北米Storeで2018年8月10日にリリースされた『We Happy Few』($59.99)をプレイしました。日本語にも対応しています。
基本操作
〇 | しゃがむ・立ち上がる / キャンセル |
× | ジャンプ/決定 |
△ | クラフト&インタラクト / テイクダウン |
□ | インタラクト |
L1 | アイテムの使用 |
R1 | 武器を構える・隠す |
L2 | ガード |
R2 | 攻撃 |
L3 | ダッシュ |
R3 | 敵を押す |
方向キー | アイテムの選択 |
タッチパッド | メニューを開く |
調べる時にロックピックやバールが必要な場面で、△ボタンを押すと自動でクラフトして調べてくれるのが便利。
PS4北米版も日本語に対応しています。95%以上は日本語化されていますが、ごく一部に英語が残っています。冒頭の新聞記事など、画像として見せているテキストは翻訳されていません。トロフィーも英語。
デフォルトの操作性があまり良くなかったので、最初にオプションをいじった方が良いんじゃないかと思います。感度、デッドゾーン、加速度が変更可能。改めてオプションの重要性を感じた。最初は率直に「酷い操作性だな」と思いましたが、オプションで解決できるようになっている。
ディスオナードをベースにしたようなゲーム
ゲーム開始直後は『バイオショック』みたいな雰囲気かとも思いましたが、ゲームを進めていくにつれて『ディスオナード』のフォロワーという印象が強くなりました。『ディスオナード』を軸にして、他のゲームで味付けという感じ。冒頭の下水道を通っての脱出は、『ディスオナード』へのオマージュやリスペクトなのかもしれない。
『ディスオナード』のようなステルスアクションがメインで、背後からのテイクダウン、ガラス瓶で気を逸らす、死体を隠すなどオーソドックス。見つかった場合は戦闘。「殺す」「気絶」の選択もあります。殺しを続けるとゲーム内で影響があるかは不明。暴れまわっていると、どちらが異常者なのかわからなくなってくる。
そこら中に調べられるポイントがあり、素材を集めてクラフト。設計図を入手する事でクラフトできるアイテムが増える。よくあるシステムです。所持品は重量制限がありますが、無限に収納できる金庫がありますので、気兼ねなく収集できるのは有難い。
オープンワールドとなっていますが、メインストーリーを進行させる事で次のエリアに進める。ストーリーベースで、むしろ古典的なJRPGのスタイルです。ゲームシステム的にはよくあるオープンワールド系ゲームっぽいシステムなので、オープンワールド系ゲームをやっている気分になる。
サバイバルゲームでもあり、体力の他に食中毒、流血、感染という症状があり、食料と飲み物のゲージもある。素材だけでなく、医療品や食料を収集する事も必要。『7 Days to Die』『METAL GEAR SURVIVE』でもあったようなシステムです。
クエスト報酬でスキルポイント得て、キャラクターの強化が可能。
特徴的なのはJOYを服用するシステム。JOYを服用しないとダウナーと見なされて攻撃される。JOYを検知するシステムもあり、JOYを未使用状態で検知されるとアラートが鳴る。街中を区切ってあるJOY検知システム付きゲートも『ディスオナード』みたいな構造。
JOYは服用し過ぎると記憶障害になったりするらしい。時間経過でJOYを抜く必要がありますが、抜ける直前に禁断症状が出て、それを見られると襲われる。
JOYが入っている時と抜けている時で見える世界が全然違うのが面白い。ユートピアとディストピアの狭間にいるかのようです。
世界の設定とストーリーが面白い
最初の主人公は幸福感に支配される麻薬“JOY”を強制服用させられる都市で暮らしていたアーサー。JOYの服用を止めて脱出する事と、生き別れの兄弟を捜す事が目的。狂気に満ちたディストピアな世界での冒険は、とても楽しい。
序盤なのでストーリー全体はわからないですが、今のところ驚きあり狂気ありで面白い。メインストーリーのロケーションとかイベントが凝った作りなのが良いです。オープンワールド系ゲームにありがちな簡易的なおつかいではない。自由度を削ってストーリーベースでしっかり仕上げている印象。
AIとレベルデザインとバグが大きな問題
PC版のメタスコアは65点(27件)、ユーザースコアは6.3点(48件)です。『ディスオナード』をベースにいろんなゲームの要素を取り入れていますが、『Gene Rain』『Earthfall』らと同様に、オリジナルではないフォロワーならではの未熟さと開発力の弱さがはっきり見られます。
一番の問題はAI。序盤はシンプルな構成なので感じにくかったのですが、本格的な潜入となったところでAIの酷さが顕著にあらわれた。目の前で堂々と見つかっても、ちゃんと追ったり捜索してくれなかったり、不安定な動きをします。ステルスがメインのゲームなのに、相手がちゃんと参加してくれないから真面目にステルスするのが馬鹿らしくなる。
それに加えてレベルデザインも雑で、マップ構造や敵やオブジェクトの配置がステルスゲームとして面白くなるように練られていない印象。どうやらマップは部分的に自動生成っぽかったらしく、正式リリース版にどの程度それが反映されているのかは不明ですが、自動生成らしいテキトーさが感じられる。
いろいろなゲームのシステムを取り入れており、それ自体は最近のゲーム作りとして定番なのですが、とりあえずいろいろ入れてみたけど噛み合っていない感じです。サバイバル要素も、無駄に複雑化や面倒くささに繋がっているだけで、こういうのは栽培とか拠点作りのシステムで煮詰めないと面白くなっていかない気がします。
元々はサンドボックス型のサバイバルゲームとして開発されていたとの事で、その名残が噛み合わない原因になっているんじゃないかと思います。
バグが多いのも問題。小さなバグは気にしてもしょうがないと思えるくらいあります。テント内でベッドの下に隠れたら、出る時はテントの壁をすり抜けて外に出たり、テイクダウンしようと背後から近づいただけなのに敵が急死したり、序盤からボロボロとバグらしいのが見える。アーリーアクセスを早めに切り上げて未完成のままリリースした印象もある。今後のアップデートで少しずつ改善されていくとも思います。
世界の設定とストーリーを楽しむ
今のところ世界の設定とストーリーはとても良い。ですが、『ディスオナード』をベースに組み立てたゲームシステムは洗練されておらず二線級という印象であり、旧世代感があります。『Gene Rain』『Earthfall』らと同様に、本家と比べると低クオリティなのが露骨に見えますが、それなりに楽しめるレベルにはあると思います。世界設定とストーリーが良いので、それを楽しむのを基本にして、添え物程度のステルス・クラフト・サバイバル。システム面での減点要素が多いのでレビューのスコアは低くなりますが、世界の設定とストーリーには他では替えがきかない魅力がある。