VR専用のヘディングゲーム『ヘディング工場』をクリアしました。
『Headmaster (北米版)』とは方向性が違うヘディング
VR専用のヘディングゲームといえば『Headmaster (北米版)』がありますが、ヘディングの操作感が全然違います。スポーツゲームでもリアル系とゲーム的なデフォルメ系とがありますが、そんな感じの違い。
『Headmaster (北米版)』はヘディングシミュレーターという感じで、リアルなサッカーのヘディングに近い感覚。実際のサッカーのヘディングそのままの動作で良い。
『ヘディング工場』はゲーム的なヘディングで、基本的には自分が向いている方向に球が飛んでいく。『Headmaster (北米版)』場合、ボールを上に向けて打とうと思えばボールの下部を下から突き上げるようにして撃つが、『ヘディング工場』は打ちたい方向に顔の向きを固定していれば、アゴでボールの上部を打っても上に飛んでいく。
ヘディングゲームとしてネタ被りですが、この感覚の違いは面白かった。どちらが良いとかではなく、どちらの方向でも良いと思う。MLB THE SHOWとファミスタの違いみたいな。先日プレイした『VR Ping Pong (北米版)』はリアル系を目指そうとして中途半端な精度になってしまっていたが、『ヘディング工場』はリアルな挙動ではなく、ゲーム的な挙動として割り切っているので違和感は覚えない。ゲームとして的を狙いやすい仕様。
『ヘディング工場』の攻略としては、視点の中央にレティクルがある感覚でターゲットに合わせて、ボールマシンから飛んでくるボールを横目に見ながら、タイミングを合わせて顔を突き出す感じで打つ。とにかく視点をターゲットに合わせるのが大事。リアルのサッカーに慣れている人ほど、逆に難しいと思う。焦ると普通のサッカーの感覚でヘディングしてしまう。
ヘディング&パズル
コントローラーを使用しないゲームで、テキストもない(タイトルロゴ以外)。ひたすらヘディングで進むゲーム。
プレイヤーはレールの上を自動で進み、ヘディングポイントに到達すると停止。ヘディングポイントから先に進む条件はいくつかありますが、的を打つ、扉を打つ、ボールマシンを襲う敵を殲滅するなど。場合によっては移動しながらのパズルアクションもあり、制限時間以内に解けないと落下してリトライとなる。
的を打つのにパズル要素があり、パズルを解けないと的が狙えないようになっている。といっても非常に簡単なパズルで、詰むような場面はありませんでした。パズルの解き方は簡単ですが、それをヘディングで操作する必要があるので狙い打つ難しさの方が大きいと思う。
ひたすらレールの上を自動移動し、ヘディングポイントで的を打つ、扉を打つ、ボールマシンを襲う敵を殲滅するなどを繰り返して進む。クリアまで2時間30分ほどでした。ちなみにマルチエンディングです。道中であることをしていないとバッドエンディングとなる。
意外にもアート性高め
テキストはないしボイスもありません。ストーリー性は薄いですが、エンディングでは「ああ、なるほど」と思わされる。『ヘディング工場』というタイトルからしてネタゲーっぽいですが、方向性としては『風ノ旅ビト』『Flowery』などのアート性が高い方向で、不思議な世界観を持っている。まったくふざけていません。
ボールを投げてくれるボールマシンがヒロイン的な存在。これもギャグではなく大マジメ。バッドエンドでしたが、ちょっと泣ける。
まとまりの良いアート系ヘディングパズルアドベンチャー
ヘディングとパズルの融合は新感覚で唯一無二。リアルではないけどゲーム的な挙動で狙い打つ面白さも感じられる。
アート性の高い世界観も良いですが、ゲームとしてもっと遊ばせてほしいところはある。ヘディングアクションをしている時間よりも、レールの上を自動移動している時間の方が長いので退屈な気分にもなります。『Headmaster (北米版)』もそういう意味じゃテンポが悪いところがありましたが、本編は本編で良いので、せっかくVRでのヘディングアクションなのだからヘディングをしまくれるモードも欲しかった。「気軽にヘディングしたい」という気持ちに応えてはくれない。
1周2時間30分で、まとまりの良いアート系ヘディングパズルアドベンチャーですが、2,376円という価格も考えると、繰り返し遊べるようなモードも欲しかった。もしくは1,500円なら価格で納得できた。マルチエンディングですが、それ以外の要素でのリプレイ性は低い。狙いやすい操作は気持ち良さもあるので、ボコスカ破壊できるシューティングにしても面白そうだと思った。
アート性のあるVRヘディング&パズルゲームは唯一無二なので、新鮮さだけでも大きな価値があります。たくさんゲームをプレイしてきましたが、さすがにこんなゲームは初体験です。