『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』をクリアしました。クリア後に満足感や喪失感の入り混じった最高の余韻を残してくれました。
Twitterの評判が良くて購入
2017年5月25日に発売されたタイトルですが、購入予定はありませんでした。体験版を少しプレイしてパッとしない印象を受けたのと、VITA版からの半年遅れの後発マルチということで鮮度も感じていなかったことが大きな理由だったかと思います。
でもTwitterでやたらと評判が良くて、ここまで好意的な意見に偏るゲームは珍しいと感じ、確かめずにはいられませんでした。
見た目は古い
グラフィックやモーションは良くないです。PS4どころかPS3クオリティにも到達していない印象。特にイベントシーンのモーションは旧世代的な演出。
とはいえ4Kに対応していることもあり、線のシャープさは旧世代機では表現できない美しさがある。線がシュッと美しく決まっていると、絵として締まる。PS3クオリティにも到達していない印象とは言ったものの、PS3では表現できない美しさを出せているところもある。テクスチャは元の粗さがあるが、それでも4Kに対応したなりのシャープさは出ています。
現代的なスピード感
見た目はPS2世代のようでもありますが、中身は現代的なスピード感を感じる。
スピードそのままの話でいうとロードが早すぎる。ファストトラベルでさえ3秒未満ですし、ロード中のTIPSを読む時間がない。ここがVITA版との大きな違いかなと思います。VITA版も評価は高いのですが、ロード時間に関する不満はチラホラ見られます。
そこがPS4版では完璧に解消されている。無人島を探索して方々に移動するゲームですので、このロードの早さは大きな意味がある。グラフィックは劣りますが、ロードの早さは大作RPGの中では圧倒的なんじゃないかと思う。通常移動時はロードを挟まないように工夫しているゲームはたくさんありますが、ファストトラベルのロードは少し長くなるゲームがほとんどです。私は、このロードの早さを体感してグラフィックに関する不満は忘れました。このゲームの場合、グラフィックを良くしてロードが遅くなるよりは良い。
上記のファストトラベルが、いつでもどこでも行える。フィールドでもダンジョンでもメニューを開いて3秒でひとっ飛び。ダンジョン最奥から拠点に戻り、すぐダンジョン最奥に戻れたりもする。これも快適すぎる。無駄な移動をカットできます。ファストトラベルの制限がほとんどないことと、3秒かからないということで気軽に使えます。
オートセーブと手動セーブに両対応。これもPS2時代とは違って現代的。
攻略情報いらず。クエストマーカーはしっかり出ていますし、ゲーム進行に詰まるようなところもなかったです。
基本の移動が快適なうえに、戦闘もダンジョンもサクサク進めます。ダルさを感じにくい作りになっている。
ロードは早いですが、小分けにされたエリアは携帯機向けゲームというところを感じます。1つのエリアが小さいからこそ、ロードも早いのでしょうね。
ツボを押さえたアクション
攻撃を受ける直前に回避やガードを決めるとスローになって反撃のチャンスが生まれるシステムがあります。アクションゲームではよくあるシステムですね。回避からのカウンターが気持ち良いですし、ギリギリの回避やガードを意識することで単調なボタン連打のアクションにはなりません。
通常攻撃の他にスキル攻撃があり、〇×△□に振り分けてR1を押しながら使います。スキル攻撃にはSPを消費しますが、SPは敵を攻撃しているだけでも回復しますので、スキルを出し惜しむ必要はない。SPの回復を見ながら、常にスキルも絡めて戦闘します。これも戦闘に工夫を生む要素となっており、単調さをなくす。
難しいゲームではなくて、爽快感のあるアクション。守備面ではジャストガードと回避、攻撃面ではスキル攻撃、シンプルながらツボを押さえた戦闘。
エフェクトが派手すぎたり敵が密集したりして見難くなることもありますが、さほど問題は感じませんでした。
PS Plusのフリープレイで『イース セルセタの樹海』をプレイしましたが、あそこまで軽くはなくなっている印象。この点は好みが分かれるところでしょうね。それでも他のゲームに比べれば軽快なほうだと思いますので『イース セルセタの樹海』をプレイしていなければ軽快としか感じないと思います。
トータルバランスが良い
ストーリー、戦闘、ボリュームと探索要素、漂流者探し、釣り、防衛戦と制圧戦、1つ1つの要素が面白い。「これは面倒だな」と思ったことがなかった。いろんな要素が含まれているゲームというのは普通なのですが、いろいろ詰め込んでいるけど、いらない要素も多いということも普通。『イースVIII』は、このバランスが素晴らしい。老舗らしい熟練されたところを感じる。
ロードの早さも含めて「快適さ」を重視しているように思う。防衛戦と制圧戦は水増ししようと思えばいくらでもできたかと思いますが、ストーリーの進行に合わせてほど良く配置されている。釣りもシンプルなシステムなので「後でやりこもう」とはならなくて、冒険のペースに合わせて一緒に行える。魚影も1~5匹程度なのが見えているのでわかりやすい。探索と漂流者探しも、ちょっとした寄り道で出来そうな範囲なので、これならメインストーリーを優先する必要もなくて、寄り道しながら進もうと思える。
なんでもかんでも作り込む・ボリュームを増やすことが良いことではないなと痛感しました。防衛戦と制圧戦や釣りのボリュームを増やしてシステムも複雑化して単品で遊べるゲーム並に作り込んでいたとしたら、「後回し」からの「放置」になっていた可能性もある。
音楽も良かった。特にダーナ編ではテンションが上がる曲がありました。
最高の余韻と喪失感を残して
クリアするのがもったいなくて、探索率100%にしてから真エンディングでクリアしました。約43時間。1周目を終わりたくないと思えるRPGは珍しい。
ストーリーは王道で、仲間たちは良い奴ばかり。そういえば『レヴナントサーガ』も良い奴ばかりでした。アドル編と過去編であるダーナ編とに分かれていて、終盤まで秘密と謎がある展開でした。無人島からの脱出という目的もあり、やるべきことの明確さもあって退屈しないストーリー。
終わり方も良くて、1つの大冒険を終えるという寂しを感じつつ、満足感や喪失感の入り混じった最高の余韻を残してくれた。このクリア後の余韻は、大作RPGに一番求めている部分かもしれない。ここまでのゲームは中々ないです。
私にとって『イース』というシリーズの存在が大きくなりました。体験版をプレイしたうえでスルーを決めていた自分の見る目のなさよ。Twitterでの楽しそうなプレイ報告に感謝。
コメント
グラフィックはアレですけど遠景まで見えるおかげかかなり冒険感がありますよね。
ファルコム作品は結構やってますが、8は結構異色ですね。これだけ色々出来て、かつ「いつも通り」にメインシナリオラインからのサブ分岐点を非常に考え込んで作っている。上記の分析通り、釣りだって普通はポイントを設定して、最低100回釣ってレア魚ゲットしてねみたいなシステムにしがちですが、そうじゃないんですね。防衛戦と制圧戦も然りというのはその通りだなあと思いました。
ただ、やってるうちずーっと思ってたのはFO4で期待していた拠点防衛って、こういう「防衛戦」だったんだけどなあということですね・・・
ファルコムはこれからも順調に延びていくんでしょう、楽しみですね。
あの体験版はあまり良くなかったですよね。
1部まるごと、できれば2部の途中くらいまで出来るようなのが良かったのではと思います。
イースオリジンも是非やってみてください!
最近のとは毛色違うけど面白いですよ!