カプコンカップ2019のパッド勢に感化されて久しぶりにプレイしている『ストリートファイターV』。未プレイだったゼネラルストーリーが面白かったです。
ゼネラルストーリーとは
『ストリートファイターV』は2016年2月16日に発売されましたが、メインとなるストーリーモードはなくて、2~4戦の短いキャラクターストーリーのみでした。4ヶ月後の2016年6月30日に無料DLCとして『STREET FIGHTER V – ストリートファイターV ゼネラルストーリー「A Shadow Falls」』が配信開始。これが大型DLCと言えるほどのメインストーリーモード。
私は配信日にダウンロードしていて、なぜかプレイした気になっていましたが、確認してみたら未プレイだった。カプコンカップ2019がきっかけで気付けて良かった。無料ダウンロードで大型のストーリーモードがあること自体、気付けない人もいそう。
STREET FIGHTER V – ストリートファイターV ゼネラルストーリー「A Shadow Falls」 | 公式PlayStation™Store 日本
公式サイトの説明ですと「29年間待ち続けたファン待望の本格ストーリーモード」「これまで語られなかった“シャドルーとの戦い”を舞台にした壮絶な物語を体験できる」というもの。
CAPCOM:STREET FIGHTER V ARCADE EDITION 公式サイト
『ストリートファイター』のオールスター映画
プレイ時間は約3時間で『アベンジャーズ』的な『ストリートファイター』のオールスター映画という感じ。キャラクターが多いのですが、それぞれが薄味になっているようなこともなく、しっかり見せ場が用意されていて、キャラクターの立て方も上手かった。適度なギャグも良い感じ。
中でも『ストリートファイターII』からいるキャラクターの活躍が嬉しくて、まず登場しただけでニヤついてしまう。「ダルシムきた!」「ガイルきた!」「春麗きた!」「ザンギエフきた!」っと思い入れがあるキャラクターが集結するオールスター映画の興奮が詰まっている。登場するだけじゃなく、そのキャラクターを操作して楽しめるのはゲームならでは。
配信当時は未実装だったエドモンド本田とブランカがいないのは寂しいですけどね。
リュウとケンのところは『ストリートファイターII』が好きな人なら「たぎる」ような熱さがある。終盤の演出も含めて『ストリートファイターII』の元プレイヤーがスルーするのはもったいなさすぎる作品。ストIIで終わっている人が、久しぶりに昇竜拳や波動拳を撃つ場面として最適な舞台でもあると思う。『シェンムー3』のような思い出を刺激する力も大きそう。歴史あるシリーズならではの重みがある。
映画としてのカメラワークやキャラクターの演技も丁寧に作ってある。キャラクターストーリーは簡素な紙芝居だったので、この差は大きい。そして改めて感じたのは、ムービー中のキャラクターとプレイアブルのキャラクターの外見の差がないことの重要性。キャラクターストーリーは紙芝居とプレイアブルの絵が違うので、ブツ切りのパッチワークのような違和感を覚える。昔ならこのような手法で普通だったから何も感じなかったでしょうけど、今はムービーとプレイアブルでキャラクターの外見が違うのは没入感を削ぐポイントになります。
この点は今と昔で感覚が大きく変わったと思う。究極は『ゴッド・オブ・ウォー』のワンカットですね。この途切れない演出を体験したことも大きいかもしれない。『お姉チャンバラORIGIN』をプレイするついでに『お姉チャンバラZ2 カオス』をプレイした時も、当時は不満に感じた記憶がない漫画演出が良くないものに感じた。
ゼネラルストーリーをクリア後には、キャラクターの衣装変更がムービーに反映されるようにもなります。
初心者向けの親切設計
難易度はノーマルとエキストラがありますが、最初はノーマル固定。ノーマルと言ってもイージーから段階的に上がっていく感じ。最初はヌルすぎて「いくらなんでも簡単すぎないか?」と思いましたが、途中から少し手強くなった。10年以上ぶりに『ストリートファイター』をプレイする人が、いきなりゼネラルストーリーをプレイしても問題なさそうな難易度調整。敵がめちゃくちゃ弱い状態から慣れていける。
バトルスキップも可能で、ストーリーを見たい人はバトルをスキップすれば良いです。バトルに詰まってストーリーが見られないなんてことはない。バトル中にスキップもできますし、負けた後にリトライするかスキップするかの選択もある。
FMが得られない
残念なのは公式サイトに記載があるように「2018年1月17日の『ストリートファイターV アーケードエディション』アップデートに伴い、 ゼネラルストーリーからはFMが入手できなくなりました」ということ。ゲーム内通貨のファイトマネーがゼネラルストーリーモードでは入手できない。
他のモードでもFMが稼ぎにくいのはツライところ。課金要素にも関わるので簡単には稼げるようにはしていないですね。
最成長ゲーム賞(Most Improved Game Award)候補
過去に何度か書いていますが、最近のゲームはアップデートで成長するのが普通になってきていますので、MIG賞(最も成長したゲーム賞)が必要なんじゃないかと思っています。継続型ゲームとは少し違う。
『ストリートファイターV』は大きな成長があったゲームです。もうすぐ4年ですからね。
2016年2月16日にリリースされた当時は、未完成という印象もあるモードの薄さでした。特にシングルプレイにおいて、そこそこ遊べるのは2つのみ。
- キャラクターストーリー
- チャレンジ – サバイバル
それが今では、
- ゼネラルストーリー ※無料DLC
- アーケード
- チャレンジ – エクストラバトル
これらが追加されている。
アーケードモードは『I』『II』『ZERO』『III』『IV』『V』の6コースがあります。
細かなアップデートもあり、現在はバージョン2.14。無印版はメタスコアが伸び悩みましたが2018年1月18日に発売された『ストリートファイター V アーケードエディション』では非常に高い評価を得ています。
メタスコアの高さは「すごい!」ですが、モードに関しては「普通レベルになった」というところでもあります。『MORTAL KOMBAT 11』や『DEAD OR ALIVE 6』が当たり前に実装しているモードに追いついた程度。今にして思えば、発売時にメインストーリーモードとアーケードモードがなかったことのマズさがわかる。
特にゼネラルストーリーが面白かったので、これが発売時に間に合わなかったのは痛かったと思う。ストリートファイターのキャラクターの魅力や熱さが感じられるものでしたから、発売時の評価にも良い影響を与える可能性は大きかった。4ヶ月後に無料DLCで配信しても話題になりにくいし、メタスコアらの評価が修正されるわけでもない。もし最初から後日配信を予定したのであれば大きな戦略ミス。
『DESTINY』と似たようなパターンでもあり、2014年9月11日のロンチ時のメタスコアは76点(95件)で、期待値からすると少しコケたような言われ方もした。でも度重なるアップデートもあり、2015年9月17日の『DESTINY: THE TAKEN KING』は86点(81件)、XboxOneにおいては89点(11件)で、その年の最高評価のシューターになっていた。しかし、その時には話題性が低くなっており、ロンチの悪評を吹き飛ばせたわけじゃない。ロンチで高い評価を得ないと、巻き返しは困難になる。
ロード速度はもう少し速くなってほしいとも思う。PS4 Pro+SSDだと、そんなに長いわけではないですが、格闘ゲームはもう少しだけテンポ良く進めたい。PS5でサクサクになれば素晴らしいでしょうね。
1,218円 ※2020年1月5日まで
ゼネラルストーリーが面白かったんですけど、ブログで記事にしようとまで思ったのはセール中で1,218円だったから。この価格ならゼネラルストーリーモードだけでも満足できるなと。セール期間は2020年1月5日まで。
そしてカプコンカップ2019の上位3選手がパッド勢で1位と2位がデュアルショック4だったこともある。
カプコンカップ 2019の上位3選手がパッド勢 – PS4ちゃんねる Pro
私は格闘ゲームを本格的にプレイするにはアーケードスティックが必要なんだろうなという印象があり、かと言ってアーケードスティックを買ってまでプレイする気がなかったので、格闘ゲームに対して壁を感じていました。先日プレイした『電脳戦機バーチャロン』でも同じような感覚があった。そんな状態でしたから、昨日のIDOM選手とPUNK選手の活躍は大きなインパクトがあり、自分の所有しているデュアルショック4が最強のプレイ環境かもしれないと思える力は、格闘ゲームに対して感じていた壁を破壊するものでした。ソフトが1,218円で、PS4所有者ならIDOM選手やPUNK選手と同じコントローラーでプレイできるのは素晴らしい。
パッドが入口として入りやすくなれば、そこからハマってアーケードスティックに移行する人も一定数いそうです。
アーケードエディション? チャンピオンエディション?
- ストリートファイター V – 2016年2月16日
- ストリートファイター V アーケードエディション – 2018年1月18日
- ストリートファイター V チャンピオンエディション – 2019年2月14日
3つのバージョンがありますが、DLCがセットになっただけのバージョンであり、結局のところ全部『ストリートファイター V』です。
『ストリートファイター V』のStoreページにも「本商品はストリートファイターV アーケードエディションが起動いたします」と書いており、2016年2月16日に購入した無印の『ストリートファイター V』も最新のアップデートで起動すると『ストリートファイター V アーケードエディション』として起動します。
起動時のログイン待ちが長いのは難点。
『IV』の時のような「ウルトラ」「スーパー」といった別ソフトでの売り方はしないと明言されています。あくまで『ストリートファイター V』のアップデート+DLCとして運営される。
「ストリートファイターV」小野P&綾野APインタビュー – GAME Watch
ちなみにパッケージ版『アーケードエディション』は、シーズン2までの追加キャラクター12人が使用可能になるコードが付いているようです。
キャラクターはStoreでも販売していて6人ずつ1,000円なので、セール中のDL版『ストリートファイター V』(1,218円)を購入してStoreで追加キャラクター(1,000円x2)を買ったほうが良いと思います(計3,218円)。
追加キャラクターはゲーム内で1人100,000FMで購入してアンロックすることもできます。かなりの時間はかかりそうですが、有料販売のみというわけではない。キャラクターをアンロックするとキャラクターストーリーもプレイ可能になります。
2020年2月14日に発売される『チャンピオンエディション』はシーズン1~4までのDLCが大量に収録されている。
http://www.capcom.co.jp/sfv/images/ce/ce-content.pdf
と言ってもこれを待つ必要もなくて、DL版『ストリートファイター V』を所有しているユーザーは『チャンピオンエディション アップグレードキット』(3,000円)を購入するだけで良いです。セール中の今なら1,218円+3,000円で4,218円。パッケージ版『チャンピオンエディション』が定価4,389円(実売3,500円~)なので大きな差はない。
新規でがっつり始めたいと思った時に「DLC多すぎてわからないよ」っとなりますが、『ストリートファイター V』+『チャンピオンエディション アップグレードキット』で、ほぼ解決します。遅れたからこそ、膨大な数のDLCをまとめて安く買えるお得さがある。
久しぶりの昇竜拳や波動拳
なんとなくカプコンカップ2019を視聴して、パッド勢の活躍を見て、久しぶりに『ストリートファイター V』を起動し、ゼネラルストーリーモードをプレイしていないことに気付き、やってみたら面白くて、今いくらで販売されているのかと確認してみたらセール中で1,218円だった、という流れでした。対戦はレベルが高すぎて参加するのにエネルギーが必要ですが、この価格とストーリーなら久しぶりに昇竜拳や波動拳を撃ってみたいプレイヤー向きだと思います。