2020年8月4日にSONY 2020年度 第1四半期(4~6月)の連結決算が発表されていました。
ついでに発表が遅れているPS5の価格を予想しました。
ハード出荷台数
2020年度 第1四半期(4~6月)のPS4販売台数は190万台。前年度320万台から大幅に減った理由は、PS5への切替直前ということもあるでしょうけど、そもそも売っていないという状況もある。XboxもXbox One XとXbox One S All Digital Editionを生産中止と発表しており、コロナ禍の中で現行機の生産は抑えて次世代機へ注力するのかもしれない。両機種とも後方互換があるので、現行のソフトは次世代機でも遊べる。
年度 | PS3 | Wii | PS4 | Switch | PS5 |
---|---|---|---|---|---|
初 | 361万台 (2006年度) |
584万台 (2006年度) |
750万台 (2013年度) |
274万台 (2016年度) |
– (2020年度) |
2年 | 924万台 | 1,861万台 | 1,480万台 | 1,505万台 | – |
3年 | 1,006万台 | 2,595万台 | 1,770万台 | 1,695万台 | – |
4年 | 1,300万台 | 2,053万台 | 2,000万台 | 1,483万台 619万台※Lite |
– |
5年 | 1,430万台 | 1,508万台 | 1,900万台 | 305万台(4-6月) 262万台※Lite |
– |
6年 | 1,390万台 | 984万台 | 1,780万台 | – | – |
7年 | 不明 |
398万台 | 1,360万台 | – | – |
8年 | 不明 | 122万台 | 190万台(4-6月) | – | – |
累計 | 8,000万台 ※2013/11/2 |
1億106万台 – |
1億1,230万台 – |
5,262万台 881万台※Lite |
– |
営業利益
2020年度 第1四半期(4~6月)の営業利益は1,240億円。前年度が740億円ですから、こちらは大幅増。コロナ禍の中でゲームソフトが売れやすかったうえに『The Last of Us Part II』のヒットもありました。そしてPlayStation Plusの会員数が6月末時点で4,500万人を突破していたとのこと。
PS4の累計出荷台数が1億1,230万台となっており、ゲームソフトとPlayStation Plusが売れる地盤ができていて安定していますね。コロナ禍によるゲームソフトの売上プラス効果がなかったとしても、前年度より増えていたかと思います。『The Last of Us Part II』が延期によって第1四半期(4~6月)に来たのも大きい。
年度 | PS3時代 | PS4時代 | PS5時代 |
---|---|---|---|
2006年/2013年度/2020年度 | -2,323億円 | -81億円 | +1,240億円(4-6月) |
2007年/2014年度 | -1,245億円 | +481億円 | – |
2008年/2015年度 | -585億円 | +887億円 | – |
2009年/2016年度 | -831億円 | +1,356億円 | – |
2010年/2017年度 | +356億円 | +1,775億円 | – |
2011年/2018年度 | +293億円 | +3,111億円 | – |
2012年/2019年度 | +17億円 | +2,384億円 | – |
※2006年から2008年、2011年と2012年はゲーム分野。
※2009年と2010年はNPS分野(ネットワークプロダクツ&サービス)。NPS分野はパソコンやデジタルミュージックプレイヤーなど幅広いのでゲーム分野としての参考にはなりにくいです。2011年までNPSだったのですが、2012年の発表で前年比として2011年のゲーム分野の数字が出ていました。
※2013年から2020年はG&NS分野(ゲーム&ネットワークサービス)。ネットワークサービスは主にPSNですので、PlayStation分野という感じ。ちなみに『Fate/Grand Order』は音楽分野です。
2013年度(PS4)と2020年度(PS5)
2020年度の見通しが+2,400億円というのは驚きです。PS3の発売年度は-2,323億円、PS4の発売年度は-81億円でした。
第1四半期(4~6月)が+1,240億円だったという数字を見れば、残り9ヶ月で+1,160億円というのはわかりますけどね。ハードの発売年度は赤字かプラマイゼロくらいという印象があった中で、初年度から大儲けする見通しなのはビジネスモデルの変化を感じます。
PS4が発売された2013年度の数字を見ると、
年度 | 第1四半期 (4~6月) |
第2四半期 (7~9月) |
第3四半期 (10~12月) |
第4四半期 (1~3月) |
---|---|---|---|---|
2013年度 | 1,179億円 -148億円 |
1,557億円 -8億円 |
4,418億円 +180億円 |
2,638億円 -105億円 |
2020年度 | 6,061億円 +1,240億円 |
– | – | – |
PS4発売の時は、本体発売前に赤字を抱えて発売月に黒字となりました。2013年度 第1四半期の営業利益-148億円は、PS4導入に向けた研究開発費の増加が大きかったようです。2020年度 第1四半期は、その影響がまったく感じられないほど売上と営業利益がありますね。
2020年度の営業利益見通しが+2,400億円、残り9ヶ月で+1,160億円(四半期あたり+387億円)となると、PS5の逆ザヤはけっこう大きいのかもしれない。営業利益の見通し内訳は、
- (+) ゲームソフトウェアの大幅な増収
- (+) PS Plusの大幅な増収
- (-) PS5導入にかかる販売費及び一般管理費の増加
- (-) ハードウェアの売上原価率上昇
ゲームソフトウェアとPS Plusが大幅に増収する中、PS5にかかる費用が大きいようです。ユーザーからしたら逆ザヤでPS5の本体価格が安くなるのは嬉しい話。
となると最大の注目点はPS5の本体価格。過去記事でも価格に関して何度か触れていますが、$599以上になると家庭用ゲーム機としては普及が厳しい。「性能のわりに安い」と言うのもコアゲーマーは納得するけど大衆には通用しないと思います。日本だと消費税込みで65,978円になり、それだけで引かれそう。
PS4は$399を「マジックプライス」と称して実際に大成功しましたが、PS5がマジックプライスで出せるかは難しそう。$499くらいがギリギリの落としどころなんじゃないかと思います。XboxOneは$499だったんですよね。でも$400以上のハードが、いわゆる勝ちハードになった例はないんですけどね。
$100の差があるPS4 SlimとPS4 Proでも売れるのは安いPS4 Slim、同じプラットフォームでも性能より価格が強い。家庭用ゲーム機の価格設定は本当にシビアだと思う。
PS5はデジタルエディションも発売されますので、$449/$499になるのか$499/$549になるのかもわかりませんが、事前のアンケートを見ると80%以上がディスクドライブ有りを希望していますので、ディスクドライブ有りで$499じゃないと厳しい状況になるんじゃないかなと思います。
私は$449/$499と予想。昔とは儲け方が違いますので、ハードを普及させないと安定しているPS Plusの収入まで失う。SIEは縦マルチをやらないですので、Xboxよりも次世代機の普及が重要でもある。出足でつまずくと挽回が難しいですから、ハードを高価にしてコケるような戦略はとらないでしょう。$500未満は守ってくるんじゃないかと思います。マーク・サーニーは価格で無茶をしない印象もある。
あまり需要が多くないデジタルエディションを同発するなら、$399/$499も可能性があるのかなと思います。本来ならディスクドライブの有無での価格差は$50程度でしょうけど、マジックプライスの$399を死守するために少しでもコストを削ったデジタルエディションを用意したのかもしれない。
発売日はPS3が2006年11月11日(土)、PS4が2013年11月15日(金)でしたので、PS5は2020年11月13日(金)が本命だと思います。PSは数字の語呂合わせをしているイメージがありますが、それはあくまで日本向けのもの。世界同時発売なら、語呂合わせは関係なく、大安とかも関係なく、11月中旬の金曜日が本命。
なんにせよPS5もXbox Series Xも価格発表が遅すぎますね。PS4とXboxOneは6月10~11日に価格発表されていましたので、今回は既に2ヶ月も遅れている。価格発表の遅さを歓迎するユーザーはいないでしょうから、フラストレーションが溜まっていく中で高価な価格設定だったら反感も強いと思います。焦らされたからこその発表の楽しみがあるのですが、焦らされたうえでガッカリというのは良くないやり方。
- 6月10日 XboxOne価格発表 – E3プレスカンファレンス
- 6月11日 PS4価格発表 – E3プレスカンファレンス
- 8月21日 PS4発売日(欧米)発表 – gamescom 2013
- 9月5日 XboxOne発売日(欧米)発表
ここまで遅いとなると、今回は価格と発売日が同時発表になりそう。この期に及んでどちらかを発表できない状況だと発売延期も危惧するレベルになってきます。緊張高まる中、両ハードがどんな数字を出してくるかワクワクしており、非常に楽しみです。
コメント
MSとチキンレースしてるという面もあると思うんですが、それだけじゃないと思うんですよね。何か発表に向けて仕込んでいるか、もしくは極度に警戒しているかだと思います。ここまでまともなリーク情報が一切出てこないところを見ると、内部調査と粛正がうまく進んでいる証拠なのかなとも思います。いつだったか忘れましたが、マークがサプライズのリークが出なかったことを喜んでいた事があったので、その延長なのかなと。今回は重大な発表になりますので、内部の負荷テストとリーク者の特定と粛正も兼ねているんじゃないかと勝手に思ってます。組織としてのバグ取りの一環なのかなと。
個人的には$399/$499な気がしています。
マジックプライス実現のためのディスクレスかなと。
PSNの収益と連動させての値付けな気がしますね。
ダウンロード版だと全部ストア経由で利益率高いでしょうし。
とはいえ流石に情報遅すぎてフラストレーション溜まるレベルですね。
ホリデーシーズンのソフト予約始まってますしPS5版が同発とかなったら予約し直さないといけないです。
サードも発売日ろくに発表できないのはやりにくそうです。
gamescomが年内発売なら最後のタイミングな気がしますね。
そこで高い値段出したら反応厳しそうです。
PS5の予定がわからないとホリデーシーズンのソフトも予約に動きにくいですね。縦マルチもありますし、PS5独占タイトルに時間を使うならマルチのタイトルを定価で買って積んでも仕方ないですし。
Switchみたいに29,980円クラスなら1月13日に発表で3月3日に発売でも大丈夫でしょうけど、PS5はそこまで安くないでしょうし、今回は後方互換ありでサードのタイトルも詰まっていそうだから早く発表してほしいところです。
PS5のディスクドライブはPS4までのBDドライブと異なり、ゲームディスク用の独自仕様付きBDXLドライブになるので、BDXLやUHDBDプレイヤーの量産普及がそこまで進んでいないこともあり、未だ製造コストはかなり高めです。
そのため、ドライブ有りによるその他の仕様差(UHDBD周りのライセンス料や金型の違い、部品点数の増加等)も含めて、コストは$50では収まらないと思います。
さすがに$100には達さないと思いますが、販売戦略的にも、私は価格差$100で、やはり$399/$499が一番可能性が高いと予想しています。
何なら、ドライブ有りを$499に収められなかった場合、$399/$549ぐらいでドライブ無しを逆ざや気味に出してくる可能性もなくはないかと……
私も$399/$499を第一候補にしたくなりました。ユーザー側からすれば安ければ安いほうが嬉しいですしね。
SIEがマジックプライスを捨てないというこだわりは、やっぱりあるかもしれない。
以前も書きましたが、私はロンチで2モデルを出すことは反対です。今回、あえて2モデルで出すなら、デジタルエディションが低価格であってほしいと思います。
とは言え、これまでの2モデルは性能とかHDD容量とか、ユーザーが計算しにくい部分のわかりにくさが嫌だったのですが、自分がディスクを使うかどうかは誰でも判断できるかなと思うので、そこまで購入前の悩む壁にはならないかなとも思います。
なんにせよ、どんな数字が出てくるか楽しみ。
既に2モデル発表している以上、よほどのことがない限り2モデル共にロンチで発売されるのは確実だと思います。
そして今回ドライブレスモデルをロンチで用意したのは、SIE側は色々と言っていますが、結局のところドライブ有りモデルの価格を抑えきれないがための苦肉の策というのが最大の原因だろうと睨んでいます。
なのでドライブレスは、$399かそれに近い価格に、少なくともやろうと思えば出来る一方で、ドライブ有りはかなり高額になる可能性が高いかと思いますが、実際の価格はMSの出方や景気・営業状況を加味して、調整を繰り返している段階なのでしょう。
ただ、SIEとしてもドライブ有りが人気になることは予想しているはずなので、ドライブレスがマジックプライスだからといって、有りの値段を上げすぎるのがマズいことも分かっているはず。
価格が安くなる好材料としては、仰るように今期や来期の売上げ/利益が非常に高水準であるため、低利益や最悪逆ざや価格でも耐えられそうな点、逆に悪材料としては、XSXの前評判が現時点で芳しくなく、無理に価格勝負をしかける必要が薄れてきた&加えてMSがハードを売るのではなくサービスを売りにする方針変更をした気配があるため、XSXが思ったほど低価格にならない可能性(低価格競争から降りる可能性)が出てきた点でしょうか。
SIE・MS双方共に価格発表が遅いのは、ほぼ間違いなく製造原価が上がり、今までのような価格を気軽に提示できない状況にある中で、どこまで利益を削り低価格にするか、互いの出方を見合っているためでしょうが、好材料・悪材料の両方が揃ってしまっているため、ほんとに価格が読めずにやきもきしますね……。