『北斗が如く』クリア後の感想

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2018年3月8日にリリースされた『北斗が如く』をクリアした感想。

 

無双シリーズから『北斗無双』が生まれたように、龍が如くシリーズから生まれた『北斗が如く』。龍が如くをベースにして開発された北斗の拳のゲーム。

リリース後のアップデートで良くなった

まず体験版と製品版のリリース直後の大きな不満がアップデートで改善されました。これにより印象が大きく変わった。

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スティックのみで走れる

体験版の感想でも書きましたが、基本中の基本である移動操作に問題があったゲームでした。×を押さないと走らないし、歩く理由もないので常に×は押しっぱなし。×を押しっぱなしだから右スティックでカメラ操作ができない。移動操作が煩わしいというのは大きな問題で、魚の小骨が喉に引っかかっているみたいな嫌な感じでした。

バージョン1.02では設定に「×で走る設定」が加わり、これをOFFにすると通常が「走り」で、×を押すと「歩き」になる。移動中の×押しっぱなし問題とカメラ操作の問題が解決した。エデンを街を楽しく探索できるようになった。これデフォルトでONの方が良いですね。

まだ移動速度の遅さに不満は残ります。ミッションで街中を走り回ることが多いので、全速力で走る操作があれば完璧。

奥義のQTEが不要に

これも体験版で書きましたが、奥義で毎回QTE操作があり、演出時間も長い問題。このため雑魚戦を繰り返すほど奥義を使いたくなくなるし、雑魚戦の煩わしさが増していった。

バージョン1.02では設定に「かんたん奥義モード設定」が加わり、これをONにすると奥義を使ってもQTE不要。

これにより雑魚戦で奥義を使いやすくなって楽しくなった。演出をカットすることができるようになれば、もっと良いと思う。

原作を生かしつつのオリジナルストーリー

ストーリーはオリジナルですが、原作の設定を生かしたり、やりとりを再現しているところもあります。原作とは違うので先がわからないから気になるし、『龍が如く』らしい驚ける展開もあります。と同時に驚きを狙うあまり「?」となる部分があるのも『龍が如く』らしい。突拍子のなさのようなブッ飛んだような感じ。

まとまりが良くて完結もしており、クリア後の余韻も良かったです。長くはないメインストーリーの中に『北斗の拳』のキャラクターを詰め込んでいますので、個々の絡みは浅め。その章に出てきて、そのまま倒すだけみたいな事も多い。

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原作の濃いファンには馴染みにくいんじゃないかなと思う。声優は『龍が如く』で揃えていますし、ケンシロウは原作のキャラが崩壊しているようなサブミッションをやる。原作ベースで見てしまうと違和感を覚えますので、あくまで『龍が如く』がやる『北斗の拳』。

 

個人的にはオリジナルストーリーで良かったです。原作をなぞるとなると、かなり中途半端になっていたと思いますし、先を知っているストーリーを半端に描いても面白くならなかったと思う。

 

メインミッションは最近の『龍が如く』シリーズと比べると短いです。寄り道をあまりせずにメインミッションを進めると、あっさりめに終わります。サイドミッションは80個あります。それらを合わせれば一般的なゲームとしては十分なボリュームがあるかと思う。でも『龍が如く』シリーズとしては少なさそう。

ミニゲーム

ミニゲームは「バギーレース」「どこでもドクター」「バカラ/ルーレット/ブラックジャック/ポーカー」「デス・バッティング」「ケンシロウ・クリニック」「バーテンダー・ケン」「黒服ケンシロウ」「スペースハリアー/アウトラン/スーパーハングオン/セガ・マークIII 北斗の拳/UFOキャッチャー」「商売人ケン」。

ミニゲーム枠ではないですが、賞金首というサイドミッションも1つのストーリーがあって面白い。

 

この中で「黒服ケンシロウ」はハマってコンプリートするまでプレイしました。ナイトクラブのミニゲームです。これは金の稼ぎも良くて、最終的には2分30秒のミッションで100万以上稼げます。

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それ以外のミニゲームはあまり進めていません。バギーの操作が楽しいので、クリア後はバギーからやり込んでみようと思います。

 

強化要素は5種類の宿命珠というアイテムを使って強化パネルを解放していくシステム。宿命珠はサイドミッションやミニゲームでも入手できますし、3種類は実質お金で買える。ミニゲームが強化にも繋がります。

戦闘

体験版で感じた戦闘の問題は奥義(QTEと演出の長さ)とR1のロックオンの使いにくさでした。奥義の問題はアップデートで良くなっています。まだ演出の長さは気になるところではありますが、QTEがなくなるだけで、これほど気分的に使いやすくなるものなんだと実感しました。

R1のロックオンが使いにくいのはそのまま。特に1対1のボス戦でカメラが追ってくれないのが残念。右スティックをチョイチョイ操作しながらの戦闘になる。雑魚戦でもカメラがキャラに寄って迫力があるのは良いのですが、それにより全体が見難い事も多いので、敵の方を向いてくれないロックオンが使いにくい。戦闘における重要な部分ですので、ここが変われば劇的に良くなるだろうと思う。

 

上記の点は気になりますが、おおむね気に入っています。基本は『龍が如く』ですが、しっかりケンシロウのモーションで、ケンシロウらしいアクションができる。コンボ→秘孔→奥義へとキレイに繋がると気持ち良い。

秘孔と奥義が軸になっているので、それへの繋ぎ方を考えるのが面白くもあり、『龍が如く』との違いでもある。殴り倒す意識のままでいると、敵の硬さが嫌になると思う。

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戦闘でテンションを上げてくれた音楽。世紀末プレミアムエディションを購入していましたので、戦闘BGMを「愛をとりもどせ!!」と「TOUGH BOY」にしていました。ボーカル入りでフル。この音楽の中でケンシロウが戦うのが最高で、ボス戦のQTEにも曲がハマるとテンションMAXでした。同じことの繰り返しでもある戦闘ですが、この曲をバックにケンシロウでアクションするのは飽きない。
世紀末プレミアムエディションを購入した一番の理由は桐生一馬のスキン、二番は宿星護符、音楽は気にしていませんでした。実際にプレイすると桐生一馬のスキンは前半だけでやめて、宿星護符はほぼ使わず、音楽はヘビーローテーション。
めちゃくちゃカッコいいです。北斗の拳とコラボして良かったと思えるところ。

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戦闘を盛り上げてくれたもう1つの要素が「あべしオーディション優秀ボイス」。一般から雑魚敵の断末魔の音声を募集していたみたいです。デフォルトではOFFになっています。最初はあまり好まないシステムだったのですが、試しにONにしてみると意外に面白くてバリエーションも多い。雑魚敵を倒してどんな音声が出てくるかも楽しみになった。

細かい粗

PS3世代の和ゲーという感じで、現代基準では洗練されておらず、旧世代感を感じます。『〇〇が如く』シリーズと最新作として進化もほしいところでしたが、むしろPS3時代にスルーしていた旧作をプレイしているような感覚。

 

オートセーブがなく、セーブポイントと章の切り替わりのみで手動セーブが可能。それもプレイデータとシステムデータを分けてセーブするので、ボタン送りと待ち時間がある。

 

イベントムービー後や降車時などでカメラがキャラクターの正面に回ることが多い。そのまま画面手前に走ってカメラを追尾させるか、手動でカメラを調整する必要がある。この不便は「×で走る設定」をOFFにできるようになって軽減されたが、初めからカメラが背中のほうが動きやすい。

 

荒野の広さに対してミニマップが狭い。徒歩+街中サイズのままのミニマップという感じでもある。3段階で切り替えられるのだから、もう少し広い範囲が見えるマップもほしかった。タッチパッドで開く大きなマップにマーカーをセットすることもできない。

 

会話のテンポが悪く、NPCの微妙なモーション待ちで会話に時間がかかる。これも喉に魚の小骨が引っかかったような煩わしさ。メインもサイドも会話が多いので、この煩わしさは痛い。
会話のテンポだけじゃなく、QTEの演出や車両時のエンカウントなどもそうですが、全体的なテンポの悪さも感じる。

 

テンポだけじゃなくて冒頭はリズムもおかしいと感じた。秘孔をついてアイテムを貰うおつかいはショボさを感じた上に、あれから重要な要素になるわけでもなかった。同じチュートリアルを繰り返したり、変なタイミングの回想で種もみのエピソードを入れてきたかと思えば、その後のミッションでも種もみのエピソードがあったりするところも違和感を覚えた。最初3時間はイベントの進ませ方もスマートじゃなかった印象。このリズムの悪さは、完成図を見ないで慌てて組み立てられた物のようでした。アップデート前だったこともあり、デビルリバース戦のイマイチな出来といい、開始3時間くらいは駄ゲー感がありました。しかし、6章くらいから自由度が増して、ゲームの進め方も馴染みある『龍が如く』らしくなり、面白さがグイグイ上昇した。

早期アップデートに救われた

最初は雑な作りという印象を受けたゲーム。 「少しプレイすればわかるじゃん」という問題が放置されていて、ゲームとしての組み上げ方も雑で、面白くないとか煩わしいとかよりも、粗さにガッカリして『〇〇が如く』シリーズへの信用も下がった。しかし、早期に2つの問題が改善されたことで、大幅に印象も良くなりました。それに加えて中盤からは自由度が増して、戦闘のアクションも増えて面白くなっていった。最終的には好きなゲームになりました。
『メタルギア サヴァイブ』の時みたいでデジャブのようでもあり、面白さを感じる自分の感覚の鈍さも疑う。ただ今回は、実際に序盤の構成はおかしかったと思うし、リリース後にアップデートが入ったのも大きい。

 

現状も十分に楽しめていますが、早期アップデートがあったことにより今後にも期待が持てるようになりました。会話のテンポの悪さ、R1のロックオンの使いにくさ、移動速度の遅さ、奥義の演出の長さなど、少しでも改善されると嬉しいです。

 

まだ1/3も遊んでいないでしょうし、これからサイドミッションとミニゲームを楽しみたい。

 

北斗が如く - PS4

北斗が如く – PS4

 
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