2018年12月20日にリリースされた『鬼武者』の感想。
新要素
- グラフィックの高解像度化
- ワイド画面対応・画面比率の切り替え
16:9のワイド画面に対応していますが、表示範囲は4:3よりも狭くなっている(下記画像の赤線が16:9で表示される部分)。上下の隙間は画面スクロール機能で表示される。 - 新操作対応
オリジナルのラジコン操作に加えて、アナログスティックを倒した方向へ移動可能な操作方法を新規追加。 - 難易度「易しい」の初期開放
オリジナル版も「易しい」「普通」「最強」という3種の難易度がありましたが、特定条件で開放されるものでした。PS4版は最初から「易しい」が選択可能。
ちなみに「最強」は左馬介が最強になるというチートモード的なモードです。高難易度ではありません。 - 日本語ボイスを新規収録
明智左馬介秀満(金城武) 織田信長(立木文彦) かえで(小松未可子)
夢丸(金元寿子) 雪姫(名塚佳織) 木下藤吉郎(高木渉)
ギルデンスタン(大塚芳忠) ヘキュバ(佐古真弓) ナレーション(麦人)
金城武さんは続投ですが、録音し直しています。オリジナル版より上手くなっている。 - 音楽の差し替え
オリジナル版の作曲者が佐村河内守(新垣隆)だったためかと思われますが、音楽は差し替え。 - 武功目録(トロフィー)
設定された個別の条件を達成すると獲得できる。全部で56個あり、中には条件が隠されたものも存在する。
トロフィーと同じです。それをゲーム内にも表記しただけ。 - SHARE対応
SHAREに関する規制は見られませんでした。
16:9のワイド画面は使いにくい
16:9になると画面の表示範囲が狭くなるので、画面端の敵に気付くのが遅れたり、マップが見にくくなるので使いにくいです。これは仕方ない。元々の背景が4:3の1枚絵なので、16:9で表示範囲を広げることはできない。スクロール表示に対応してまで16:9にしたのは頑張ったと思います。
新操作
リマスター版の操作方法。
アナログスティックの移動は快適ですがL3の暴発に注意
アナログスティックでの移動操作に対応したのが大きなポイントだと思います。操作システムは切り替え式ではなく、方向キーがラジコン操作でアナログスティックが指定した方向への移動。
移動が快適になりました。敵を避けて進むことが多いゲームですので、左スティックでスイスイと進めるのは有難い。これにより、難易度は大幅に下がっていると思います。
しかし、L3が「地図と現在位置の表示」となっており、戦闘中に慌てて左スティックの操作をすると暴発します。1周クリアまでに5回以上は暴発しました。激しさのあるアクションゲームで、この設定は良くない。
OPTIONSボタンとタッチパッドは逆が良かった
OPTIONSボタンを押すとアイテム管理画面になり、タッチパッドを押すとポーズメニューを開く。個人的には逆が良かった。ポーズメニューはオプションメニューを含むので、OPTIONSボタンのほうがしっくりくる。
L2/R2での武器切替は便利。ちなみにパンダの頭を被る時はL2を長押しです。
左スティックでの移動に対応している部分が大きなプラスなので良いのですが、アクションに直結する部分でL3の設定は小さなマイナス。
理想を言えば、タッチパッドの右でアイテムメニュー、タッチパッドの左で地図と現在位置の表示。L3は未使用。マルチタイトルということもあり、デュアルショック4への最適化は不十分な印象もある。
強気の価格設定
日本のDL版が3,490円。北米版は$19.99。
発売は日本が先行で12月20日、欧米は翌年の1月15日。
あくまで約18年前のゲーム
初見でも5~6時間でクリアできるようなゲームであり、経験者なら思い出しながら遊んでも3時間台でクリアできるんじゃないかと思います。3時間以内にクリアというトロフィーもハードルは低い。進め方を知っている人なら、特別な近道をせずとも2時間切れるくらい。
今のゲームと比べると難易度は高くて、限られた回復アイテム、わかりにくいエリア切り替え式のマップ、そしてシビアなアクション。
一閃の判定も今のゲームのパリィなどの操作と比べるとシビアだなぁと思いました。難しいからこそ何度も失敗して感覚をつかみ、それが研ぎ澄まされて上達する楽しさがある。ここが一番楽しい部分だと思いました。
見にくさとシステムが難易度を上げている部分もあり、カメラ操作がないので自キャラや敵キャラが見えなくなったり、見えない場所から攻撃されたり。エリア切り替えのクセも独特です。弓と銃の操作も慣れるまで難しい。
現代向けに難易度「易しい」が最初から選択できるのは良い判断。それでも初めてプレイする人は戸惑って死にまくるとは思う。
オリジナル版は2001年1月25日発売、約18年前のレトロゲーム。ゲームの歴史が長くなったので、レトロゲームの中でも世代分けした言葉が必要だなとも思う。『シェンムー』(1999年)もこの世代。
今のゲームを遊ぶ感覚でプレイすると、システム面の不便さとか難しさでストレスが溜まると思う。思い入れとか、レトロなゲームへの興味の強さがないと受け入れにくいんじゃないかな。
「空前絶後のバッサリ感」というキャッチコピーも、あくまで当時の感覚。今やると地味に感じます。
プリレンダリングムービーはスキップできますが、リアルタイムレンダリングムービーはスキップできないため、ボス戦のリトライで待ち時間が長い。
『シェンムー』の感想で書いた「古さや不便さなど、当時の味を楽しむもの」「レトロな味を楽しみ、ここから広がっていった未来に想いを馳せ」は、そのまま同じ。
レトロなゲームの中で、キラッと輝くのは一閃の気持ち良さ。タイミングがシビアだし、敵の攻撃を喰らった時のダメージも大きいからこそ、一閃が成功する気持ち良さが大きい。デメリットとメリットの差が大きく、殺るか殺られるかの緊張感のある戦闘は病みつきなる。
1周が短いからこそ、やりこみに集中しやすくて、縛りプレイやRTAなど、攻略を突き詰めていく楽しさもある。
リマスター版をプレイして特に「おおっ!」と思うこともないですけど、PS4で鬼武者がプレイできて良かった。