2020年6月12日5時に公開された『PS5 – THE FUTURE OF GAMING SHOW』のまとめと感想。
発表内容
- グランド・セフト・オートV
- Marvel Spider-Man – Miles Morales –
- グランツーリスモ7
- ラチェット&クランク RIFT APART
時期未定 PS5 Insomniac Games - PROJECT ATHIA
時期未定 PS5/PC スクウェア・エニックス - STRAY
2021年 PS5/PC BlueTwelve - RETURNAL
時期未定 PS5 Housemarque - SACKBOY – A BIG ADVENTURE –
- Destruction Allstars
- Kena: Bridge of Spirits
2020年 PS5/PS4/EpicGameStore Ember Lab - Goodbye Volcano High
- ODDWORLD SOULSTORM
- Ghostwire: Tokyo
2021年 PS5/PC Tango Gameworks - JETT – THE FAR SHORE –
- GODFALL
- SOLAR ASH
2021年 PS5/PS4/Steam Heart Machine - ヒットマン3
2021年1月 PS5/PS4/XboxSeriesX/XboxOne/PC IO Interactive - ASTRO’s PLAYROOM
- LITTLE DEVIL INSIDE
- NBA 2K21
- BUGSNAX
- デモンズソウル
- DEATHLOOP
- バイオハザード ヴィレッジ
2021年 PS5/XboxSeriesX/Steam カプコン
- PRAGMATA
2022年 PS5/XboxSeriesX/Steam カプコン
- HORIZON – FORBIDDEN WEST –
- PS5本体、ヘッドフォン、リモコン、カメラの公開
史上最高の発表会
素晴らしい発表会でした。デジタルイベントは物足りないことが多くて、過去記事にその問題点を書いていました。
- 雰囲気ムービーだけでゲームプレイが出てこない
- Youtubeの画質ではグラフィックの良さが伝わりにくい
- ダイジェストでパッパッパッと発表されても印象に残らない
- お喋りが長い
- 大きな弾が必要
今回の『PS5 – THE FUTURE OF GAMING SHOW』は、お手本となるような発表になっていました。デジタルイベントに関して、かなり研究してきたなという印象。内容の濃さも踏まえると、過去の発表会よりも良かったです。
ゲームプレイを見せる
最高に良かったのは、多くのタイトルにおいてゲームプレイを見せたこと。過去記事で「ゲームなのにゲームプレイを重視しない紹介は歪んでいると感じる」とも書きましたが、やはりゲームプレイを見せてくれるのが最高です。
特に新規IPでゲームプレイを見せる意味が非常に大きい。新規IPのムービーシーンは好みに合わないと退屈になりがちです。でも今回、新規IPのゲームプレイをいきなり見せられると「どんなゲームだろう?」と前のめりになって見られましたし、人のゲームプレイを見ると自分もやりたくなる気持ちも感じた。
最初の4タイトルは超有名IPでしたが、そこから新規IPが多くなった。もしそれらが世界観ムービーメインだったら、かなり退屈な時間になっていた可能性もある。
それを一番強く感じたのが『Kena: Bridge of Spirits』でした。冒頭のムービーは「ディズニーかピクサーのビジュアルっぽいゲームが出るんだなぁ」という印象くらいで、まったく魅力は感じていませんでしたが、後半にわかりやすいゲームプレイが出てきて「プレイしてみたい!」と思えた。
リアルタイムで視聴していない人は有名IPを追いがちになると思いますから、この新規IPへの喰いつき感は伝わりにくいかもしれない。今回の発表はゲームプレイを重視することで、新規IPの「入り方」が別次元レベルで高まったのが大きなポイントに感じた。「有名IPのサプライズ待ち」にもなりかけていたゲーム発表会の大きな変革。
実機で見せる
過去記事に「今はゲームプレイ、そして実機でのプレイが強く求められていると思います。」と書いていましたが、それもクリアしている。「CAPTURED ON PS5」という一文を入れて、PS5でキャプチャした事を強調していました。
『ラチェット&クランク RIFT APART』の超高速エリアチェンジが凄かったわけですが、もし実機ではない動画なら、あまり意味がなかった。「CAPTURED ON PS5」だからこそ喜べるし凄い。
お喋りが短い、主役はゲーム
冒頭にジム・ライアン氏の挨拶が1分あり、「私からは以上です。ここからはゲームに語らせましょう」という言葉で締めくくってからは、ゲーム映像がメインとなりました。たまにクリエイターのコメントが挿入されましたが、要点だけをズバッと述べたものであり、非常にテンポが良い。「お喋りが長い」という不満はまったく感じず、主役はゲームであるという意識が感じられた。
元SIEのAdam Boyes氏が言っていた「今の人々はスポークスマンに関心がありません『見せてくれ』という感じです」「TikTokの時代になって、人々は新しいものを見たがるようになったと思います」という部分をSIEもわかっていたようです。
そして過去記事に書いた「説明は大事」「Youtubeの映像垂れ流しでは『今までとあんまり変わらん』となる可能性もある」にも対応していました。
例えば『ラチェット&クランク RIFT APART』では、超高速エリアチェンジやレイトレ―シングについての解説を挟みながら見せている。
『グランツーリスモ7』では「キャンペーンモードを中心にしたグランツーリスモになっている」という一言がめちゃくちゃ大きい。こういう効果的な説明を入れられるかどうかで印象は大幅に変わる。
超有名IP、リメイク、新規IPの良いバランス
『スパイダーマン』『グランツーリスモ』『ラチェット&クランク』『HORIZON』らSIEワールドワイドスタジオの新作があり、期待された『デモンズソウル』のリメイクもあり、サードでは『ヒットマン3』『バイオハザード ヴィレッジ』がビッグタイトルでした。そして新規IPをゲームプレイ中心で見せていて、超有名IP、リメイク、新規IPのバランスが良かった。
グラフィック性能の話だとフォトリアル系が注目されやすいですが、今回発表されたゲームはグラフィックの幅が広かったのも好印象。
1回の発表会で、このレベルのタイトルがまとめて発表されるのは稀だと思います。事前に予想orリークされていたことで、衝撃がやわらいだ部分もあるでしょう。
インディーズデペロッパーのゲームが9タイトルありましたが、過去の発表にありがちだったインディゲームのダイジェスト紹介ではなかったので、1本1本の印象が強かった。
事前の告知
事前にジム・ライアン氏が「今回は、年末商戦期のPS5発売後にお楽しみいただけるゲームタイトルを初お披露目します。」と言っていたので、今回はゲームタイトルの発表だけなんだなと意識して見られたので良かった。発売日、価格、後方互換、本体外観、コントローラーの背面、Createボタン、PSVR2、「いつでも・どこでも」やクラウドなどは最初から発表を期待しなくて良かったのでガッカリ感がない。そんな中、本体の外観が公開されたのはサプライズでしたね。
そして「事前に収録した映像を1080p、30フレーム/秒で放映いたします。」とも言っており、これでYoutubeの画質では実機の画質が伝わらないことも意識できる。
あくまでリアルタイムの配信が1080p、30フレーム/秒という話であり、タイトル別に4K動画もアップされています。とは言っても、Youtubeで4Kでも実機の画質には劣るかと思います。
なんにせよYoutubeの画質と実機の画質は違うというところを多くの視聴者に知ってもらう必要は、まだまだあると思う。
日本語の動画あり
E3のプレスカンファレンスだと、同時通訳になりますので翻訳の不安定さを感じていました。今回のような動画発表だと、事前に字幕が作成されていますのでわかりやすい。
デジタルイベントのほうが良い
コロナ禍によってデジタルイベントにせざるを得なかったわけですが、今回の発表を見ると、今後もデジタルイベントの方が良いなと思えました。
今回が史上最高の発表会という理由。従来の発表会における「有名IPのサプライズ待ち」という傾向の強さで考えると、2015年の『ファイナルファンタジー7 リメイク』『シェンムー3』『HORIZON ZERO DAWN』らが発表されたPlayStation E3 EXPERIENCE – 2015 Press Conferenceが最高だったかと思います。特に『ファイナルファンタジー7 リメイク』と『シェンムー3』は伝説的な盛り上がりを見せ、そのリアクション動画も大きな注目を浴びました。でも全体で見ると、DLCの発表だったり、テンポの悪さだったり、発表済タイトルに時間を使ったり、ちょっと退屈になる時間も長かったです。
今回のデジタルイベントのほうが全体的な引き込みは良くて、まったく退屈しない1時間でした。もう従来の待ち時間があるテンポの悪い発表に戻るのはキツイ気がします。
2015年のようなタイトル群を今回の形式で発表すれば最高かもしれないですね。
過去記事に書いた「ぼくが悪いと思うデジタル発表会」をほとんどクリアしていることも素晴らしい。
6月5日5:00からPS5のゲームタイトル発表【追記】延期になりました – PS4ちゃんねる Pro
PS5のゲーム一覧とオンラインイベントの難しさ – PS4ちゃんねる Pro
ほぼ文句なしと言える発表会に仕上がっていました。
問題点を挙げるとしたら、PS5の発売日が決まっていない事情もあり、発売日が発表されたゲームが1本もないこと。結果として、いつ出るかわからないゲームの発表が多くなった。発売がかなり遅くなるゲームも交ざっているかもしれない。
「HOLIDAY 2020」と表記されているタイトルはロンチの可能性もありますが、多くはなかったです。
客観的評価も非常に高く、1028万回再生されたENGLISH版の動画は、高評価43万/低評価4万で高評価率が91.4%。日本語版は44万再生で高評価1.2万/低評価1,504で高評価率が88.8%でした。かなりユーザーの期待値が高かったであろうPS5のタイトル発表会で、これだけの高評価を得たのは凄いことだと思う。
先の『Inside Xbox Presents First Look Xbox Series X Gameplay』が127万再生で高評価率56.2%というのを考えると、まず最初の大きな発表でライバルを圧倒したと言えます。MSは巻き返しを図るでしょうから、次の発表はかなり力の入った良いものになるんじゃないかと思います。今回のSIEの発表スタイルの影響も受けるかもしれない。次世代機の発表合戦がますます楽しみです。
グランツーリスモ7
山内氏が「今回のグランツーリスモは、おそらくこれまでのグランツーリスモのファンの方がプレイしたら本当に嬉しいんじゃないかっていう、キャンペーンモードを中心にしたグランツーリスモになっていると思います。」と述べていたのが最高でした。1人用のキャンペーンモードの弱さは『グランツーリスモSPORT』で酷く叩かれた部分だったんですよね。『グランツーリスモSPORT』で培ったesportsとしてのグランツーリスモと、初代から培ってきた1人用のキャンペーンモードの面白さが融合し、最高のグランツーリスモが生まれる期待が大きいです。
グランツーリスモに限らず、レース前のロード待ちが長いゲームは多いです。それがPS5でどのくらい変わるかを見たい。ちなみに私は『クラッシュ・バンディクーレーシング ブッとびニトロ!』『Wreckfest』はロード待ちが嫌で続かなかったです。ホント、大事な要素。
『FIFA 21』や『MLB The Show 21』らもPS5で発売されると思います。こういう試合を繰り返すスポーツゲームにおいて、試合前後のロード待ちがなくなれば最高です。PS→PS2→PS3→PS4では、どうにもならなかった部分。変われば革命的。
ラチェット&クランク – RIFT APART –
PS5の超高速SSD(超高速ストレージアーキテクチャ)の凄さを見せてくれました。ポータルに吸い込まれてエリアチェンジするまでの時間が早い。このレベルならロード待ちのないゲームと言える。
PS5のロードのデモは『スパイダーマン』がありましたが、あれはSony IR Dayで見せるための映像でしたし、ゲーム自体がPS4のゲームでもある。今回、初めてPS5独占タイトルで、しかもPS5からのキャプチャで超高速ロードが披露された。
RETURNAL
新規IPの中では『Kena: Bridge of Spirits』と並んで気になった。中年女性が主人公のゲームは多くないですし、どんなアクションや語りをするのか興味深い。
動画の概要欄では「PS5ならではの臨場感あふれる3Dオーディオが、プレイヤーを取り巻く異世界に生命を吹き込み、激しい位置取りの戦闘をナビゲートします。」と、3Dオーディオの効果を伝えている。
「プレイヤーは死ぬたびに変化する敵対する惑星で生き残りをかけて戦います。」「死んだ後もすぐにアクションに戻ることができます。」ともあり、これもPS5の超高速SSD(超高速ストレージアーキテクチャ)が効果的に機能していそう。
次世代機、PS5ならではの要素が感じられる。
Ghostwire: Tokyo
三上真司氏の新作。PS5/PCで2021年に発売予定とのことで、家庭用ゲーム機としてはPlayStation独占なのが意外でした。『ヴァンキッシュ』や『サイコブレイク』はPS/Xboxのマルチタイトルでしたからね。
デモンズソウル
Bluepoint GamesとJAPAN Studioが手がけるリメイク。『ワンダと巨像』と同じように0から再構築されているとのこと。美しいシャドウ効果やレイトレーシングが実装されているようです。
リマスターではなく0から再構築しているので、これもPS5クオリティの『デモンズソウル』になりそう。
フロム・ソフトウェア自身のリメイクじゃないのもポイントで、フロム・ソフトウェアは『エルデンリング』を開発中ですが、PS5向けにも何かあるのかな?
バイオハザード ヴィレッジ
対応機種はPS5/XboxSeriesX/Steamで2021年に発売予定。驚くのは縦マルチを切ってきたところ。目先のビジネスとして考えたら1億台を超えているPS4にも出したほうがいいのですが、縦マルチにしてしまうと旧世代機に足を引っ張られる部分が出てくるということだと思います。近年、飛躍しているカプコンらしい判断。良い物を作ろうという意識が感じられます。そこにユーザーがついて来るのもわかっている。
『7』の続きであり『VIII』を強調した表記もあるのですが、今のところタイトルは『バイオハザード ヴィレッジ』とされている。
ソフトラインナップは心配していない
今回はゲームタイトルの発表であり「本発表の後も、PS5に関してはまだまだたくさんの情報をお届けしてまいりますのでご期待ください。」ということですので、まだまだPS5に関する発表がたくさん残っています。ソフトに関しても、とりあえずの28本発表ですし、PS4にあるシリーズ物なんかはPS5で展開されることになるかと思います。AAA級ばかりじゃなくて、PS4と同じようにインディーゲームも多いでしょう。ソフトラインナップに関しては全然心配していないどころか、今と同じようにタイトルが多すぎて取捨選択に悩むことになると思います。
- アサシン クリード ヴァルハラ
- Call of Duty:Warzone
- CHORUS
- Control
- Destiny 2
- DIRT 5
- フォートナイト
- ゴッズ アンド モンスターズ
- OBSERVER: SYSTEM REDUX
- OUTRIDERS
- QUANTUM ERROR
- レインボーシックス クアランティン
- SCARLET NEXUS (スカーレットネクサス)
- Vampire: The Masquerade – Bloodlines 2
- Warframe
- ウォッチドッグス レギオン
こういう発表会だとビジュアルが強いゲームが選ばれがちだと思いますし、そればかりの印象も強くなりますが、天井が高くなって幅が広がるという話。PS4でもドット絵のゲームや素人が作ったような雑なゲームがいっぱい出ていますし、世界的な発表会向けじゃない国内向けゲームも多く出ている。次世代機が出るたびに「グラフィックが凄くなった」という印象を受けるのは当然ですが、そこばかりじゃないというのもさすがにもう理解する必要があるかと思う。当たり前なんだけど、Twitterの反応だと「そればかり」と思い込んでいるような人もチラホラいたりする。PS5もPS4と同じで、ゲーム全体がこういう方向に向かうわけではないでしょう。
「グラフィックが凄くなった」とだけ見るんじゃなくて、シンプルに「できることの幅が広がった」というのが大きい。PS4でフレームレートが低かったりロードが長かったり、開発側の技術的な問題で発生していたストレスもハード性能の向上で解決される。
今のゲームも非常に楽しんでいるわけですが、次世代では、映像、音、コントローラー、フレームレート、ロード速度らがパワーアップされる。ただただ有難くて有難くて有難くてという感じです。特にロード時間がなくなることを一番期待しています。今回の発表では『ラチェット&クランク – RIFT APART -』で確認できたのが嬉しかった。
今回の発表で最高の場面は、ラチェクラのエリア切り替えのところ。PS5でしか実現できないレベルのものを見せたんじゃないかと思う。
これを皮切りに
とりあえず今回は動画の高評価率の高さもあり、個人的な満足度も高くて大成功かと思います。個別に出ている4K動画も大画面で見直したいです。
UE5のデモからの良い流れが続いている。懸念は価格、従来に比べて高くなりそうであります。
久々に大興奮できたSIEの発表会でした。今回の大きな発表会を皮切りに、これから小さな情報もバンバン出てくるように思います。そして来週には『The Last of Us Part II』が待っている。来月には『Ghost of Tsushima』。次世代機の情報にワクワクしつつ、現行機の円熟したAAA級ゲームをプレイできる贅沢。
コメント
ファミ通公式ツイッターで興味深いアンケート結果がでてました。
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「PS5には、Ultra HD Blu-rayディスクドライブを備えたスタンダードモデルと、ディスクドライブがないデジタル・エディションの2種類があることが判明。」
そこでアンケートを実施します!
あなたが欲しいのはどっち?
PS5 ディスクドライブありのモデル 82.1%
PS5 ディスクドライブなしのモデル 17.9%
5,764票 · 最終結果
https://twitter.com/famitsu/status/1271390691524894723
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となってますね。
ええぇ、、意外ですね、、
これが日本なんですねぇ。。
私は普通にドライブありver.を買う予定です。
Ghostwire: Tokyoには、2016年のDOOMでアニメーションディレクターをされていたHaraさんが開発に参加されているとのことです。
一番嬉しかったのは Demon’s soulsのリメイクです。BloodborneのPS5 ver.の噂もありますが、果てして真相は・・・。
3Dオーディオのヘッドホンも気になります。それでプレイ感が劇的に変わるのかどうか。
VR関連の紹介がなかったのもよかったと思います。
好きな人には悪いけど興味ない人にとっては退屈な時間で、
毎度のstate of playなどでの低評価の原因になってたように感じてたので
デザインも好評なのよね、ps海外tube公式の本体発表部分を抜き出してる動画の高評価95万、低評価3.6万と高評価率圧倒的だし(再生数は現在1600万
あれ、値段なしか