次世代VRに大きな期待

Valve Indexが日本でも発売され『Half-Life: Alyx』が発表されたのが非常に大きな衝撃でした。PSVR2も含めて、次世代のVRに大きな期待をしています。

PlayStation VRとOculus QuestとValve Index

私が注目しているVR機器は3機種。

 

まず普及機のPlayStation VR。既に2019年3月までに420万台を売り上げており、普及機として結果を残しています。そして飛躍が期待できるPSVR2(仮称)の存在も気になる。

 

そしてスタンドアローン型のOculus Go→Oculus Quest。ゲーム機本体やPCを必要とせず、VR機器本体のみで使える。2018年5月1日にOculus Go、2019年5月21日にOculus Quest、約1年でスタンドアローン型の進化版が発売されているので、今後も進化した新機種が出ると予想される。この方向での成長もどうなっていくのか楽しみです。

 

最後に高級機のValve Index。VIVE CosmosやOculus Rift Sではない理由は『Half-Life: Alyx』と開発者が存在をほぼ認めた『Left 4 Dead VR』の衝撃。ゲーム用VRとして見れば、強いIPとプラットフォームを持っているところが強い。これはPlayStation VRも同様の強みがあるはず。『Half-Life: Alyx』はVIVEやOculusでもプレイ可能ですが、ValveのValve Indexが最適なんじゃないかと思います。今後の展開も含めてValveが強そう。

PlayStation VR Oculus Quest Valve Index
発売日(国内) 2016年10月13日 2019年5月21日 2019年11月28日
価格 34,980円(税抜) 49,800円(64GB)
62,800円(128GB)
※送料と税込
125,800円(税抜)
解像度(片目) 960×1080 1440×1600 1440×1660
ピクセル配列 RGBストライプ RGBペンタイル RGBストライプ
リフレッシュレート 120Hz 72Hz 144Hz
パネルタイプ 有機EL 有機EL 液晶
視野角 約100度 100度 130度

このスペック表以上にマシンパワーの差が大きいです。Valve Indexの推奨PCはNVIDIA GeForce GTX 1070以上。Oculus QuestとValve Indexの解像度が同じでも、スタンドアローン型とハイスペックPCではマシンパワーが全然違う。

 

画質において重要なのがピクセル配列。RGBストライプとRGBペンタイルがあります。RGBストライプはフル解像度を実現しますが、RGBペンタイルはRGBの中のG(グリーン)のみをフル解像度とし、RB(レッドブルー)は半分の解像度とする方式。解像度が2880×1600と表記してあっても、RGBペンタイルの場合は実効解像度が2352×1306程度になるということ。このRGBペンタイルの場合は網目模様が見えてしまうスクリーンドア効果と呼ばれる現象が発生するのもネック。
【映像パネルのサブピクセルの並び ~ ペンタイルとストライプについて (1)】… – Microsoft ExpertZone | Facebook
Oculus Quest レビュー:実質の解像感は? Oculus Rift S, Goと比較して | 着物オヤジ

パネルタイプは有機ELと液晶。有機ELのほうが表示遅延が小さくて発色が良く、VRに向いていると言われていました。ただ、Oculus Rift S(2019年5月21日)、VIVE Cosmos(2019年10月11日)、Valve Index(2019年11月28日)ら最近のVR機器は液晶を選択しており、今はそこまで有機ELにこだわる必要はなくなっているのかもしれません。

 

2016年10月13日時点で普及機のPlayStation VRが有機EL/RGBストライプだったのは今思うとスゴイですね。頻繁に新機種が出る他機種とは違い、長く使える普及機として将来を見据えたスペックにしたのかなとも思います。とは言え、進化の早いVR業界において3年も経ってしまうとスペック的には厳しいですが。PSVR2は、おそらく2021年のホリデーシーズン以降になると思いますので、なんと5年。VR初号機で5年は驚きの活動年数だと思う。

PSVR2(仮称)は2021年以降か

PSVR2(仮称)の発売は2021年以降になると思います。SIEのR&D部門のシニア・バイスプレジデントであるドミニク・マリンソン氏がCNETのインタビューで、PS5と同時に発売してユーザーが大量の物を購入しなくてはならなくなる状況を望んでいないと答えています。PS5とPSVR2(仮称)の発売間隔に幅があるのは好ましい事だと。
The best holiday deals you can get right now: Nintendo Switch, Xbox, Bose headphones and more – CNET
PS5が2020年のホリデーシーズンに発売されますので、PSVR2(仮称)が2020年に発売される可能性は0に等しい。早くて2021年のホリデーシーズンかと思います。

 

ドミニク・マリンソン氏がPSVR2(仮称)に求められる要素として、解像度、視野角、HDR、ワイヤレス化、アイトラッキングを挙げていました。VRでHDR対応は珍しい気もしますが、それ以外は順当なところ。解像度(片目)は1440×1660、視野角が120~130度あれば素晴らしい。
LetsGoDigitalがPSVR2(仮称)の特許と思われる内容を図解しています。

個人的に一番気になるのはコントローラーですね。私はPS Moveを選択したのは失敗だったと思っています。新たなコントローラーを開発しないことでコストは大幅に下げられたかもしれませんが、ゲームプレイの幅も大幅に下がった。OculusやValveが良さそうなコントローラーを開発していますので、PSVR2(仮称)も優れた標準コントローラーが求められます。かなり前にSIEが新型VR向けと思われるコントローラーに関する特許を出願していました。特許の申請なので、この形のまま発売されるわけではないですが、こんな感じでアナログスティックがあれば良いと思います。

現行のPSVRはPS5でも使える

マーク・サーニー氏がWIREDのインタビューで「現時点で言えるのは、VRはわたしたちにとって非常に重要であり、次世代機もPSVRの現行モデルに対応する予定だということだけです」と答えており、PS5でも現行のPSVRが使えることになりそうです。
特報:ソニーの次世代ゲーム機「PS5」は、革命的なマシンになる|WIRED.jp

となるとPS4 ProでPSVRゲームがエンハンスドされたように、PS5でもエンハンスドに対応してくれるのかが気になる。ロード時間は短くなりそうですね。

期待がデカすぎる次世代VR

現世代でも大きな衝撃を受け、PSVRのゲームだけでも軽く100本以上はプレイしています。非VRゲームも技術が高まり、洗練されてきてもいて進化は留まることを知りませんが、似たようなゲームが多くなっているのも感じる。そんな中で現世代のVRは新たなゲーム世界を見せてくれました。

 

黎明期ならではのカオス感もあり、手探り状態でいろんなゲームが生まれ、新たな発見が多く、失敗作のようなゲームも多かったし、影響を受け合って定着したようなシステムもあり、VRゲームの世界がどんどん形作られていく黎明期ならではの面白さがありました。
そして粗削りの期間が終わりかけて、大きな壁であったハード性能の壁が破壊される次世代VRでは飛躍が期待できる。まさに機は熟したという感じです。非VRゲームでも1作目は粗削りで2作目以降に洗練されるパターンが多いですね。次世代は完成度の高いVRゲームが多く生まれると思います。

 

それを感じさせたのがValve Indexと『Half-Life: Alyx』の存在。さらには『Left 4 Dead VR(仮称)』も開発中であるとほのめかされた。『Half-Life: Alyx』は2020年3月発売なのでまだ未発売ですが、2004年の最多GOTY獲得タイトルである『Half-Life 2』の新作がVRだという力の入れようにはテンションが上がった。『Left 4 Dead VR(仮称)』も含めてValveが本気を出すとなるとVRゲームが盛り上がる。


VRゲームには小規模や中規模の良作が多いですが、完全新作の大作や有名IPと言えるものは少ない。これが非常に大きな問題で、30本の小・中規模ゲームの良作よりも2本の大作もしくは有名IPのほうがユーザーを呼べると思う。私が愛用しているApple Arcadeも良作が多いのに、世間的にはまったくと言っていいほど話題にならない。圧倒的な力を持った1本がないプラットフォームの現実。大作もしくは有名IPがユーザーを集めて、そこから他のゲームに広がっていく形でないと普及しにくい。現在のVRにはそこが足りない。だからValveの『Half-Life』と『Left 4 Dead』には衝撃を受けた。一番強いところを持ってきた。これでVRゲーム業界が大きく変わるとも思わされるほど。SIEで言えば『ラスト オブ アス』や『アンチャーテッド』がVRにくるようなものじゃないかなと。

 

黎明期のVRでしたが、『Half-Life: Alyx』からVR2.0と言えるような変革を期待します。いくら機器の性能が良くなろうが、結局一番大事なのはソフト。『Half-Life』新作がVRだという衝撃は大きすぎるので、新たな時代の区切りになれるかもしれない存在。
非VRのPS5ゲームも楽しみですが、私の大本命はPSVR2。構造的にPSVR2がPS5の普及台数を超えることはなく、普及台数でVRが非VRを抜くことはないのですが、一番面白くて刺激的なゲームはVRで生まれると思っています。
現世代は1ハード特化のプレイを楽しみましたけど、Valve Indexと『Half-Life: Alyx』は買っちゃうかもしれない。品薄みたいですが。 

 

2020年の2月頃にPlayStation Meeting 2020が開催されると予想していますが、その中でPSVR2(仮称)にも触れられるかな?それとも情報が多すぎてブレないようにPS5に特化するか。PS5も楽しみですし、PSVR2(仮称)も楽しみ。2つのハードにワクワクできるのは非常に嬉しい。

 

ちなみに今は『Creed: Rise to Glory』と『BOXVR』の稼働率が高いです。激しい運動系。こういうゲームは次世代VRでワイヤレスになればさらに良くなる。
次は北米で12月17日にリリース予定の『Mini Motor Racing X』をプレイしてみたい。VR専用ではないですけど。

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