最近、ソフトのリリースが多くて嬉しいですが、情報を受けとるだけでも大変です。
Steamで見る「ソフト多すぎ問題」
「2017年にSteamで発売されたゲーム本数が6000本を突破」というニュースがあり、その中で「6000本という数字は2006年~2015年までの全タイトルと同等」とも言われていました。SteamSpyのデータを見てもその通りです。2016年と2017年のタイトル数が大爆発している。Steamで言えば2014年か2016年が「ソフト多すぎ問題」の発生ポイントですね。
リリース年 | タイトル数 | 10万本以上 |
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$5以上で 10万本以上 |
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2017年 | 7525本 | 410本 5.4% | 290本 | 120本 |
2016年 | 5007本 | 772本 15.4% | 592本 | 180本 |
2015年 | 2965本 | 625本 21.0% | 490本 | 135本 |
2014年 | 1775本 | 523本 29.5% | 414本 | 109本 |
2013年 | 566本 | 338本 59.7% | – | – |
2012年 | 394本 | 247本 62.7% | – | – |
2011年 | 305本 | 187本 61.3% | – | – |
2010年 | 319本 | 134本 42.0% | – | – |
2009年 | 346本 | 153本 44.2% | – | – |
2008年 | 181本 | 96本 53.0% | – | – |
リリースされるソフトが多くてユーザーとしては嬉しい限り。やりたいソフトが多いのに手を出せなくてやきもきすることはあるでしょうけど。
厳しすぎる競争率
しかし、ソフトメーカーは大変です。2012年にはリリースされたタイトルの62.7%が10万本を超えるほどの勝ちやすい市場だったのが、2017年は5.4%という厳しい競争率。ソフトが多くなればユーザーも情報発信も注目度も分散されます。
2011年~2012年にSteamの成長を予測したメーカーが2014年に一気に集まった感じですかね。そこで前年の3倍もソフトが集まって大盛り上がりして、それを見てまた集まって2016年から2017年にソフト数がバグったみたいに跳ねた。ただ、美味しい市場かと思って来てみたら、レッドオーシャン状態だったので泣きを見たメーカーも多いかと思う。1年に7525本もリリースされる市場で目立つのは難しい。2013年までは、とりあえずほぼ全てのタイトルが存在は知られるくらいの本数ですが、2017年は存在すら知られないタイトルが大半かと思う数字。
スマートフォンアプリも似たような展開だったのかもしれない。「儲かるぞ!」と盛り上がって押し寄せて、厳し過ぎる競争率で大半は勝てない。その中で勝っているところは尋常じゃない勝ち方ができる。
逆にSwitchに早期リリースしたインディーズ系のメーカーは成功している印象で、成功報告も目にする。競争率は低いが勢いがある市場。しかし、これもまた「儲かるぞ!」と聞いて集まってきた後発組は競争率が高くなって厳しくなるのも見える。
国内PS4もソフトが多くなった
国内PS4のソフトもリリース過多になっている。8月くらいから毎週10本前後のリリースが当たり前になっています。これもSteamの2011年~2012年みたいなもので、PS4が世界シェアで独走状態になり、国内でWiiUの勢いが落ちてきてPS4と張り合うハードが見えていなかったあたりでPS4向けのタイトルが大量に準備されていたのかと思います。
ソフトが多すぎて、メディアでもTwitterでも、ほぼ話題にならないようなソフトも出てくる。
「ソフト多すぎ問題」に対応する中心地
PS4が7000万台突破して市場が大きくなってソフトが集まるのは当たり前、それで競争が厳しくなるのも当たり前。そんな当たり前のことを言っている中で、必要と思うのはソフトの情報が集まる中心地。
50人くらいしか盛り上がってないソフトでも、その50人が意見交換をしているようなコミュニティがあれば、マイナーでも熱い感想が発信される。もしくはSteamのようなレビューシステムの実装。そういう場所でソフトが評価を受けやすくなれば、良いゲームが発見されやすくなる。現状、評価の舞台に上がってすらいないソフトも多いと感じています。その状態でソフトがポンポン放り込まれてもスルーされていく。そこにフィルターが1枚入れば面白い。
Steamには優れたレビューシステムがありますが、PS4には「ソフト多すぎ問題」に対応するフィルターがない状況なんじゃないかと思っています。競争があってこそ良い物が生まれていくので「ソフト多すぎ問題」自体は悪くないですが、それを選別する良いフィルターがない。面白くても存在を知られない。ユーザーの声で盛り上がったタイトルとして『デモンズソウル』がありますが、あれとて1年7525本の中の1本としてリリースされていたら、気付かれない可能性が高かったでしょうし、プレイした人も「面白かったけど次に続かなかったなぁ」という結果になっていたかもしれない。
ソフトが少ない時代はメディアの発信だけでもそれなりに情報を把握できていたでしょうけど、今はできていません。今後も増え続けるソフトに対応するには、数百万のアカウントが力を合わせて情報を集めるような中心地が必要。レビューシステムにしろコミュニティにしろ、なにか一手ほしいと思うところでした。
私自身、最近の多すぎるソフトを把握できていないです。それを調べようと思ってもマイナータイトルは特に難しい。ソフトの情報を把握した上での取捨選択にはなっていないと実感しています。
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コメント
公式情報と言えば、北米ブログみたいに5日ほど前に「次週の発売予定タイトル」を一覧で紹介してくれるだけで有難いんですけどね。そこで初めて知るタイトルも多くて毎週新発表の楽しさがあります。
日本ブログは発売後の金曜日に一覧を出しているので情報としての魅力は弱いです。5日目に一覧が出ていれば、それだけでだいぶ把握しやすくなります。
ソフト多すぎで見逃すということもありますが、それ以前に、日本プレイステーションのツイッターアカウントなどの広報があまりうまくないと感じます。あれはなんとかならないんでしょうか。。せめてゲームのトレーラー動画にリンクしてもらえれば効果もあるしリツイートしやすいんですけど。そういうのはほとんどしないし。
PSストアアカウントと分けてる意味があるのかどうか・・。PSストアアカウント見てない人はセールを知らない可能性もあるというのはもったいないです。Steamの公式アカウントみたいにもう少し普通にできないだろうか。
あと、任天堂ならともかくPSが「お笑いタレントが出演してわちゃわちゃしゃべる広報動画」を作る意味があるのかも疑問です。コンテンツやユーザ層に合っているんでしょうか。
それと日本でも海外インディーみたいにDiscordが活用されていてもいいかなと思います。取り扱いが難しいので慎重になってる部分もあるんでしょうが。。日本だと「ゲームコミュニティ」がどうしても弱いんですよね。。
PS4のシステムソフトウェアは3月頃と9月頃に大型アップデートがありますので、3月頃のアップデートで何かあると嬉しい。
時代の流れ的にギフト機能はきそうだと思っています。それに合わせて「お気に入り」が「ほしいもの」に変わるかも。
>>nanaさん
開発環境が良くなってインディーズが多くなってソフトが増えて……までは良いですが、そのソフトをユーザーに伝える方法が整っていないですね。本当に最近、ソフト情報が溢れてきているのを肌で感じています。
>>名無しさん
最新の情報だけでも追うのが大変なので、一度スルーされるとそのままですね。再注目はセールかフリープレイくらいです。
最近は初動で躓くと挽回が難しいのは感じますね。
ここ数年、自分のプレイしたソフトで挽回出来たのはVITAのネットハイくらいかな…
初週3000代から1年数か月後に3万まで伸ばしていました。
steamのソフト増は個人開発者の増加も関係してそうです。
宣伝にお金を掛けられないインディーの場合、現状ではセールで注目を集めるしかないですね。タグやギフト、インフルエンサーが紹介しやすい機能などが必要かと思います。オススメやランキングがセール中のゲームばかりであまり機能してないのも問題です