2018年1月25日にリリースされたPSVR専用『The Inpatient -闇の病棟-』(4,212円)をプレイしました。
概要
- 『Until Dawn – 惨劇の山荘 -』の60年前が舞台
- プレイヤーは“ブラックウッド療養所”で記憶を無くしたまま目覚めた主人公
- デュアルショック4とMove2本持ちに対応
- 音声入力に対応
- 国内版はCERO:C(15歳以上対象)、北米版はERSB:M(17歳以上対象)
操作
操作はシンプルです。Move2本持ちの場合、左手MoveのMボタンで前進、右手Moveを左右に傾けながらMボタンで視点切替、後方に倒しながらMボタンで反転。視点切替は操作オプションでフリー/15度/30度/45度の設定が可能。Tボタンで物を掴んだり座ったりする行動。
操作性は、あまり良くないです。Moveを使った移動操作はスカイリムVRのほうが良くできていた。〇×△□ボタンを未使用にするくらいなら、それを視点変更に割り当ててほしかったところ。難しいアクションはないので操作に慣れれば苦労はないですが、PSVR専用タイトルとして操作性はこだわってほしかった。
操作からわかるように非戦闘型のゲームで、パズル要素もほぼないです。会話と移動と特定のポイントを調べてゲームを進める。
『Until Dawn』でお馴染みの「バタフライエフェクト」システムがあり、プレイヤーの選択が、その後の展開に影響を与える。
音声操作が面白い
このゲームは音声での操作にも対応しており、選択肢をボタンで選ばずとも自分が声に出して読めば反応します。
PS4のホーム画面自体が音声操作に対応しており、音声操作に対応しているゲームは昔からありますが、VRでやるとまた格別。同じゲーム世界に入り、そこにいる人物と声で会話できるのは新しい感覚です。演じる面白さもあり、ゲーム実況でも楽しい要素になりそう。
自分でやってみるとプロの声優さんは凄いなと思いました。私の場合は、声優じゃない人が声優の仕事をやったみたいな棒読み感が出ました。
グラフィックは良い
グラフィックはPSVRのタイトルとして良いです。ここはさすがSupermassive Games、さすがPSVR専用タイトルといったところ。グラフィックが良いので「そこにいる恐怖」も抜群。やはりVRのホラーは別次元。
キャラクターの演技は洗練されていないところもあり、不自然に棒立ちしているのは気になった。細かく作り込まれてはいない印象。
ストーリー1周に1時間30分~2時間程度
ストーリーを1周するのに1時間30分~2時間程度。前半と後半で進行形式が少し違う印象。
前半はシーンチェンジを繰り返して進行する。病室で会話して2ヵ所くらい調べて次のシーン、とか。現実と妄想の区別がつかないような、奇妙で不気味な雰囲気。
恐怖としてはジャンプスケア系の印象が強い。静かな場面から急にギャー!と驚かせてくるビックリ系のフラッシュみたいなアレ。ストーリー1周が1時間30分~2時間程度のボリュームなので、片手で数えるほどの回数ではあります。不気味な療養所を歩くのは怖いのですが、どちらかと言えば雰囲気そのものよりもジャンプスケアの発生を怖がって歩くという感じでもあった。
後半はシーンチェンジがほぼなくなる。そしてB級ホラーっぽい感じに。『Until Dawn』らしいっちゃらしい。
前半と後半に共通しているのは「記憶」の存在。主人公は記憶装置であり、特定のポイントを調べると記憶がフラッシュバックします。自分が何者で何を見てきたのかを断片的に知っていく。
同社の『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』もそうですが、これらのゲームでは、ストーリー1周はゲーム1周ではないと思っています。
『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』のトロフィー攻略をしましたが、繰り返しプレイすることで凄さや面白さが出てくるゲームシステムです。ストーリーの繋ぎ方や展開、ベースとなるストーリーを頭に入れた上でのパズルを解くような選択肢、キャラクターの心情や事情を知ることで同じシーンでも違った印象を与えるリプレイの面白さなどなど。1周目はストーリーのベースを知るチュートリアル的なものだと意識し、2周目以降でどんな変化を感じられるかが、これらのゲームの真骨頂かと思う。
1本の映画を観るような感覚で1周目をプレイすると肩透かしにもなりそうです。1周目は細い1本の線が引かれるだけで、2周目以降で線が太くなったり歪んだり色が変わったりと変化していくようなシステムだと認識しています。『The Inpatient -闇の病棟-』が、どんな感じかはトロフィーコンプリートするまでわからない。今のところは奇妙で不気味な雰囲気を楽しんでおります。
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