2018年5月25日リリース予定の『Detroit: Become Human』。体験版をプレイしてみました。
ゲームの基本構造はシンプル
今回の体験版は、人質をとったアンドロイドとの交渉を成功させるのが目的。
- まず室内を調査して、交渉に使える情報を集める
- 情報が集まったら、アンドロイドと交渉
ゲームの構造としてはシンプルです。捜査パートで情報を集めて、交渉パートで情報を生かして有利に進める。捜査パートでの情報集めが不十分だと、選択肢が少なくなる。
分岐シナリオ
体験版の1プレイは15分ほどですが、6パターンのエンディングがあり、繰り返し遊べるようになっている。
わかりやすいフローチャートがありますので、攻略情報は必要なさそうにも思います。これも最近のトレンドであり、攻略情報を見ながらゲームしなくてもいいような情報の与え方。
「ゲームオーバーは過去の遺物」という主旨の発言をしたのが『HEAVY RAIN 心の軋むとき』の発表時。当然ながら『Detroit: Become Human』にもゲームオーバーはないようです。
直感的な操作
『HEAVY RAIN 心の軋むとき』のような右スティックでの操作もあります。今回の体験版では物を取るとか置くとかシンプルな操作のみで、QTEとは違う直感的な操作。〇ボタンで物を取るよりも、ゲーム内のキャラクターとの動作シンクロ率が高まり、没入感を高める効果がある。
『ゴッド・オブ・ウォー』もQTEが激減しましたが、どこもQTEは減らす傾向があるので、『HEAVY RAIN 心の軋むとき』よりは大幅にQTEが減っているのは予想できる。
オープンシナリオ・アドベンチャーの究極へ
選択肢方式のアドベンチャーゲームという、言ってしまえば昔からあるジャンルですが、Quantic Dreamは、このジャンルの究極を追い求めている印象。どこまで没入感を高められるか、プレイヤーがその場にいるような強烈なゲーム体験にさせるか、随所にこだわりが見られる。
例えば人質をとったアンドロイドとの交渉という緊迫した場面。優れたグラフィックと演技とテキストでキャラクターの感情や命が感じられるからこそ、手に汗握る交渉が味わえる。この体験が凄い。
このゲームの世界では人間のようなアンドロイドという存在がストーリーの中心にいますが、実プレイではゲームのキャラクターなのに本物の人間(アンドロイド)を相手にしているようなところが「機械に命を感じる体験」としてダブる。
パッと見は映画のようなゲームでありながら、実際は実体験しないと魅力が伝わらないゲームかと思う。観るのではなく、体験することが肝。Youtubeの動画でも、視聴している人と出演している人の感情は全然違うみたいな。そういう差。ストーリーのガワだけ見るもんじゃなく、出演して体験するものに大きな意味がある。
製品版でも、プレイヤーが能動的に感情を入れていくことで楽しくなるゲームなんじゃないかという気がします。逆に言うとゲームとして客観的に見過ぎてしまうと、浅い体験で終わってしまう可能性もある。ボタン操作だけではなく、プレイヤーの感情操作も問われる。
「ゲームオーバーは過去の遺物」という考え方も、こういったゲーム体験へのこだわりがあるからこそ生まれたものかと思います。アニメのようにストーリーを見せるタイプのアドベンチャーゲームとは別物で、プレイヤー自身の体験として落とし込むタイプのアドベンチャーゲーム。
製品版でアンドロイドになるのが楽しみ。