『不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ』面白いが割高

2015年7月30日(木)にリリースされたばかりの『不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ』。体験版がリリースされていますので、実際にプレイしてみるのが一番わかりやすいです。

『片道勇者』と『不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ』

『不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ』は、SmokingWOLF作のローグライクゲーム『片道勇者』のコンシューマリメイク作品です。

2012年8月05日 – 片道勇者(PC/フリーウェア)
2015年4月01日 – 片道勇者プラス(PC/500円) >>Steam
2015年7月30日 – 不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ(PS4・VITA/DL版3,869円・BD版4,298円)

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概要

●プレイする度に世界が変化する

●強制的にスクロールし、すべてが呑まれる世界
『不思議のダンジョン』であればダンジョンを探索してより深く潜っていきますが、このゲームは画面右側へと進んで行きます。『不思議のダンジョン』は進行度が「階」ですが、このゲームの進行度は「km」で表示される。「目指せ2000km!」といったところ。

●20種類を超えるクラス(職業)
チュートリアルでは剣士固定で名前もナーマエナシですが、チュートリアル終了後にクラスと名前の変更が可能。最初に選択できるクラスは剣士/ナイト/アーチャー/盗賊/理術士。創世石を消費して新たなクラスをアンロックする事が可能。性別という項目は無いですが、クラスごとに男性絵(A)と女性絵(B)があって選択可能。それプラス、使用したクラスで好成績を残すとグラフィックCがアンロックされる。
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●マルチエンディング
最初のゲームの目的は堕天使アルマを倒すことです。難易度ノーマル以上で堕天使アルマを倒すとスタッフロールが流れてエンディングとなります。早ければ30分以内でエンディングが見られる。でもマルチエンディングということなので、まだまだ先にネタがあると思います。
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体験版をプレイするとわかりますが、基本操作とゲームシステムは『不思議のダンジョン』に似ています。大きく異なるのが「強制的にスクロールし、すべてが呑まれる世界」という部分。画面左から光の厄災【シャインレイド】が迫って来るので、モタモタせずに画面右に進行していく必要がある。「モタモタせずに」とは言っても『不思議のダンジョン』システムのターン制ですので、プレイヤーが動かなければ光の厄災【シャインレイド】も動かない。焦らず長考できるシステムではあります。

引継要素と強化要素

このゲームでは1プレイごとにレベルや所持金はリセットされます。とはいえ、次のプレイに繋がる物がないわけではありません。

夢幻倉庫

アイテム倉庫です。1プレイ終了毎に、その時点での所持アイテムを倉庫に預ける事が出来る。例えば強力な武器を預けておけば、次回プレイ開始時にその武器を倉庫から引き出して楽に冒険をスタートできる。

しかし、夢幻倉庫の初期枠は「1」のみ。創世石を消費する事で、この枠を大きくする事が可能。拡張に必要な創世石は、拡張する毎に+5されていく。

倉庫枠 創世石
1個→2個 10個
2個→3個 15個
3個→4個 20個
4個→5個 25個

※これ以降も前回の支払い+5で拡張可能。

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特徴(PERKS)

「特徴(PERKS)」という要素もあります。命中率がアップしたり、開錠スキルがアップしたり。これも創世石でアンロックできる。ゲーム進行が有利になるものがほとんどですが、不利になるかわりに最終評価がプラスされる特徴もある。特徴(PERKS)は所有している中から最大5つを装備できるようになる。

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お城カスタマイズ

ゲームスタート地点となるお城。部屋を増築して様々な住人を呼ぶことができる。

料理人などプレイヤーを手助けしてくれる住人を配置すれば、冒険が有利になる。クエストが発生する住民もいて、クエスト達成で新たなクラスがアンロックされる。部屋の増築や住民を呼ぶのに夢幻石を消費する。

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世界の選択

冒険する世界は3つのカテゴリーに分かれています。

キャンペーンの世界 開催中のキャンペーンの世界から選択します。
ゆるいオンライン要素があり、他のプレイヤーと同じ世界を冒険できる。具体的には2つで、1つは簡易Twitterのような機能で他のプレイヤーの動向が表示される。もう1つは他のプレイヤーが死んだ場所で霊魂となって出現し、経験値と場合によってはアイテムが得られる。この要素があるとかなり有利。
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過去に冒険した世界 過去に冒険した世界から選択します。
名前で指定する世界 名前を指定して世界を決めます。
同じ名前なら、その世界は必ず同じ地形になります。面白い地形を見つけたらフレンドに教えてあげたりして世界を共有する事ができます。村の場所がわかっていると攻略しやすい。ドラゴンクエスト9の宝の地図みたいでもあります。

面白いが割高

原案となった『片道勇者』の評価が高く、それをリメイクしているわけで安定した面白さはある。

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『不思議のダンジョン』らしさがあり、1プレイのゲームバランスが良くて緊張感のあるゲーム。グイグイとレベルが上がって、かなり長距離進めると高揚感がありますね。

アイテム倉庫もあるのでアイテム集めも面白いですし、倉庫拡張のために創世石を集める必要があるので1プレイ1プレイに目的を持ってプレイできる。倉庫の拡張とアイテムの収集、特徴(PERK)の収集、クラス(職業)の収集、お城カスタマイズなど、やり込み甲斐のある要素も魅力。

しかしDL版3,869円/BD版4,298円という価格設定は、割高に感じます。ローグ・レガシーと同じ2,000円ぐらいが適正価格なんじゃないかと思います。いわゆるスルメゲー的なゲームで、シンプルながら噛めば噛むほど味が出てくる。とはいっても味付けは豪華ではないので、この価格設定は高い。

作り込みも甘い。このレベルのシンプルゲームで移動中に読み込みでストップするのは酷い。ちょっと待てば良い話なのでゲームプレイのストレスになるほどではありませんが、だらしない作りに思える。
何十回も何百回も繰り返しプレイするゲームですが、ゲームスタート時に毎回同じ事を言われるのもなんとかしてほしかった。2回目以降はカットされるとか、オプションでカットできるとか。

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・『不思議のダンジョン』シリーズのテイストを持ったローグライクゲームとして面白い。
・DL版3,869円/BD版4,298円という価格のわりには味付け不足。2,000円なら満足。
・良くも悪くもインディーゲームらしい。
・体験版で入手した創世石は製品版に引き継ぐようなので体験版からプレイしてみると良いでしょう。


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