6月5日5:00からSIEのデジタルショウケースが開催され、PS5のゲームタイトルが初お披露目となります。時間は1時間~1時間15分くらいとのこと。
北米の事態を考慮しての延期が決定しました。
ゲームタイトルの発表
まず何の発表かというと、SIEのCEOであるジム・ライアン氏が、
「これまでPlayStation®5については、技術スペックや、ワイヤレスコントローラー DualSense™の外観をご紹介してきましたが、コンソールゲーム機の発売はゲームなくしては語れません。
そこで今回は、年末商戦期のPS5発売後にお楽しみいただけるゲームタイトルを初お披露目します。新しいスタジオからベテランのチームまで、規模の大小を問わず、世界中の革新的な開発会社の皆様が日々、PS5向けのゲーム開発にご尽力いただいています。ハードウェアの可能性を引き出すべく制作されたゲームの数々は、業界の中でも選りすぐりのものになるでしょう。」
と語っており、ゲームタイトルの発表だと言っております。
「来週の本発表の後も、PS5に関してはまだまだたくさんの情報をお届けしてまいりますのでご期待ください。」
とも言っているので、今回の発表の後にも、まだまだたくさんの情報を届ける予定だと。逆に言うと今回の発表では出しきらない。
一次ソースであるジム・ライアン氏の発言から、この確認をしておくのが大事です。と言うのも、2020年3月19日にGDCで実施予定だったPS5の技術仕様に関するセッションの動画が公開された時に、多くの人が経緯を理解していませんでした。単にPS5に関する発表だと思っていたようで、例年のGDCから考えて出てくるはずもない情報を期待していた人が多かったようです。実際には例年のGDCの情報よりもはるかに濃い内容だったわけですが、技術仕様に関する話だと理解されていなかったため、動画への低評価も多かった。と言っても高評価がその3倍でしたけど。
今回も二次ソース以降で尾鰭が付くのは予想できます。ゲームタイトル以外だと、発売日、価格、後方互換、本体外観、コントローラーの背面、PSVR2、「いつでも・どこでも」やクラウドなどなど。それらに触れる可能性が0ではないですから期待するのは自由ですけど、ジム・ライアンはゲームタイトルを初お披露目としか言っていませんので、現代に必要なスキル「ネットリテラシー」の面から見ても、ゲームタイトルのみの発表に期待するのが良いかと思います。
本体価格発表の時期
上記したゲームタイトル以外の話題だと、価格は気になるところ。PS4/XboxOneの時は6月のE3の時期が価格発表でした。いつまでも隠すようなものではないし、PS5もXboxSeriesXも6月中には発表するんじゃないでしょうかね。
- 2月21日 PS4正式発表 – PlayStation Meeting 2013
- 5月22日 XboxOne正式発表 – MS次世代Xboxイベント
- 6月10日 XboxOne価格発表 – E3プレスカンファレンス
- 6月11日 PS4価格発表 – E3プレスカンファレンス
- 8月21日 PS4発売日(欧米)発表 – gamescom 2013
- 9月5日 XboxOne発売日(欧米)発表
日本では特別定額給付金でPS5を買うという声もチラホラありますので、ユーザーの予算を組みやすくしてほしいところではありますね。
ジム・ライアン氏は、
「過去に適用されてきた歴史的なテンプレートやモデルが、将来的には適用されない可能性があります。
これに対処するための最善の方法は、可能な限り最高の価値提案を提供することだと思います。必ずしも最低価格という意味ではありません。価値とは多くのものが組み合わさったものです。私たちの領域では、それはゲームを意味し、ゲーム数、ゲームの深さ、ゲームの幅、ゲームの質、ゲームの価格…これらすべてのものと、プラットフォームの機能セットをどのように利用するかを意味します。」
と語っています。この「最高の価値提案」を示せる最も強い部分がゲームソフトになるでしょうから、6月5日5時~のソフトが本当に魅力的なら、その場で本体価格を発表したほうがいいように思います。ユーザーが高い価値を感じている時なら、従来より高い$499~でも抵抗は軽減される。
PS5独占タイトルにこだわるSIE
GamesIndustry.bizのジム・ライアン氏へのインタビュー記事で、
「わざわざ次世代機を作るのであれば、前世代にはない機能やメリットを盛り込むべきだと考えています。そして、それらの機能を最大限に活用できるようなゲームを作るべきだと考えています。」
「デュアルセンスコントローラにしても、3Dオーディオにしても、SSDの多様な使い方にしても……。」
とコメントしています。つまりPS4との縦マルチには否定的で、PS5独占タイトルとしてPS5の機能を最大限に活用できるようなゲームを作るべきだと考えている。
これは嬉しいコメントでした。私は過去記事で「ゲームの作り方が大幅に変化するなら、PS5だけが異次元の速さであってもサードパーティーが対応してくれなさそうです」「PS3→PS4の時よりもゲームの作り方が劇的に変わったことにより、PS4→PS5では縦マルチと独占タイトルのクオリティの差が大きくなるかもしれない」と書いており、デュアルセンスに関しても「デュアルショック4のスライド機能にしてもそうですが、マルチタイトルが主流になっているので、コントローラーの独自機能には対応されにくい印象です」と書いていました。超高速SSDと超高速ストレージアーキテクチャにより劇的な変化が期待されるPS5の中で、縦マルチや横マルチではPS5の性能が生きないんじゃないかという懸念がある。UE5のデモで少し緩和されたとは言え、まだまだマルチタイトルに対する不安は消えない。なのでジム・ライアンの姿勢は歓迎。次世代機ならでは、PS5ならではのゲームが見たい。
なんにせよ私が最大限に期待しているのはPS5の機能を生かした独占タイトル。となるとPlayStation Studiosのタイトルで何が出てくるかが最注目。
PS4が発売されて6年半以上が経ち、ゲームハードが7年周期という事を考えると最終年なわけですが、6/19に『The Last of Us Part II』、7/3に『マーベルアイアンマン VR』、7/17に『Ghost of Tsushima』とファーストパーティーの独占タイトルを揃えている。うち2タイトルはAAA級と言える大作。こうやってロンチから最終年まで独占タイトルを提供するやり方が良いと思います。PS5もそうなりそうな期待が持てる。
ビジネスとして考えると勇気ある挑戦だと思います。PS4は1億1,000万台以上も出荷されているわけですから、妥協してソフトのクオリティを落としてでも縦マルチで手堅く売上を出したいはず。普及台数がリセットされるPS5に特化して、本当に良い体験を届けたいという姿勢はユーザーとして嬉しい。
どんな発表スタイルになるか
ジム・ライアン氏は上記のインタビューで、
「ロサンゼルスの講堂で何千人もの観客を前にしたときと同じレベルのアドレナリンや興奮、話題性を生み出すようにしなければなりません。そして、それを遠隔操作で実現することです。
それが私が設定した挑戦です。E3の講堂にいるかのようにコミュニティを興奮させることです。」
と語っています。PS公式ブログでは、
「初の試みであるデジタルショウケースという形でお届けします。」
と言っておりますから、State of Playや今までの動画発表とは違うものになります。この点も非常に注目しており、「何千人もの観客を前にしたときと同じレベルのアドレナリンや興奮、話題性を生み出すようにしなければなりません」という発表がどんなものになるのか期待します。発表会の魅力は、ショーとしての盛り上がりや興奮も大きいですから、それを意識して実現できたかどうか。
発表のポイント
- MCや関係者の長いお喋りは危険
長いお喋りが生きるのは、大きい発表直前のフリとしてだけだと思います。
過去の発表会でも、発売済ゲームのDLCとかパンチが弱いところでの長話は退屈になりやすかった。
元SIEのAdam Boyes氏も「今の人々はスポークスマンに関心がありません『見せてくれ』という感じです」「TikTokの時代になって、人々は新しいものを見たがるようになったと思います」と否定的でした。過去のE3プレスカンファレンスに対しては「今見ると少し時代遅れな感じがします」とも。
Sony’s Change in Approach to E3 Showcases Is ‘What the Fans Want’ – Push Square
日本のネット番組でもやりがちです。情報を求めて視聴した番組で、喋りが達者ではない人の長いお喋りを聞くのはツライ時間になります。身内でダラダラ喋るのは身内でダラダラ喋る番組としての重要はあるかと思いますが、情報が期待されている番組では難しい時間になる。 - ゲームプレイと実機プレイが重要
過去記事で世界観ムービーだけのトレーラーは良くないと書きました。今はゲームプレイ、そして実機でのプレイが強く求められていると思います。UE5のデモはそういう事情を熟知していた。もう家庭用ゲームをPC上で動かして見せるのはセンスがないと思う。
ゲームプレイを見せる良い例として、5月26日にWholesome Gamesというインディゲームを紹介する動画が公開されており、ほぼ無名ゲームの紹介なのですが、高評価5200件、低評価140件で大好評。ゲームプレイを中心に、どういうゲームなのか丁寧に紹介しているのが良いです。
大きな発表会において、インディゲームの発表時間はチャットで退屈そうにされる事が多いです。パッパッパッとダイジェストで紹介される事が多いですから、インディゲームをそんな風に見せられて視聴者も沸けるわけがない。作業的な紹介になってしまっている。こういうのなら、やらないほうがいい。 - 説明は大事
Youtubeの画質ではグラフィックの良さが伝わりにくいから、映像垂れ流しでは「今までとあんまり変わらん」となる可能性もある。UE5のデモでも「映画品質のアセット」「3300万ポリゴン」など、言葉のインパクトが大きい。 - ビッグタイトルが一番強い
発表の仕方を工夫するのは大事ですが、結局のところビッグタイトルの発表が一番盛り上がる。『GTA6』クラスなら世界観ムービーどころかロゴだけで視聴者を沸かせるでしょうし、関係者が長話をしても前のめりで聞かれるでしょう。
名前だけで沸かせるようなタイトルを用意できているかどうかは、発表会の満足度や話題性に大きく影響します。
5:00で定着か
- 3/26(火)6:00 State of Play 第1回
- 5/10(金)7:00 State of Play 第2回
- 9/25(水)5:00 State of Play 第3回
- 12/10(火)23:00 State of Play 第4回
- 5/15(金)5:00 State of Play Ghost of Tsushima
- 5/28(木)5:00 State of Play The Last of Us Part II
- 6/5(金)5:00 PS5
SIEの情報公開時間は5:00で定着しそうです。早朝は在宅率が高く、起きてまずスマホをチェックする人も多いでしょうから、情報の伝達は早そうです。
今回の場合、北米(PDT)では6月4日(木)13:00、ロンドンでは6月4日(木)21:00です。
どんなタイトルが発表されるか
Twitterでは『Horizon 2』と『デモンズソウル(リメイク)』が注目されていますね。
『ワンダと巨像』をリメイクしたBluepointGamesのPeter Dalton氏が、今回の発表に「今後の展開がとても楽しみです。前に突き進み、古いゲームの限界から離れる時が来たのです。」と反応している事で『デモンズソウル(リメイク)』が注目を浴びています。
サードではカプコンが注目です。2021年3月31日までに過去最多となる2,800万本の販売を見込んでいる事で話題になりました。ビッグタイトルが控えているのは間違いない。カプコンの『バイオハザード』シリーズはSIEの発表会に持ってくることが多いので、『バイオハザード8』の発表の場になるかもしれない。
密かにバンダイナムコの『リッジレーサー』の復活にも期待します。PS、PS2、PSP、Xbox360、PS3、3DS、VITAのロンチに出していたので「ロンチと言えば」というタイトルでした。今のレースゲームはレース前のロードが長かったりしますし、フレームレートも60fpsです。ロードがない120fpsの『リッジレーサー』が出てほしいですね。
超高速ロードは、アーケードゲーム感覚で遊べるゲームに手を出しやすくなると思う。1レースちょこっと遊びたいだけなのに、長いロード待ちがあると起動するのが億劫になりますから。SONYは「DYNAMIC INTERFACES FOR LAUNCHING DIRECT GAMEPLAY」という特許を取得しており、これは特定のアクティビティから直接ゲームプレイが開始できるようになるもの。これを使ってクイックにレースができれば素晴らしい。
なんにせよ発表を待つだけ。発表前のワクワク感も良いです。
コメント
大小のタイトルと言ってることからインディーのタイトル少しは発表されるでしょうが、過去の発表から会場がクールダウンしてしまうんですよね。挑戦的なものならいいんですけど
おしゃべりも本当にいらないし、この時期だからゲームプレイ映像も沢山だしてほしい
カプコンはここ最近ロンチタイトルは様子見の傾向がありますので期待は薄いんですね。噂のバイオ8出したら皆喜ぶでしょうけど
何より楽しみです。