『バイオハザード RE:3』の感想。プラチナトロフィーも獲得しました。
『仁王2』にハマっていて体験版もスルーしていたから、今回はあまり事前のテンションが高くなかったのですが、プレイしてみたらすっかりハマり、グルグル周回してプラチナトロフィーを獲得しました。
前作より評価を落としており、それも納得であります。ボリュームが減って、マップや仕掛けがシンプルになった。前作と比較するとレビュアーも減点しなきゃいけないだろうなと思う。
変化はあれど、徘徊するゾンビの不気味さ、曲がり角に敵が潜んでいるかもしれない恐怖、装備や弾薬の管理、魅力あるキャラクター、RE:2の面白さも引き継いでおり、とても楽しめました。
『RE:3』と『レジスタンス』は別ソフト
『バイオハザード RE:3』を購入すると『バイオハザード レジスタンス』も収録されているわけですが、PS4のホーム画面で別ソフトの扱いになっています。トロフィーも別々で、それぞれプラチナトロフィーがある。
『バイオハザード RE:3』は前作よりボリュームが減っていますが、『バイオハザード レジスタンス』もセットでついていますので、非対称対戦サバイバルホラーに興味があるならトータルでの満足度は高いと思います。
将来的には単体配信があるかもしれない。
そして相変わらず価格設定が良いカプコン。ダウンロード版は税込7,800円というキリが良い数字。日本は他国よりソフトの価格が高くなりがちですが、こういう大手の人気タイトルが7,000円台をキープしてくれるのは有難い。
最近発売された『DOOM Eternal』は税抜7,980円だけど税込8,778円。『ONE PIECE 海賊無双4』は税抜7,800円だけど税込8,580円。Storeでは税込の価格しか表示されませんので、税抜で7,000円台ギリギリにしている意味がなくなってしまっています。表示価格が中途半端な数字になる。
素晴らしいグラフィック
プレイしてすぐに「前作ってこんなにキレイだったっけ?」と思いました。PS4のトップグループの素晴らしいグラフィック。草木などの自然が少ないので本物っぽさを表現しやすかったのかな?アルミや金属の質感が特に良かったです。それに光の反射が上手く絡んでキレイに見える。
ひと昔前はビデオゲームにはジャギがつきものでしたが、『バイオハザード RE:3』ではそれを感じる部分は少ない。進化したなぁと、しみじみ思います。
回避(R1)アクション
前作にはなかったR1での回避アクション。ジャスト回避するとスローになって反撃のチャンスになります。
高難易度のボス戦では特に重要で、前作の感覚でやると殴られまくる。ソウルライクなゲームのように敵のモーションを見極めてジャスト回避を決める必要がある。
緊急回避自体はオリジナルの『3』にあったシステムですが、ボス戦では現代的な回避→反撃のアクションに仕上がっている印象。特にラスボス。
カルロスの場合はタックルになり、パンチも発動する。ソウルライクなゲームのパリィみたいな気持ち良さ。ハンターβに銃撃しながら迫られている時に決めて吹き飛ばすと爽快。
回避が上手くできるようになるとグンと楽しくなる。逆に言うと回避が上手く出来ないとストレスが溜まる。かなり重要なアクション。
前作と繋がる小ネタが面白い
メインストーリーはわかりやすく、会話が長くなりすぎずにスッキリまとまっている印象でした。細かなエピソードはファイルで語るという手法。
RE:3はRE:2の前日から始まりますので、RE:2に繋がる小ネタがいくつかあります。RE:2をプレイした人なら、「あの人はこうなってここにいるのか」とわかる部分が面白い。またRE:2をプレイすると見方が変わりそうです。
前作よりボリュームが減った
初回は4時30分~6時間でクリアできるかと思います。前作のSランクタイム(スタンダード)が3時間30分で、今作は2時間ですから、ボリュームは減っています。とは言え、前作同様に何周もして攻略を煮詰めていくゲームですから、6時間程度で終われるようなゲームではありません。
ややシンプルになった
ボリュームが減ったと感じる大きな要因は、前作の警察署のような広いエリアを時間をかけて探索する事がなかったから。1つのエリアが狭めで、ウロチョロする事も少なかったです。マップの構造がシンプルで、あっちこっち迷う事なく、わりと1本道に近い感覚で進んだ。
パズルもほとんどなくて、前作で感じた原点回帰のバイオハザードらしさが薄まったように思います。ただ、周回するゲームとなると、同じパズルを繰り返すのはダルいので、パズルが減ったのは悪いとも言えない。
ゲームのテンポが良くなり、遊びやすくなったとも言えますが、前作にあった職人技のレベルデザインは感じられなかった。前作の感想で「最初は理不尽に感じたほどなのに、マップとアイテムと敵を把握すると、とても遊びやすくデザインされている事に気付く。これに気付く楽しさもあり、周回プレイが楽しい。なので何周もしてしまった。スピードランが盛り上がるシリーズらしい洗練されたレベルデザイン。他の人がこれと似たようなゲームを作ろうとしても、このレベルデザインが大きな差になると思う。素人が見様見真似では真似できないような職人技。」と書いていましたが、今作はシンプルになり、周回して攻略を煮詰める楽しさはあるけど、前作よりは浅くなった。
攻略を煮詰めればRE:2のクリア時間も短くなりますが、今回のボリューム感の差は一周目に出やすいと思います。迷う要素が少ないので、一周目から早く終わり、あっさり終わった印象になる。
前作のメタスコアが91点で今作が80点。前作には職人技の凄味がありましたが、今作は良作の範囲だけど、特別なものが感じられなかった差があると思う。
タイラントとネメシス
今作は追跡者がネメシスになりました。前作とは大幅に変わっており、まず前述した「前作の警察署のような広いエリアを時間をかけて探索する事がなかった」という点が大きい。広いエリアでタイラントの恐怖を感じながら探索したのが前作ですが、今作は固定エンカウントに近く、その時だけ逃走する感じ。逃げ方もある程度決まっていて、痺れさせるオブジェクトが置いてあったり、そもそも1本道だったり。ルートの選択ができたのは最初だけでした。
ネメシスはジャンプして近づいてきたり、離れていても触手で引っ張ってきます。前作のような追いかけっこではない。前作の警察署でタイラントに追い回されるドキドキと比べると、インパクトが弱く、悪くなった部分かと思います。
今作は回避(R1)ができますので、それを上手く使ってネメシスを避けられるようになると気持ちいい。最初は一方的にボコられてイライラしたりもしますが。
プラチナトロフィーは難しくなかった
クリア後にShopが解放されます。レコード達成により獲得したポイントで、無限武器や強化コインなどを購入可能。周回プレイのモチベーションが上がる要素になっています。
今回は無限ロケットランチャーの獲得が楽です。62400Pと交換なのですが、「グレネードランチャーで敵を80体/120体倒す(16600P)」「マグナムで敵を20体/80体倒す(17000P)」などは、同じセーブポイントで繰り返し敵を倒しても加算されます。多くのゾンビと戦えるセーブデータをロードしてゾンビを倒す→OPTIONSメニューから同じセーブデータをロードして繰り返す。
カルロスの病院/ジルを守るの防衛ミッションが稼ぎやすいです。アサルトライフルの弾と手榴弾に余裕があれば100体以上倒せます。
無限ロケットランチャーを獲得してしまえば、難易度インフェルノをSクリアも難しくなかった。猛攻のコインx2/鉄壁のコインx2/回復のコインx2も装備していれば、難易度ノーマルくらいに感じる。ラスボスだけは回避を何度も決める必要がありますが。
「アイテムボックスを一度も開かずにクリアする」だけは無限武器やコインが装備できませんが、これは一番簡単な難易度でも獲得できるトロフィーです。
ボリュームが減った事もあり、攻略しやすかったです。バイオシリーズの中ではプラチナトロフィーが最も簡単かもしれない。時間も20時間未満。
アクションに寄った変化
ボス戦で敵のモーションを覚えて回避のタイミングを探っている時は、本当にソウルライクなアクションゲームの感覚。パズルが減り、マップもシンプルになった。追跡者とも探索の中で頭を使う追いかけっこではなく、アクション重視の逃走イベントであり、全体的に前作よりも少しアクションに寄ったという印象です。とは言えアクションとして突き抜けているわけでもなく、バランスが良いとも中途半端とも言えるかもしれない。
遊びやすいアクションゲームとして楽しめましたが、前作のレベルデザインが素晴らしかっただけに評価が落ちるのも仕方なしかと思う。
周回するゲームとは言え、ボリューム不足は否めない。もう1~2エリアと1~2ボスでアクションを楽しみたかった。高難易度のボス戦で回避→反撃の楽しさに気付いたので、それをもっと堪能できるボスが欲しかったけど、死にゲーのTPSみたいになる変化は難しかったと思う。回避/タックルのアクションは良くて戦闘の幅が広がったけど、私はそこに気付くまで時間がかかった。従来通りの遊び方でもそこそこ遊べますからね。
ただ、水増しをしようと思えばできたのに、それをやっていないのは良いと思う。今作にも警察署がでてきますが、一部しか使っていない。私は過去の感想で、ボリュームを気にしてつまらない時間を増やす水増しを否定していますので、つまらない水増しに手を出していないのは良いです。クオリティの落ちないボリュームアップはしてほしかったですけどね。
シリーズ物は「正統進化!」という感想が多いけど、今回は前作と似ているようで、実は違うという。『RE:2』に足を置きつつも『4』以降のアクションっぽさに寄ろうとしている感じ。オリジナルの2→3でもあったであろう、新たな方向性への変化の前兆かもしれない。
好みが分かれるところですし、『RE:2』のパズルや探索が好きだった人が期待すると肩透かしであると思います。逆にパズルや探索が好みでない人もいるでしょうし、RE:3の方が好きという人もいるでしょう。
違いはあるけど個人的には『RE:2』も『RE:3』も楽しめました。『RE:4』にも期待しますが、その前に『RE:1』が欲しいですね。初代は2002年にリメイクされていますが、古いスタイルなので『RE:2』『RE:3』とは別物です。『RE:2』と『RE:3』は発売時期が近いので、2チーム体制を取りつつ、両方に関わるスタッフもいるという感じだったかと思います。なので『RE:2』のチームが『RE:1』を作り、『RE:3』のチームが『RE:4』を作る感じになるかもしれないけど、そろそろ『8』もありますね。2021年か2022年はPS5で『RE:1』がプレイできたら嬉しい。『1』は新規でも入りやすいので、新しいハードでバイオハザードシリーズがリスタートできるかと思います。『FF7』もそうですが、古いゲームのリメイクは、古いユーザーにも新しいユーザーにも注目される強みがある。バイオハザードに続いてFF7も大きな成功をすれば、PS5世代はリメイクブームがさらに広がるんじゃないかと予想。