NURO 光を導入する計画が頓挫し、so-netのv6プラスで回線の安定を図りました。混雑する時間帯に10Mbpsまで落ちていたのが、250Mbpsをキープできるようになった。
so-netのv6プラスとは、インターネットをIPv6 IPoE接続にできたりするサービス。現在、利用者が多く混雑しているPPPoE接続とは異なったネットワークで、混雑ポイントを回避して快適なインターネットを利用できるとのこと。
PS4はIPv6に未対応なのですが、v6プラスを利用することには大きな意味があります。この事に関して右往左往しましたが、無事解決。
下記は、あくまでのso-netのv6プラスでの事です。他社の同様のサービスでは事情が違う事もあるかと思います。
混雑する時間帯の深刻な回線の遅さが問題でした
NURO 光やv6プラスを導入しようと思った発端は、混雑する時間帯の深刻な回線の遅さでした。通常は70~130 Mbpsくらいで安定していて、そこまで速い回線も必要なかったので問題は感じていませんでしたが、昨年から混雑する時間帯に使い物にならないレベルで速度が落ちる状況がチラホラ出てきていた。
5月19日(土) 22:00~22:10にPS4の「設定」→「ネットワーク」→「インターネット接続を診断する」で3回測定した平均値。3回測定して中間の数字を見ると、ダウンロード:9.9Mbps、アップロード:2.7Mbps。
例えばPlayStation Nowを快適にプレイするには、12Mbps以上が保証される安定したネットワーク環境が必要。NetflixのUHD 4Kストリーミング再生は25Mbps以上の安定したネットワーク環境が必要。両方ともハードルとしては低いのですが、混雑時には下回ってしまう。
ルーターの買い替えで大きな失敗
ルーターが古かったので最新機種に買い替えましたが、1回大失敗しました。最初に購入したのは2017年10月に発売された『BUFFALO WSR-1166DHP3/MWH』(購入価格5,918円)です。
V6プラス=IPv6 IPoE接続と思っていたのが大きな勘違い。事前にこの機種の仕様を調べて「IPv6パススルー機能を搭載」なのを確認していましたが、PS4やSwitchはIPv6に未対応ですので、この機種を使っても回線の混雑問題は解決しません。
じゃあPS4にv6プラスは無意味なのかと言えばそうではありませんでした。v6プラスは「IPv6を利用したIPv4インターネット」が可能なのです。格ゲーマーのためのラグ対策 v6プラス編様で詳しく解説されていますが、IPv4の通信を一時的にIPv6で包み込む技術とのこと。IPv4を一時的にIPv6で包んで混雑を回避したうえで、出口でIPv4に戻る。これにより、IPv4でもIPv6 IPoE接続のように混雑を回避できるという。この機能に対応したルーターを購入する必要があったのです。上記のルーターは「IPv6パススルー機能を搭載」ですが、「IPv6を利用したIPv4インターネット」には未対応。
あくまでIPv6に未対応機器のみが混雑するということで、↓のようにPS4は混雑する時間帯にガタ落ち。通常時208Mbpsが混雑時は11Mbps。IPv6に対応しているPCの場合は少し遅くなっていますが、この速度なら何の問題も感じない。200Mbpsくらいの速度になると、測定時のバラつきも50Mbpsくらいはあるので、測定誤差の範囲。ガタ落ちするのはIPv6に未対応の機器のみです。
時間 | PS4 | PC(Fast.com) | PC(Speedtest by Ookla) |
---|---|---|---|
5/29 12:00 |
|
|
|
5/29 22:00 |
|
|
|
ということで2017年4月に発売されていた『BUFFALO WXR-1751DHP2』(購入価格11,172円)に買い直し。IPv6を利用したIPv4インターネット接続サービス/機器一覧 | BUFFALO バッファローに記載されていた製品です。

BUFFALO WiFi 無線LAN ルーター WXR-1751DHP2 11ac 1300+450Mbps 4LDK 3階建向け 【iPhone8/X対応】
- 出版社/メーカー: バッファロー
- 発売日: 2017/04/15
- メディア: Personal Computers
- この商品を含むブログを見る
こちらで測定した場合、IPv4のPS4も一時的にIPv6で包んで混雑を回避可能になる。……が、PS4でNATタイプが「失敗」になってしまった。でもこれはすぐに解決。ブラウザからhttp://192.168.11.1にアクセスして「セキュリティー」→「UPnP機能」のチェックを外してから再測定したら「タイプ2」になりました。
この状態での測定結果。PCでの測定は最初のルーターもIPv6 IPoE接続でしたので同じ。今回はPS4での接続が混雑する時間帯でも安定するようになっています。
時間 | PS4 | PC(Fast.com) | PC(Speedtest by Ookla) |
---|---|---|---|
5/30 12:00 |
|
|
|
5/30 22:00 |
|
|
|
LANケーブルは最新規格に
NURO 光のために購入していたCAT8のLANケーブルを使用。CAT8は最新規格。現状はNURO 光だとしてもオーバースペックだと思います。光回線で速度が出ない場合は、CAT5以下のLANケーブルを使用している可能性があります。CAT5は、まだ普通に販売されている製品。「安いケーブルでいい」という感覚だとCAT5を買っている可能性もある。
- CAT8 (通信速度:40Gps / 伝送帯域:2000MHz)
- CAT7A (通信速度:10Gbps / 伝送帯域:1000MHz)
- CAT7 (通信速度:10Gbps / 伝送帯域:600MHz)
- CAT6A (通信速度:10Gbps / 伝送帯域:500MHz)
- CAT6 (通信速度:1Gps / 伝送帯域:250MHz)
- CAT5e (通信速度:1Gps / 伝送帯域:100MHz)
- CAT5 (通信速度:100Mbps / 伝送帯域:100MHz)
これまでNTTから借りている機器からルーターへと繋いでいたLANケーブルは、機器に付属していたLANケーブルでした。このLANケーブルの規格が不明で、もしかしたら古い規格のケーブルだったかもしれない。

エレコム LANケーブル 1m ツメが折れない スリム CAT8 ブルーメタリック LD-OCTST/BM10
- 出版社/メーカー: エレコム
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: Personal Computers
- この商品を含むブログを見る
大満足
NURO 光の導入が頓挫し、v6プラスのために買ったルーターでも失敗、でも最終的には大満足な効果が出ました。もう混雑する時間帯で10Mbpsに落ちることはなくなった。しかも、v6プラス導入前の旧ルーターと旧ケーブルでは通常時に70~130Mbpsだったのが、今の環境では200~250Mbpsくらいになりました。
IPv6 IPoE接続にデメリットがないわけではなく、so-netにv6プラスと同時に利用できないサービスについて記載がありました。
- So-net フォン
- 固定IPサービス
- ダイナミックDNSサービス
- また以下の条件にあてはまる場合、ご利用いただけない場合があります。
・特定のプロトコル (PPTP、SCTP) を利用するサービス
・利用可能なポート番号が制限されているため、特定のポートを使うサービス
・IPv4グローバルアドレスを共有するネットワークでは利用できないサービス
環境や設定によっては、ゲームに不具合がある可能性もあります。
格ゲーマーのためのラグ対策 v6プラス 動作確認済み格ゲー
私はv6プラスを利用し始めたばかりで今のところ問題は感じていませんが、なにかあれば追記します。
ルーターの購入に失敗はしたのですが、最初のルーターも人によっては意味があります。PS4のNATタイプが「失敗」になって解決できない場合は、最初に買ったルーターにすればPS4が通常のIPv4で接続されます。当然ながらPS4の回線は混雑する時間帯に遅くなりますが、PCやスマホは安定しますので、そちらを利用する場合のストレスはなくなる。私も、もし今のルーターでPS4のゲームに不具合があれば、最初に購入したルーターに戻します。
しかし、NURO 光も終わってなかった
NURO 光のNTT側の工事ができなかった件、工事ができないなら開通は不可だと思っていましたが、so-netから連絡があり、中継ポイントか何かの工事をしてから開通可能だと言われました。いつ可能かは未定なので、またしばらく連絡待ち。NURO 光が繋がってしまえば、購入した2台のルーターは不要になりますが、まぁキャンペーンでPS4 Slimと5000円分のPSNチケットが貰えるし、超高速回線で月額が高いわけでもないし、当初の目的であったNURO 光を導入したいと思います。
こんなことなら1年前にv6プラスを利用していれば、快適なネットライフを過ごせていたのになと思う。こういうのを知らないせいで不便を被ってきたんだなと実感。知らずに損していること、他にもたくさんありそうです。
コメント
>>3さん
BUFFALO WXR-1751DHP2では最新のフォームウェアにアップデートしてから、「セキュリティー」→「UPnP機能」のチェックを外したのみです。これ以外は初期設定から変更していないと思います。
その後、下記2つのサイトでv6プラスの利用を確認しました。
http://kiriwake.jpne.co.jp/
http://www.so-net.ne.jp/support/mbr/catalog/ipv6/speedcheck.html
※両方ともプロバイダーが日本ネットワークイネイブラー(JPNE)になっていればOK
NTTから借りているONU(GE-PON) → ルーターWXR-1751DHP2 → 有線でPCやPS4
という具合に繋いでいます。
こんにちは。いつも拝見しています。
私も今、IPv4overIPv6環境を構築しようとしているのですが、設定の面でつまずいています。同じBuffaloルーターなのですが、よろしければ初期設定から変えた部分などご教授頂けませんでしょうか。
>>BLZF4さん
ネットの速度低下は多くの人が抱えている問題でしょうから、v6プラスや同じようなサービスは一気に普及するかもしれないですね。自分自身が使ってみて劇的な効果でしたし良いものです。
となると今後は機器やソフト側の対応も進んでくるんじゃないかと期待できます。
私もso-netを利用しています。つい先日、V6プラスを申し込み、対応しているルーターに買い換えました。
仰る通り、夜間に著しい速度低下を起こしていた事が、解消されました。
私の居住地では、NURO光は未対応なので、こういったサービスは嬉しい限りです。
現在は、PS4やスマホなど、全てwifiで繋いでいますが、有線接続だと、また違ってくるのでしょうね。CAT8規格のLANケーブル、気に留めておきます。
so-netがv6プラスを始めたばかりと知って、妙にホッとしました。いろいろ伸びた結果、丁度良かったみたいです。
複数のルーターで分岐させるという考えは今まで持っていませんでした。今後、なにかつまった時に使えるかもしれません。
情報ありがとうございます。自分で調べると、どこの何を調べていいのかわからない事も多いですし、あまり意味がわからないままに行動に移す事もあります。詳しい方の助言はとても参考になります。
前回の追記です
so-netがv6プラスを始めたのは先月からなのでタイミングはドンピシャだと思います。
ご存知かと思いますがひとつのIPを複数ユーザーが利用する仕様のためポートが自由に使えません。
このためUPnP機能が誤動作するのですが、これをオフにすると最近のサービスは別の方式で繋ぐため問題がないと一般的に言われてます。
so-netはIPv6 IPoEを申し込んでもIPv4
PPPoEが使える数少ないプロバイダーなので複数のルーターで家庭内で分岐させると同時にIPv6とIPv4環境が構築できます。
違いとしてはv6プラスがIP固定なのに対してIPv4の方は経路が異なるため別IPになります、また従来通り自由にポートが使えます。
毎回勉強熱心で、惜しみなく情報を公開してくれて頭が下がります。