『ウルフェンシュタイン:ザ オールドブラッド』クリア後の感想。
Chapter 1は作業的なステルスを「やらされている」という感じで、面白くありませんでした。スーパーソルジャーに見つからないようにスーパーソルジャーを動かしている電源を切る→近づいてキル、を繰り返す。狭いエリアでスーパーソルジャーは決まったルートを動いているので「こう動いて下さい」といった感じのわかりやすい答えが見えちゃうと面白くない作業になります。一昔前ならこれで通用したと思いますけど、もっと自由度や戦略性が欲しいところ。
移動も壁にパイプをL2・R2で交互に刺して登るというよくある感じのやつが何度かあり、作業感が強まりました。正直、Chapter 1の途中で見限って『ウィッチャー3』に戻ろうかとも思いました。こんなのが今後も続くのかなと不安になりましたが、Chapter 1だけでしたので良かったです。
Chapter 1を終えてから本来の『ウルフェンシュタイン』らしさが出て楽しくなりました。
『ウルフェンシュタイン』と言えばステルスとメイヘムという2つの攻略スタイル。敵に見つからないように司令官を暗殺するか、銃撃戦でドンパチやって敵を一掃するか好きなように攻略できる。このバランスが良いです。ステルスに失敗したらダメってわけでもないし、最初から銃撃でゴリ押しすれば楽ってわけでもない。なるべくプランAのステルスで司令官を暗殺したいけど、見つかったらプランBで銃撃戦という感じにプレイしました。
司令官を暗殺するプレイ感覚は『ヒットマン』みたいです。このゲームの魅力の6割は、この司令官暗殺ミッションかなと思います。
基本部分は『ザ ニューオーダー』と同じですので、銃撃の操作感やグラフィックなどはしっかりしています。武器を使い分ける面白さ、PERK習得の面白さもあります。Z指定ならではのグロさも前作同様ですし、日本語吹替、決定○など良いローカライズだと思います。前作は音声が聞き取りにくかった部分もありましたが、今作は問題無し。
多くのFPS・TPSのキャンペーンモードはミニマップに行き先や敵の位置が表示されますが、このゲームにはミニマップがありません。方向キー下でマップを開く事が出来、目的地程度の情報はありますが使いにくいです。敵の位置を把握しにくいからステルスが難しかったり、次のルートがわかりにくかったりします。これはゲーム性として意図的にやっているのかなと思います。親切なゲームに慣れていると戸惑うところ。
雑魚敵との銃撃戦は面白いですが、ボス戦は難しくてストレスが溜まるようなところもありました。雑魚敵の無限湧きでどっから攻撃がくるかわからないなどの行き過ぎた乱戦は、あまり楽しめないですね。ボス戦は少ないので大きな問題ではありませんが。
ストーリー的には退屈でもないですが、さほど盛り上がりもしない。後半は少しトンデモ展開に驚けますけどね。
ストーリーの流れ自体は興味をひかれませんが、嫌なキャラクターだったり、悲劇的・残酷なシーンだったり、ポイントポイントでウルフェンシュタインらしさを感じます。印象に残るシーンがいくつかある。
龍が如く0みたいなもので『ザ オールドブラッド』は『ザ ニューオーダー 0』みたいな存在です。過去の話になるわけですが、『ザ ニューオーダー』を知っていると、ちょっとニヤッとしちゃうようなところもあります。クリア後には久しぶりに『ザ ニューオーダー』をプレイしたくなります。時系列的には『ザ オールドブラッド』が先ですが、こちらを先にプレイするとニヤッとするネタがわからないので、発売順通りに『ザ ニューオーダー』からプレイする方が良いでしょう。
クリアセーブデータは7時間27分でした。難易度NORMALでプレイしましたが、何度も何度も死んでスムーズに進まなかったです。最後のボスだけで30分以上使っています。スムーズに進めるなら6時間くらいでいけるんじゃないでしょうか。
ロケーションはいろいろあってミドルサイズのゲームという印象。価格的に3,218円というのは少しだけ高いかなと思う。北米では$19.99です。
バイオハザードで言うマーセナリーズみたいな戦闘に特化したモードがありますので、本編クリア後も銃撃戦を楽しめます。
難しいところもあってストレスが溜まる部分もありますが、そこは難易度を下げれば解決するのかなと思う。基本的には『ザ ニューオーダー』みたいなゲームですので楽しめました。メタスコアも前作79点、今作76点となっていますが、大きな差がつかないのは納得できるところ。前作を85点と評した人なら今作は82点、前作が65点なら今作は62点といった具合。ですのでレビューを見る必要はあまりなく、購入判断は簡単で『ザ ニューオーダー』が好きなら買い。『ザ ニューオーダー』をやってないなら『ザ ニューオーダー』からプレイする。