『Marvel's SPIDER-MAN(スパイダーマン)』の感想

f:id:Hamasukei:20180909130355j:plain

2018年9月7日にリリースされた『Marvel’s SPIDER-MAN(スパイダーマン)』の感想。

戦闘が面白い

発売前はスイングアクションで飛び回るところが注目されていて、戦闘はどうなのかと不安でもありましたが、やってみると戦闘の方がお気に入りなほど。

 

思い通りの操作でスパイダーマンがカッコ良く動いてくれるのが素晴らしい。ウェブ(蜘蛛の糸)で敵を引っ張ったり、敵に近づいたり、敵や物を投げたり。敵の股下をくぐったり。敵を撃ち上げて、そこから派手な技に繋げたり。ボタン連打で勝手に派手なアクションをするんじゃなく、コマンド入力して派手な技が出るのでもなく、ホントに思い通りに動かせる。慣れてくると直感的に操作して映画的な魅せるアクションができる。ここがスゴイし、戦っていて楽しい。

f:id:Hamasukei:20180909130704j:plain

 

なかなか歯応えのある難易度です。油断して立て続けに攻撃を受けると簡単に死ねるけど、敵も硬くないのが良いです。ダラダラとライフを削る作業みたいなのはない。お互いに油断したら死ねるという緊張感があり、好きなバランス。

移動が面白い

スイングアクションで街を飛び回る楽しさは想像以上でした。この移動の楽しさは今までプレイしたゲームの中で一番かもしれない。慣れて飽きるかとも思いましたが、終盤になっても移動の楽しさは変わらず。

 

これも簡単操作なだけじゃなくて、思い通りに動かせるのが良いです。キャラクターが勝手に動いて派手に見せてくれているのではなく、レール移動でもなく、自分の動きたいように動ける。ここがスゴイ。イメージを操作に反映しやすく、戦闘と同様にスパイダーマンとのシンクロ率が極めて高い。戦闘も移動もここが最大のポイントかと思いました。簡単操作で派手なアクションだけなら別にすごくない、イメージ通りに動けることがスゴイ。自分が動かしているという実感の強さ、このスパイダーマンを動かす楽しさは最高。

 

こんなにスピーディーで爽快な移動ができるのに、街の作り込みや人の多さは驚きです。この街を飛べるから楽しい。

f:id:Hamasukei:20180909125710j:plain

収集物集めが楽しい要素に

移動が面白いので、オープンワールド系ゲームにおいて作業的にもなりがちな収集物集めも楽しい。収集を進めて残数が減っていくことに寂しさをおぼえるのは珍しい。

人間ドラマのある単純じゃないストーリー

ストーリーも良かった。味方も敵も主要キャラクターが立っていて、それぞれに事情があって単純な善悪のストーリーでもない。大昔のハリウッド映画のイメージだと、単純にヒーローが悪をブッ倒すというイメージですが、そういうものじゃない。

 

グラフィックはPS4.9くらいの印象で、もう次世代機をやっている気分。キャラクターの演技も良い。本物の人間のように生き生きしているから、ドラマに引き込まれる。

f:id:Hamasukei:20180909094933j:plain

 

すべてが完結したわけでなく、まだ部分的に続きも残したまま。追加ストーリーDLC 3部作がありますのでね。個人的にはデジタルデラックス版ですので、まだまだ続いてくれるのは嬉しい限りですが、1本のゲームとして評価した時に、ストーリーの未完部分が見えるのは、あまり良くないとも思う。

有難い日本語吹替

日本語吹替でプレイしやすいです。飛び回っている時の会話も多いので、字幕を見ながらだと大変です。ローカライズもとても良い。

機能十分のフォトモード

最近のゲームはSHARE機能だけでは認められず、独自のフォトモードが求められています。『ゴッド・オブ・ウォー』もリリース時点では実装されておらず、それがレビューのマイナス点として指摘されるほど。

 

『Marvel’s SPIDER-MAN(スパイダーマン)』はフォトモード実装済。機能も十分で、Twitterではメイン要素になっている人もチラホラいます

スパイダーマン フォトモード – Twitter Search

オープンワールドと噛み合っている

このゲームはオーソドックスなオープンワールド系ゲームのシステム。ストーリーミッション、サイドミッション、数多くのアクティビティで構成される。オーソドックスだけど凡庸にならなかったのは、スパイダーマンのアクションがオープンワールド系ゲームの中で史上最高とも言える面白さだから。オープンワールド系ゲームと最高にフィットしたスパイダーマンのアクション。

 

ゲーム作りとして一番成功しているのは、スパイダーマンのアクションをゲーム操作に落とし込むところ。簡単操作だけどキャラクターが勝手に動くわけでもなく、カッコいいアクションができるけど難しい操作が強いられるわけでもない。ゲームパッドなのに直感的、イメージ通りに動かせる。アクションと操作ボタンの割り振り、入力の受け付け時間、モーション、この設定が抜群。この動かしているだけで楽しいというのが強すぎる軸になっていて、広いオープンワールドを飛び回るのも楽しい。収集物集めも楽しい。数多くのアクティビティも、まだまだ食べ足りないくらい。

 

グラフィックも一流で作り込みも優秀。フォトモード&ゲーム内のカメラ操作も優れていて、撮影も楽しい。

 

いろんな要素があるけど、上手く噛み合っている。

残念なステルス

海外レビューでも悪い点として挙げられていたステルスミッション。スパイダーマンのステルスは良いのですが、ストーリーミッションでスパイダーマン以外のキャラクターが行うステルスミッションは面白くなかった。つまらなく感じたのはステルスゲームとして平凡であるだけでなく、スパイダーマンを動かす楽しさが最高のゲームなのに、それを一時停止させられることが大きい。この問題は『GRAVITY DAZE 2』でもありました。ミッションのバリエーションを増やそうと工夫した結果、良い部分が抑えられて、つまらない部分が増えてしまう失敗。

f:id:Hamasukei:20180909095806j:plain

 

回数は多くないので、そこまでゲーム全体の足を引っ張るものではありませんが、真っ白な布の1点の染みみたいな目立ち方をする。スパイダーマンを動かす面白さが100点なので、そこに70点のステルスが入ると落差が大きい。

後半は物量で押す拠点アクティビティ

動かしているだけで楽しいので、コピペでもアクティビティは増やしてほしいくらいですが、後半の物量で押す拠点アクティビティはバランスが悪いと感じた。拠点アクティビティは6ウェーブ制の戦闘で、時間もそれなりにかかる。数は多いけど内容は似たような感じなので、水増し感がありました。ミッション&アクティビティの中で唯一、気になったところ。戦闘自体は面白いので良いのですが、アクティビティの配置のバランスとしてね。

OFFにできるQTEとパズル

QTEと2種類のパズル要素がありますが、オプションでOFFに出来るのは気が利いている。

 

個人的にQTEは好きじゃないですし、このゲームにおいては特に必要ないんじゃないかとも感じた。通常プレイのアクションがカッコ良すぎて、プレイアブルなのにムービーのような派手なアクションができる。それなのに途中でムービー&QTEになると舞台から観客席に戻るような感じ。普通のゲームであれば、ムービーで迫力を感じたり、パッドでは難しい動きをQTEでするわけですが、このレベルならもうムービーやQTEで演出する理由がなくなってきているように思うほど。もう露骨なQTEは廃除して、ちょっとした演出も通常アクションの中に溶け込むような方向を目指してほしい。その片鱗は、すでに見える。

f:id:Hamasukei:20180909122014j:plain

適度なトロフィー設定

プラチナトロフィーに関しては別記事で書きますが、トロフィー設定は良いです。
ゲーム難易度はトロフィーに影響しないので、それぞれ自分に合った難易度でプラチナトロフィーを目指せる。
取り返しがつかないトロフィーはないので、クリア後のデータでやり込みつつプラチナトロフィーを目指せる。
ゲーム内で与えてくれる情報以外の攻略情報はほぼ不要で、攻略サイト等をなぞるようなプレイをする必要がない。
『Horizon Zero Dawn』『アサシン クリード オリジンズ』など、こういうところに気を遣った設定のAAA級ゲームは多い印象。やり込みの目標としてモチベーションアップになるけど、トロフィーを意識してゲームプレイに制限が加わるようなことは、ほとんどないという。

 

1点だけ注意する必要があり、チャレンジ・トークンをスーツのアンロック以外に、なるべく使用しないほうがいいということ。チャレンジ・トークンをガジェットやスーツ改造にたくさん使用してしまうと、スーツのアンロックのためのチャレンジ・トークンをタスクマスターのチャレンジのゴールドクリアで集めなくてはならない状況になります。詰みではないですが、こうなるとかなり難しくなる。

期待以上の傑作

2018年度は4月20日に『ゴッド・オブ・ウォー』、5月25日に『デトロイト ビカム ヒューマン』がリリースされていて、どちらもAAA級の中でも頭がひとつ抜けるAAA Plus級という印象でした。そしてこの『Marvel’s SPIDER-MAN(スパイダーマン)』も既に次世代機であるようなAAA Plus級のクオリティで大満足。個人的にGOTYを考えると『ゴッド・オブ・ウォー』と『Marvel’s SPIDER-MAN(スパイダーマン)』で悩む。

 

スパイダーマンのアクションをゲームパッドで再現するというところが第一に考えられていた印象。そこが大成功していて「動かしているだけで楽しい」というゲームとして強力な軸となり、歯車も噛み合っていた。

 

ホントにPS4.9という感じで、技術力が凄すぎた。このアクションと物量とグラフィックでロード時間も短め。オープンワールドにありがちな背景のポップアップも見られない。まだまだDLCもあって嬉しい。

 

【PS4】ゴッド・オブ・ウォー 【CEROレーティング「Z」】

【PS4】ゴッド・オブ・ウォー 【CEROレーティング「Z」】

 
タイトルとURLをコピーしました