『アサシン クリード シンジケート』をクリアしたので感想。クリア時点の総シンクロ率は69%でクリア後に追加されるメモリーもありますので、まだまだゲームとしては終わりではありません。
基本的なゲームシステムは従来のアサシンクリードと大差ありませんが、『ユニティ』が抱えていた問題を解消し、新たな味付けもされています。下記5点が印象的な要素。
・エヴィーとジェイコブという2人の主人公
・ロープランチャー
・ギャング
・馬車
・変化した戦闘システム
本作は姉のエヴィー・フライと弟のジェイコブ・フライの姉弟が主人公。通常ゲーム中ならいつでも切り替え可能です。地域解放などの汎用ミッションは好きなキャラでプレイできますが、ストーリーミッションはキャラ固定。レベルや装備のアップグレードは共有なので別々にレベル上げをする必要はありません。
ステルスの得意なエヴィーと戦闘が得意なジェイコブという個性があり、固有スキルもありますが、実際のところ大差ありません。キャラの使い分けをしないと厳しいという場面もなく、好きな方を使えば良いです。この仕様で良かったと思います。2人の主人公だから、それを活用させるために半強制的にキャラを使い分けないといけないような仕様だったら煩わしかったと思う。
移動アクションにおいて革新的とも言える追加要素が腕に仕込んだロープランチャー。高い建物でもロープランチャーを使えば3秒くらいで屋上まで一気に到達できる。広い通りを挟んだ向かいの建物にもロープランチャーで渡る事が可能。
めちゃくちゃ便利でストレスの無いアクションですが、従来のクライミングやパルクールに魅力を感じていた人にとっては嬉しくない技術の進歩かもしれない。
「ルークス」というギャングを結成し、ブライターズという敵対するギャングと縄張り争いをします。『セインツロウ』に影響されたのかな?とも思うところがある。味方ギャングは街中での戦闘でも手助けしてくれる。ギャングアップグレードでギャングを強化可能ですが、フル強化するとガチで強い。ささやかなサポートをしてくれるという程度ではなく、レベル10の味方ギャングはバッタバッタと敵を倒してくれる。
ギャングの縄張り争いでは、小分けにされたエリアを全て制圧したら、その地域のボスと直接対決するミッションがプレイ可能になる。ちょっと面白かったのが、地域のボスがエリア制圧前に1回だけ顔を見せるのですが、その時に手際よく倒してしまうと最終決戦ではボス不在で楽に勝てるシステム。このちょっとしたアイデアは良かった。
GTA、セインツロウ、ウォッチドッグスなどオープンワールドのゲームには車がつきものですが、アサシンクリードにも車が登場(動力は馬)。
馬車の操作感は豪快です。いろんな物をなぎ倒して走ったり、コーナーで傾くところなども迫力がある。走らせていて面白い。ロンドンは広いので速い馬車は移動にも便利。しかし、ミッションで馬車が多用されるところは疑問。オープンワールドのゲームにおいて、カーミッションは評価を悪くするポイントにもなりやすい。特に暗殺者が主人公のアサシンクリードで馬車チェイスは無い方がいいんじゃないかと思う。
戦闘は簡単になりました。□で攻撃、×でガード崩し、△で投擲武器、○でカウンター。『ユニティ』の時は敵の銃攻撃が強すぎましたが、今作は△で簡単に避けられる。コンボによって処刑アクションみたいなカッコいいトドメも刺せます。戦闘が簡単なので大人数相手でもステルスせずに強行突破できたりします。単にゲームを進めるだけならステルスの意味ないじゃんと言えるかもしれませんが、アサシンごっことして自分が好きなプレイスタイルを選択できるのが良い。楽に強行突破できる相手でも、あえてステルスで片付けていくという。
このゲームの最大の不満点はロードの長さ。ファストトラベルやミッションリトライ時のロードが長い。逆にロード以外に大きな不満がないという事でもあります。
若くて内面は未熟なエヴィーとジェイコブが姉弟喧嘩をしつつ、ロンドンを牛耳る男・スターリックと戦うというストーリー。海外レビューでもストーリーの評価は低かったですが、確かに平凡でした。
サイドメモリーで歴史上の有名人が出てきてニヤッとしてしまう面白さはある。
新規ユーザーにとって壁になりそうなのが癖のある独特の操作性。慣れてくるとある程度は思い通りに動かせるようになりますが、それでも思った通りの動きをしてくれないところもある。
1年前に『ユニティ』をプレイしていても、操作の勘を取り戻すのに時間を要した。でも少しずつ慣れて上手く動かせるようになってくる過程も面白いものです。最初は思い通りに動かなくてストレスかもしれないですが、頑張ってアサシン修行していただきたい。
すでにバージョン1.11ですが、クリアまでにバグは何回かありました。地域解放のための汎用ミッションがクリア不能になるのはイラッとしましたが、汎用ミッションは一定時間で復活するので大きな障害ではなかった。
決定ボタンは日本仕様の○。
音声は日本語吹替にも対応しており「メニュー言語」「音声言語」「字幕言語」を個別に日本語/英語の設定が可能という完璧な仕様。
モブキャラの音声が一部日本語に対応していないところがある。
『ユニティ』の時の問題を解消して地味に遊びやすくなっている。大雑把に見ると「いつものアサクリ」という感じなのですが、ストレスになるような気付きにくいトゲが抜かれていてプレイしやすくなっている。味付け要素も良かった。しかし、馬車は操作と感覚に慣れないとミッションではストレスになる要素かもしれない。
大きな変革はありませんが、前作の問題点を解消して味付けをするという正統進化。
『ユニティ』からパワーダウンした点は人の数。といっても『ユニティ』は人を多くする事に力を入れすぎてしまって、その結果、フレームレートの低下を招いてしまっていた。『シンジケート』の人の数も決して少なくはなく、閑散とした印象はない。ゲームのパフォーマンスと人の数は丁度良いバランスだと思う。マルチプレイモードも無くなっていますが、シングルプレイがメインのゲームなら中途半端にマルチプレイを加えないという判断は悪くない。
メタスコアは『ユニティ』が70点で『シンジケート』は77点ですので、おおむね前作から良くなっているという評価。個人的には、どちらも低く評価されているなと思う。海外レビューでは「変わり映えのしない」「ミッション・スタイルは古臭く感じられる」「水増しがあまりに多すぎる」といったマイナス評価も見られましたが、これらの点は個人的には没頭できる要因でもある。ミッションは水増しと言えるような同じ事の繰り返しでもありますが、アサシンごっこが面白いので何度でもプレイしたい魅力がある。ミッションを繰り返す事で地域が解放されたり報酬が貰えたりするので中毒的に続けてしまう。
購入前は期待値が低かったですけど、やり始めたら没頭する面白さでした。
アマゾンレビューでも41人が評価して4.2点という高評価。今すぐに購入する気が無い人もStoreで「お気に入り」に入れておいても良いと思う。UBIなのでSALEや価格変更もあるでしょうから。
コメント
けどやっぱり楽しい
確かに水増しっぽいですが、長いシリーズで同じスタイルとなるともう印象は同じにならざるを得ないですね。
そういう意味ではわずか一年後の続編で77はむしろ高いほうだと思います。
発売前の期待感が低いのは僕もそうでしたが、予想以上に楽しくプレイできましたね。
後、背景はともかく人物関係のグラなどは、最近出たBO3もそこまで圧倒的に高くないというか、
パッと見ると綺麗ですが、良く見ると少しあらが見える程度のレベルに落ち着いてる気がしました。
人物の数含め、動きの維持を考えるとこのぐらいのレベルのグラフィックが現行機のちょうどいいレベルなのかも。
「前作の不満点を解消&味付け」
シリーズ物に関してはこれで十分だと思いますね
新エンジン、システムを採用した3とユニティがアラが目立っていた反面、4や今作では癖を上手く無くしていましたし
○決定になったのが何よりも嬉しい