を突破したようです。PS Plusのフリープレイを活用した戦略は今後もあるんじゃないかと思います。

フリープレイで大ブレイクさせる戦略

『Fall Guys: UItimate Knockout』のPS4版プレイヤーが800万人を超え、Steam版の販売数が200万本を突破しました。PS4版はリリースと同時にPS Plusのフリープレイでしたので、多くのプレイヤーを獲得できました。
Fall Guys: UItimate Knockout Has Over 8 Million Players On PlayStation – Game Informer

これを見て思い出したのは、『Rocket League』が500万DLを突破した時のこと。この時はPS4版が450万、Steam版が50万でした。この『Rocket League』もリリースと同時にPS Plusのフリープレイでしたので、PS4版の450万の大半がフリープレイだったことになります。

リリースと同時にPS Plusのフリープレイにして、爆発的にプレイヤーを獲得してムーブメントを作り、Steam版や課金コンテンツが売れるという仕掛け方は、かなり効果的なんじゃないかと思いました。
例えば『Rocket League』のPS4版がフリープレイではなく$19.99の販売のみだったら、同時期に500万DLは無理どころか、話題性に乏しくて50万/50万にすら届かなかったと思います。

凄まじい宣伝効果

8/4にフリープレイとして提供された『Fall Guys: UItimate Knockout』、1週間で800万人がプレイするとなると宣伝効果は凄まじく、Twitterのタイムラインでも話題が多かったですし、ゲーム実況も盛り上がっているし、ここまで盛り上がるとメディアも記事にする。この規模の宣伝をしようと思ったら何億円必要かわからない。

宣伝されてもお金に繋がらなきゃ意味がないですが、PS4版はフリープレイなので購入されなくても、PC版で販売が伸びる。さらに課金コンテンツは全てのプラットフォームで販売数の伸びが期待できる。

ゲームの無料配布すら目立てない

CSやPCやスマホで日々大量に販売されるゲーム、その大半が目立つ事なく終えます。世の中のゲームが多すぎて埋もれてしまう。Epic Games StoreやPrime Gaming(Twitch Prime)でゲームの無料配布が行われたりしますが、もうそれすら話題性は小さい。無料配布でユーザーを増やすことすら難しくなっている。この点においてPS Plusのフリープレイは強みがある。1億1000万台以上普及した大きなプラットフォームで、世界中のユーザーとメディアが月の初めのPS Plusのフリープレイに注目し、とりあえずダウンロードする習慣もある。毎月2~3本という限定数も効いており、多すぎると注目度や価値は下がる。注目されやすいサービスとして定着しています。
F2P(基本無料)と違うのもポイント。もし『Fall Guys: UItimate Knockout』がF2P(基本無料)だったらここまで盛り上がったか?という疑問もある。F2P(基本無料)ゲームも星の数ほどあるし、基本無料だからと言って簡単に手は出されず課金への警戒もある。PS Plusのフリープレイだからこその注目度と、有料ゲームを購入せずにプレイできるというお得感があります。基本無料ゲームに手は伸びなくても、有料ゲームが初月だけフリープレイとなると手を出しやすい。

とは言え、古いゲームや低評価のゲームがフリープレイで遅れてブレイクするわけではないですし、リリースと同時にフリープレイになったゲームで目立たなかった作品も多い。でも、面白いゲームでも目立てなきゃ売れない。『Fall Guys: UItimate Knockout』や『Rocket League』のように、PS Plusのフリープレイとの相性が良いゲームは、今後もPS Plusのフリープレイで仕掛けたほうが良いんじゃないかと思います。「仕掛け」は「リリースと同時にフリープレイ」じゃないと着火しにくいとも思う。例えば成熟した対戦格闘ゲームにテコ入れでプレイヤー数を増やそうとしても、多少の効果はあれど大きな効果はないでしょう。有料ゲームから基本無料に移行するゲームもありますが、そこでブレイクはしない印象がある。最初に着火して継続や成長を狙うほうが堅い。
相性が良いゲームは、PS4(PS5)/PCなどのマルチプラットフォーム、ユーザー数が超重要なesports系のオンラインゲーム、課金コンテンツも効果的。パッケージ版があるとリリースと同時にフリープレイ化は難しいでしょうから、配信専用ゲームであることも条件になる。

オフラインゲームだと、評価が高かったのに売上が伸びなかったゲームはフリープレイに適していると思います。評価が高くても宣伝が弱かったり、人気ゲームと発売日が被ると売れにくい。

1週間で1000万ユーザーの衝撃

『Fall Guys: UItimate Knockout』のPS4版プレイヤーが800万人を超え、Steam版の販売数が200万本を突破したことは、今後のPS Plus フリープレイの展開に大きな影響を与えそうな気がします。無料ゲームではないインディゲームが1週間で1000万ユーザーの衝撃は大きい。無料配布でも基本無料ゲームでも目立てないご時世、PS Plus フリープレイを生かした戦略は魅力的なんじゃないでしょうか。

『Fall Guys: UItimate Knockout』も『Rocket League』も個性的で魅力あるゲームだからこそ盛り上がっているわけですが、それでも最初から$19.99の販売のみだったら、これほどの盛り上がりはなかったと思います。PS Plus フリープレイを上手く活用した結果。

PS Plus フリープレイの活用の仕方のお手本が示され、『Fall Guys: UItimate Knockout』に続く、次のPS Plus フリープレイからの大ヒットゲームが出てくるんじゃないでしょうか。

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